2017/05/23

白鷺が集団就塒する川【前編】(冬の野鳥)



2016年12月中旬・午後15:48~16:19

白鳥の塒入りを観察しようと川で待ち構えていたら今回はうまく撮れず、その代わりに予想外のスペクタクルが見れました。

まず上流から飛来したのは白鷺です
川の中の岩に着陸すると羽繕いを始めました。
白鷺(シラサギ)には何種類かいますけど、おそらく冬鳥で大型のダイサギArdea alba)だと思います。
望遠レンズを持って来なかったため、識別点である目元にズームできませんでした。
ところがしばらくすると、この白鷺は岩の上から上流へ飛び去ってしまいました。
(飛び立つ瞬間は撮り損ね)

次に、河畔林の落葉樹の天辺で休んでいる白鷺を見つけました。
この個体もカメラを向けられていることを嫌ったのか、川とは逆方向に飛び立ってしまいました。



再び上流から白鷺が飛来しました。
堰の上空で引き返し、旋回すると上流へ飛び去りました。
集団塒の候補地を偵察に来たようです。

対岸の集団就に一番乗りしたのはアオサギArdea cinerea)でした。(午後16:13)
背の高い枯れ草に隠れて姿が見えなくなりました。

また白鷺が上流から飛来しました。
先程と同じく堰の上空で引き返し、また上流へ戻って行きました。
集団塒に仲間が居ないと不安で、着陸する気になれないのでしょうか。
川岸に立っている私の存在に警戒しているのかもしれません。

ちなみに、この日の公式な日の入り時刻は午後16:19。

私はそれまで白鷺の塒入りを見たことがありませんでした。
なぜ樹上のコロニー(鷺山)でそのまま寝ないのか、不思議に思いました。
落葉樹の塒は冬になると白鷺が目立ってしまい、危険を感じるのかもしれません。

『カラー版自然と科学22:シラサギのくらし』p31によると、

(秋のはじめに)サギ山を出たシラサギたちはいくつかの群れになり、近くの川岸の木や沼の林にあつまってそこをねぐらにします。



ここまでは序章で、いよいよ白鷺の群れの本格的な塒入りが始まります。
後編へつづく。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



【おまけの動画】

周囲の実際の明るさを示すために、自動色調補正処理していないオリジナル・バージョンの薄暗い動画もブログ限定でお見せします。



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2017/05/22

ツルウメモドキの赤い実を採食するツグミの群れ♪(冬の野鳥)



2016年12月中旬

河川敷の落葉高木(樹種不明)に絡みついた蔓植物ツルウメモドキに冬鳥ツグミTurdus eunomus)が群がって赤い果実を採食していました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。





2017/05/21

パン屑を採食するハクセキレイ♂(冬の野鳥)



2016年12月中旬

川岸の桟橋でカモ類にパンを千切って給餌する家族連れがいました。(映像公開予定)
その家族と鴨の群れが帰った後でハクセキレイ♂(Motacilla alba lugens)がやって来て、桟橋の板に散乱した白くて細かいパン屑を丹念に啄み始めました。
(ハクセキレイが食べているのは雪ではなくてパン屑です。大き目の欠片は全てカモ類が食べ尽くした後なのです。)
パンを食べるハクセキレイは以前、都市鳥に関する本で読んだ通りでした。
ハクセキレイがヒトをあまり恐れなくなり、学習した結果、いつも給餌のおこぼれに預かってるのでしょう。
ただし、先程の家族連れからカモ類に混じってハクセキレイが直接パンをもらっていた記憶はありません。

私も試しに給餌してみれば良かったのですけど、あいにくパンなど食物を何も持ってきていませんでした。(そもそも野鳥への給餌行為があまり好きではありませんし。)

※ 夕方に撮った薄暗い映像に対して動画編集時に自動色調補正を施しています。






枝先で脱糞し飛び立つモズ(野鳥)



2016年11月下旬・午前9:50

郊外の庭で落葉したナナカマド?の木の天辺でモズ♂(Lanius bucephalus)を発見。
猛禽類のモズが純肉食性なのに赤い果実を採食したら大発見?…と内心期待しながら息を潜めて見守りました。

モズは枝先で辺りを油断なく見回しています。
頻りに首を傾げる仕草が可愛らしいですね。
朝の陽射しの中で日光浴しているのかもしれません。
すぐ近くでヒヨドリやカラス鳴いているのに、高鳴きなどせずにモズは黙っています。
この辺りは結構賑やかな環境です。
飼い犬が鳴いても車が通り過ぎても鉄道の踏切が鳴っても、里のモズはあまり気にしていないようです。

やがて尾羽を持ち上げたタイミングで白い糞を排泄しました。(@1:29)

最後は細い枝で突然バランスを崩したのか、激しく羽ばたき、そのまま飛び去りました。
結局、赤い木の実は食べませんでした。
まぁ、当然ですね。





2017/05/20

杉の実を採食するシジュウカラ(野鳥)の群れ



2016年11月下旬

▼前回の記事 
杉の実を採食するヒガラ(野鳥)の群れ


峠道の横の斜面に生えたスギ林で遭遇したカラ類の混群の中で、シジュウカラParus minor)もスギの球果を啄んで採食していました。
冒頭シーンは、コガラPoecile montanus)が休んでいた枝にシジュウカラが乱入して追い払いました。
混群で個体数が多いのはシジュウカラでした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



秋風に吹かれて飛ぶガマの綿毛【風散布型種子】



2016年11月下旬

農村部の休耕田にガマ(蒲)の群落が生えていました。
晩秋の秋風に吹かれて、熟した穂先から白い綿毛がフワフワと飛んでいきます。
空気抵抗を大きくするために冠毛を付けた種子が風任せで遠くまで散布される仕組みは風散布の一種です。
タンポポの綿毛がその代表例です。


鷲谷いづみ、埴沙萠『タネはどこからきたか? (Nature Discovery Books)』によると、

・ガマは、冠毛のある細かいタネを大量につくり、強い風でなければ飛ばないように穂の形にまとめ、その穂を高く掲げる。風でタネを飛ばす名人中の名人だ。その分散力の大きさが、ガマを世界中に広げているといってもよいだろう。(p21より)
・いかにも身軽そうな微細なタネは、ときに数千mの高度まで舞い上がり、水平距離にして数百kmも飛ぶことがあるという。(p9より)




埴沙萠『科学のアルバム:たねのゆくえ』p1によると、

風にとばされたガマのわた毛は、やがて水面におちてながされ、さらに遠くへはこばれていきます。



▼関連記事
ガマの穂の綿毛はフワフワ

このとき(6年前の2010年11月上旬)は未だ少し未熟な穂を手でほぐして中に詰まっていた綿毛を風に飛ばせる実演をしました。
今回はご覧のように、自然に綿毛が飛ばされていく様子を動画に撮りました。


2017/05/19

杉の実を採食するヒガラ(野鳥)の群れ



2016年11月下旬
▼前回の記事 
杉の実を採食するコガラ(野鳥)の群れ


峠道の横の斜面に生えたスギ林で遭遇したカラ類の混群の中で、ヒガラPeriparus ater)もスギの球果を啄んで採食していました。
やや遠いのですが、互いに鳴き交わす声がかすかに聞こえます。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2017/05/18

杉の実を採食するコガラ(野鳥)の群れ



2016年11月下旬

峠道の脇の斜面に生えたスギ林でカラ類の混群と遭遇しました。
スギの球果を啄んで採食しているようです。
混群の中でも、まずはコガラPoecile montanus)に注目した採食シーンをまとめました。
やや遠いのですが、互いに鳴き交わす声がかすかに聞こえます。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


帰ってから『野鳥と木の実ハンドブック』p70で復習してみると、私が観察した通りでした。

(スギの)種子は10月頃から熟すが、鳥は厳冬期の頃に採食することが多い。採食する鳥の種類はあまり多くはない。(シジュウカラ類、アトリ、マヒワなど。)

2017/05/17

落葉した木に集まるヒヨドリとツグミの混群(冬の野鳥)



2017年2月上旬

雪がちらつく日に、街中のお屋敷の庭でヒヨドリHypsipetes amaurotis)と冬鳥のツグミTurdus eunomus)が樹上に群れていました。
ときどき枝から枝へ飛び移っています。
この立派な庭木はおそらく桜ではないかと思います。
落葉した樹冠に冠雪しています。
右隣に植えられたズミ?の木の果実を採食していた混群が、私に警戒して一時的に桜の枝へ退避したようです。

▼関連記事
ズミ?の果実を採食するヒヨドリの群れ【冬の野鳥】

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2017/05/13

雪の日に川を歩くダイサギ(冬の野鳥)



2017年2月上旬

小雪がちらつく日に、町中を流れる川の中に佇む1羽のダイサギArdea alba)を見つけました。
ボサボサした飾り羽が寒風になびく様子が印象的でした。
川岸は雪で覆われています。
川下を向いて立っていたダイサギがときどき横を向くのは、きっと私を警戒して横目で見るためでしょう。
やがてダイサギは雪の積もった中洲の陰に隠れるように移動しました。

しつこい私は撮影アングルを求め、かなり近づいてからつづきを撮影。
ダイサギの横顔にクローズアップして識別点の目尻を確認します。
いつもと違ってこれほど接近しても飛んで逃げませんでした。
しっかり個体識別している訳ではありませんが、この川でいつも見かける顔なじみの個体だとすると、ようやく私に気を許してくれたのだろうか。
もしかすると厳冬期には餌不足で飛び立つのも億劫なほど飢えているのかもしれないと想像しました。

最後はようやく警戒を解いたのか、川の中を下流へ歩き始めました。
採食行動(漁)などの派手な活動を見れなかったのが残念。

やや退屈な動画かもしれませんが、雪国を知らない人はこの静謐なひとときが魅力的(エキゾチック)に思うかもしれません。



2017/05/11

ズミ?の果実を採食するヒヨドリの群れ【冬の野鳥】



2017年2月上旬

街中にある旧いお屋敷の立派な庭で、ヒヨドリHypsipetes amaurotis)がとある落葉樹に群がっていました。
雪をかぶった枝に残った丸くて茶色(干し柿のような色)の果実を喋んでいます。
果実の根本はとても細くて長い柄で枝につながっています。
例えるならサクランボみたいな柄です。
この柄のせいでヒヨドリはとても食べにくそうな様子でした。
嘴で実をつついても失敗して、実を落としてしまうこともありました。
ようやく柄からちぎって実を丸呑みできたと思いきや、なぜか種子を吐き出し捨ててしまうシーンが撮れました。(@2:51~3:01)
これでは種子散布の役割を果たしていませんね。(偶々かな?)
最後ヒヨドリは鋭く鳴きながら飛び去りました。

実は初めこの木にヒヨドリだけでなくツグミも来ていたのですが、撮影しようと私が近づいたらツグミは逃げてしまいました。

▼関連記事落葉した木に集まるヒヨドリとツグミの混群(冬の野鳥)
あるいはヒヨドリが群れで餌場を占有していたのかもしれません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



この果実の樹種を調べるのに難航しています。
予想が二転三転して現在も調査中です。
撮影中はなんとなくマメガキだろうか?と思いました。
帰ってからは図鑑で少し調べて、エノキかな?と予想を変更。

「エノキの実は甘くてうまい」@『カラスの教科書』p117より
ところが春になって花が咲くと、エノキではなく、桜のような白い花でした。
ズミやエゾノコリンゴですかね?
葉が出るまでもうしばらくお待ち下さい。



2017/05/06

ソヨゴの赤い実を採食するツグミ(冬の野鳥)



2017年2月上旬・夕方16:40~17:00頃

雪道の路肩で何やら採食している冬鳥のツグミTurdus eunomus)が気になって、通りを見下ろす向かい側の建物内から動画を撮り始めました。
ここ雪国では除雪車のおかげで車道の両側に雪の壁が高く形成されます。
雪の壁に埋まっていた赤い実を1羽のツグミが探しては啄んでいました。
その辺りは実はちょうどタクシー乗り場になっていて、客待ちのタクシーが並んでいます。
見ている私は初め、ツグミの採食メニューが何か分かりませんでした。
タクシーの運転手が暇つぶしで野鳥に何かを給餌しているのか、それとも赤いジュースを雪にこぼしたのか?と一瞬疑いました。
しばらく観察を続けると、歩道に植樹された常緑樹に赤い実がなっていて、その一部が下に落ちて雪に埋まっているのだと状況が飲み込めました。

この見知らぬ街路樹を後で調べてみると、現時点ではおそらくソヨゴ(別名フクラシバ)の雌株だと思います。
花が咲く季節まで定点観察に通い、樹種をしっかり確かめるつもりです。
ソヨゴは分布の北限が新潟県と宮城県らしいので、寒冷な山形県で生育可能なのか微妙なところです。

車道を車がひっきりなしに通っても、このツグミはあまり恐れません。
ツグミは路肩から雪の壁を見上げると雪に埋まっていた赤い実を目がけて飛び上がり、ほじくり出して食べる、という行動を繰り返しています。
食後は雪に嘴を擦り付けて拭うこともありました。

ツグミは雪道を2本足でぴょんぴょん跳ねて元気に移動します。
エンジンを掛けたままアイドリングしているタクシーの排気ガスがかかってもツグミは全く気にせず、車の周囲を平気で歩き回っています。

日本の野鳥は一般に嗅覚が鈍いとされているので、排気ガスの匂いを嫌わなくても不思議ではありません。
むしろ排気ガスの温もりが気に入り、積極的に近づいているのかな?と思ったりしました。




落果を食べ終えたツグミは後半になると冠雪したソヨゴの樹上に止まり、枝先に残った赤い実を直接採食するようになりました。

このツグミは通行人も車もほとんど恐れず、かなり大胆というか人馴れした個体だという印象を受けました。
食糧の乏しい厳冬期には食べることで必死なのかもしれません。
歩道を下校中の学童に見つかったときだけツグミは警戒して少し逃げました。
一方、大人は野鳥の営みに全く気付かず無関心に雪道を行き交います。
客待ちのタクシー運転手が車外に出て煙草を吸っている間もソヨゴ樹上のツグミ(約3mの至近距離)は逃げませんでした。(映像なし)




日が暮れると、ツグミはこのまま葉の茂った街路樹ソヨゴの枝を塒(ねぐら)にするかと期待したものの、暗くなるとやがて姿が見えなくなりました。(午後17:20頃)
おそらく塒は別の場所にあるのでしょう。
ちなみに、この日の日の入り時刻は午後17:10。


※ ガラス窓越しに撮った映像はやや不鮮明だったので、動画編集時に自動色調補正を施しています。



以下は2日後に改めて現場を再訪して撮った街路樹ソヨゴ?の写真。
赤い実はもう鳥に食べ尽くされて残っていませんでした。

『野鳥と木の実ハンドブック』p22によると、ソヨゴの赤い実を
近くに鳥がいても鳥が食べているところを私は見たことはない。


2017/04/19

水平円網の横糸を張るアシナガグモ(蜘蛛)幼体

昔(10年前!)に撮った動画の再投稿です。
シリーズ物なのに、これだけブログに移行し忘れていました。



2007年7月中旬~下旬


卓上蛍光灯の直下に店開きして夜な夜なライトトラップに励むアシナガグモTetragnatha praedonia)の幼体(体長3mm)の造網シーンを動画で記録しました。
粘着性のある横糸を螺旋状に張り進めます。

最後は甑に集中した糸を食い破り、円形の穴を開けます。
完成した水平円網の下面の甑に占座します。



横糸を張る行動を1/5倍速のスローモーションに加工してみました。

2017/01/21

ヤブガラシの花蜜を吸うホソサビキコリとキイロスズメバチ♀の襲撃



2016年9月下旬

川の堤防に咲いたヤブガラシの群落でおそらくホソサビキコリ(Agrypnus fuliginosus)と思われる甲虫が訪花していました。
吸蜜シーンを撮っていたら、突然キイロスズメバチ(Vespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が飛来しました。(@0:55)
襲撃は一瞬の出来事なので、先ずは1/4倍速のスローモーションで御覧ください。
キイロスズメバチは花上の獲物に飛びついたものの、硬い鞘翅に身を包むホソサビキコリには歯が立たないと判断したようで、すぐに諦めて飛び去りました。
大型で頑強な大顎を有するオオスズメバチなら小型の甲虫もお構いなしにバリバリと噛み砕いたと思います。
サビキコリの仲間が天敵から身を守る毒液やガスを放出するという話は聞いたことがないのですけど、その可能性もひょっとしてありますかね?(毒があるのなら派手な警告色になっていそうなものです。)

2017/01/11

餌付けされたハシボソガラス(野鳥)



2016年9月下旬

街中の交差点で信号待ちをしていたら、前方の路上にハシボソガラスCorvus corone)が一羽立っていました。
車の交通量が結構多い通りですが、赤信号で車が来ないタイミングをカラスは理解しているようです。
クルミ割り行動ではないので不思議に思って撮り始めると、左手の豆腐屋から急に食物が投げられました。
カラスは転がった餌を走って取りに行くと、その場では食べず、嘴に咥えて飛び去りました。
繁殖期は終わっているはずなので、巣に帰って雛に給餌するのではなく、どこか落ち着いた場所で自分が食べるのか、あるいは貯食しに行ったと思われます。
どうやら店の主人がカラスに餌付けしているようです。
餌は茶色の塊でしたから、おそらく「油揚げ」または「がんもどき」でしょう。
「鳶に油揚げをさらわれる」という諺がありますけど、「烏に油揚げをさしあげる」のは初めて見ました。


地中で繭を紡ぐウスムラサキイラガ(蛾)終齢幼虫【100倍速映像】




▼前回の記事
繭作りのため地中に潜るウスムラサキイラガ(蛾)終齢幼虫【60倍速映像】


ウスムラサキイラガ(蛾)の飼育記録#13


2016年9月中旬・午後21:09〜午前11:06

飼育下で営繭を観察するのは無理かと諦めかけていたら、ウスムラサキイラガAustrapoda hepatica)の終齢幼虫はプラスチック円形容器の縁と接する地表の窪みに落ち着き、口から絹糸を吐いて繭を紡ぎ始めました。
微速度撮影で記録したので、100倍速の早回し映像をご覧下さい。
ちなみに、丸皿容器の直径は30mm(内径)。

繭室の底となる土に絹糸を敷き詰めて裏打ちしています。
幼虫は地中に完全には潜れなかったため、繭室の上はがら空きで足場がありません。
これからどうするのでしょうか?
砂粒を綴った塊が天井中央まで細長く伸びて、絹糸を架ける足場となる橋頭堡が出来ました。
これ以降は一気に営繭が進みます。
ときどき休む静止時にも背脈管(昆虫の心臓)の拍動がよく見えます。
初め白っぽかった繭が、次第に褐色に変化しました。
本種は毛虫ではないので、繭に抜け毛を織り込んでいるのではなく、絹糸の色が褐色なのでしょう。

同じイラガ科でもイラガ(Monema flavescens)の繭とは似ても似つかない繭が完成しました。
むしろイラガの硬い繭が異例なのでしょう。
完成した繭の中でウスムラサキイラガは前蛹越冬するそうです。
夏になったら成虫が無事に羽化してくれるでしょうか?

21:08 pm
00:40 am
04:03 am
11:50 am
11:50 am
11:51 am
16:08 pm
16:09 pm
16:10 pm





【おまけの動画】
同じ素材で早送り速度を落とした10倍速映像(これがオリジナル)および60倍速映像をブログ限定で公開しておきます。


つづく→#14





2017/01/10

ヘラオオバコの花蜜を吸うクロオオアリ♀



2016年9月中旬

線路沿いに咲いたヘラオオバコの群落でクロオオアリ(Camponotus japonicus)のワーカー♀が何匹も訪花していました。
おそらく吸蜜しに来たのでしょう。
この日は先を急ぐ用事が合ったので、蟻をマクロレンズでじっくり接写できていません。
(後で思うと、ヘラオオバコの花にアブラムシが集っていて蟻はその甘露を舐めに来た可能性も考えられますけど、現場ではそのようなアブラムシには気づきませんでした。)

風媒花とされているヘラオオバコも実は蜜腺をもつ虫媒花ではないか?という疑惑がこれでますます強まりました。
詳しくはこちらのまとめ記事(リンク集)をご覧下さい。


繭作りのため地中に潜るウスムラサキイラガ(蛾)終齢幼虫【60倍速映像】




▼前回の記事
脚が退化したウスムラサキイラガ(蛾)幼虫の歩行の秘密


ウスムラサキイラガ(蛾)の飼育記録#12


2016年9月中旬

調べてみるとウスムラサキイラガAustrapoda hepatica)の終齢幼虫は地中に潜って繭を紡ぐのだそうです。
外は雨が降っていたので、軒下から乾いた土を採取してきました。
大き目の砂粒をピンセットで取り除きましたが、土を細かくふるいにかけるべきでした。
直径35mmのプラスチックの皿に土を入れ、その上に幼虫を乗せてみました。
微速度撮影で記録したので、60倍速の早回し映像をご覧下さい。

幼虫はシャーレ側面の円周に沿って徘徊すると、縁から地中に潜り込み始めました。
入れた土の量が浅過ぎたのか、幼虫はすぐに地表に出てきてしまいました。
あまり土を深くすると営繭を撮影できなくなりそうで、量を加減したのです。
容器の外に這い出そうとした幼虫をもう一度地表に戻してみます。

仰向けの状態から起き上がるかと思いきや、横向きの状態で何か作業をしています。
土粒を次々に絹糸で綴って、営繭の足場となる塊を作っているのかもしれません。
自分の体の周囲に土塊の土手を作っています。
排泄した下痢便または口から吐き戻した水分で土を濡らして塊にしている可能性は?

少しずつ前進して容器の縁に達すると、また地面を掘り始めました。
画角から外れないように容器を少し動かすと幼虫は擬死(死んだふり)します。
背脈管(昆虫の心臓)の拍動が見えますね。
しばらくすると警戒を解いて活動を再開。



【おまけの動画】
同じ素材で早送り速度を落とした10倍速映像(これがオリジナル)をブログ限定で公開しておきます。

つづく→#13:地中で繭を紡ぐウスムラサキイラガ(蛾)終齢幼虫【100倍速映像】







2017/01/09

ニラの花蜜を吸うミドリヒョウモン♂



2016年9月下旬

道端に咲いたニラの群落でミドリヒョウモン♂(Argynnis paphia)が訪花していました。
風が吹いて花が揺れ、非常に撮り難い条件でした。





脚が退化したウスムラサキイラガ(蛾)幼虫の歩行の秘密




▼前回の記事
ウスムラサキイラガ(蛾)終齢幼虫が営繭前に下痢便を排泄


ウスムラサキイラガ(蛾)の飼育記録#11


2016年9月中旬

いよいよウスムラサキイラガAustrapoda hepatica)の終齢幼虫が営繭場所を探索するワンダリング(徘徊)を始めました。
一緒に飼っているイラガ幼虫のワンダリングに比べると移動速度が遅い印象です。
ミズナラ(食樹植物)の枝を差していたペットボトルの口まで降りて来てウロウロした挙句、自発的に落ちました。

繭作りを観察しやすいように、蚕の繭棚を模したミニシャーレに幼虫を閉じ込めてみました。
糸を紡ぐ足場として細長い紙を丸めて中に終齢幼虫を入れます。
これはヒメクモバチの飼育で上手くいった方法です。

透明なプラスチック容器の蓋越しに、徘徊中の幼虫の腹面の蠕動運動を接写することができました。
本で読んだ通り、確かに腹脚は完全に退化しています。
腹面全体を波打たせるように蠕動して、ナメクジのように前進します。
名著『わたしの研究:イラガのマユのなぞ』p57によると、

イラガの幼虫には、あるくための足がありません(とくに、腹の足は、ほとんどみえません。胸の足は、すこしあとがのこっています)。どうしてあるくかというと、ちょうどナメクジがはうように、からだをうしろからまえへ、波のようにうごかしてすすみます。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

どうやらウスムラサキイラガ終齢幼虫はこの場所が気に入らなかったようです。
繭を作り始めるどころか、紙を丸めた足場用の小部屋を引きずって歩き回り、隙間からの脱出を試みています。
営繭前に消耗しそうで心配になり、この方法は中止しました。


つづく→#12:繭作りのため地中に潜るウスムラサキイラガ(蛾)終齢幼虫【60倍速映像】



2017/01/08

ヘラオオバコの花蜜を吸うキイロスズメバチ♀



2016年9月下旬

用水路沿いに咲いたヘラオオバコの群落でキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が訪花していました。
花穂をぐるぐる回りながら吸蜜しています。

先客のハナグモ♂Ebrechtella tricuspidata)?とニアミスしても、体格差があり過ぎて(蜂>蜘蛛)勝負になりません。
2匹居たクモのうち1匹が花から慌てて落ちて逃げました。
もしかするとハナグモは縄張り争い中または求愛行動中だったのかも?と思ったものの、スズメバチが邪魔したせいで分からず仕舞いです。



風媒花とされているヘラオオバコも実は蜜腺をもつ虫媒花ではないか?という疑惑がこれでますます強まりました。
詳しくはこちらのまとめ記事(リンク集)をご覧下さい。
今季だけでもスズメバチ科のPolistesおよびVespaの各種が訪花していました。
カリバチは花粉目当てに訪花することはありません。

徘徊性クモが待ち伏せしている時点で、ヘラオオバコに訪花する昆虫が多いことを示唆しています。



ウスムラサキイラガ(蛾)終齢幼虫が営繭前に下痢便を排泄



▼前回の記事
ウスムラサキイラガ(蛾)終齢幼虫とイラガ幼虫の小競り合い・威嚇


ウスムラサキイラガ(蛾)の飼育記録#10


2016年9月中旬

最後の脱皮から6日後、食べて育ったウスムラサキイラガAustrapoda hepatica)の終齢幼虫ミズナラの葉裏で主脈に沿って乗り、静止しています。
従来のような黒い固形の糞ではなく白っぽい液状の下痢便を排泄していました。
いよいよ繭を作り始める準備(前兆)でしょう。
泥水のような糞の雫にズームインしてみます。
ついでに、体表の黒い体毛が根元だけ太いことが分かります。
これはウスムラサキイラガ幼虫の特徴で、同属近縁種ムラサキイラガ(Austrapoda dentata)との識別点らしい。

そのまま動かない幼虫(営繭前の眠)を微速度撮影してみました。(@0:37〜)
10倍速の早回し映像で見ると、蠕動していることがよく分かります。
腹端の肛門がヒクヒクしています。
昆虫の心臓である背脈管が背中の中央に沿った表皮の下で激しく拍動しています。

透明な液体を大量に繰り返し排泄しました。
飼育中に私は食樹の葉に霧吹きしていなかったのに、幼虫がこれほど多量の水分を摂取していたことに驚かされます。
初めに見た泥状の糞(軟便)は、もしかするといつもの固形の糞を排便した後に透明の液体で濡れて溶けたのかもしれません。
幼虫が乗っている葉が斜めになっている(水平ではない)ために、下痢便が流れ落ちました。

最後に幼虫は徘徊を始め、隣の葉に移ると営繭場所を探索する長い旅に出かけました。
もう食欲はありません。

つづく→#11


この写真は自動色調補正済み。体表の剛毛は根元だけ太い。



2017/01/07

フキバッタの幼虫を捕食するニホンカナヘビ【ハイスピード動画】




▼前回の記事
巣口周辺の雑草を避けて飛ぶクロマルハナバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】


クロマルハナバチの巣:定点観察#8


2016年7月上旬

クロマルハナバチBombus ignitus)の巣穴に出入りする蜂を240-fpsのハイスピード動画で記録するために長撮りを繰り返していたら、非常に興味深いスクープ映像が撮れてしまいました。
峠道の側溝に繁茂した雑草(ハナタデ??)が伸びて巣穴をすっかり覆い隠しています。




画面右上隅からフキバッタの一種の幼虫が雑草の葉に飛び降りて来ました。
やがて、コンクリート壁面の排水口から出巣してきたクロマルハナバチのワーカー♀が雑草を避けつつ、フキバッタの頭上を通過して外役に飛び去りました。
それに驚いたフキバッタは、葉上を少しだけ前進。
またしばらくすると、フキバッタは壁に向かって自発的に跳び付きました。
その後はじっと休んでいます。

コンクリート壁面を覆う雑草が突然、不自然に揺れたと思ったら小動物が駆け上がってフキバッタを捕食しました。
スローモーションで見直すと、捕食者の正体はニホンカナヘビTakydromus tachydromoides)でした。
茂みに覆われて私は気づかなかったのですが、クロマルハナバチの巣穴の右横下にカナヘビがずっと潜んでいたようです。

コンクリート壁面に止まっていたフキバッタの幼虫を目がけてニホンカナヘビが垂直の壁を一気に走って登り、見事に口で咥えました。
バッタが跳んで逃げる暇を与えませんでした。
カナヘビは獲物を咥えたまま側溝に落下。
狩りの瞬間だけリアルタイム映像に加工してリプレイすると、電光石火の早業であることが実感できます。

もしかするとカナヘビは、巣穴に出入りする蜂を狩ろうと待ち伏せしていたのかもしれません。
巣口近辺の草むらがそれまでにもときどき不自然に揺れているのが気になっていたのですが、その理由がようやく分かりました。
もしカナヘビが巣穴に押し入ったら、クロマルハナバチは集団で防衛・撃退したでしょうか?

ニホンカナヘビが狩りをする瞬間を運良く観察できたのはもちろん初めてで、この日一番嬉しい収穫でした。
偶然撮れた映像ですので、画角の不満はご勘弁願います。

▼関連記事
ハチを捕食するニホンカナヘビ
カメムシの幼虫を捕食するニホンカナヘビ


つづく→#9






ウスムラサキイラガ(蛾)終齢幼虫とイラガ幼虫の小競り合い・威嚇



▼前回の記事
脱皮殻を食べるウスムラサキイラガ(蛾)終齢幼虫【60倍速映像】


ウスムラサキイラガ(蛾)の飼育記録#9


2016年9月中旬

ウスムラサキイラガ
Austrapoda hepatica)の終齢幼虫は旺盛な食欲で育ち、かなり丸々と太りました。
枝豆(ひと粒)よりも大きなサイズで、大き目のピーナッツぐらいになりました。

面倒なのでイラガMonema flavescens)幼虫たちと一緒に飼っています。
ともに広食性で、食樹植物の調達が楽なのは助かります。
芋虫のことをあまり知らない人が見れば、幼虫の時期はとても同じイラガ科とは思えないほど外見が大きく異なります。
ミズナラの同じ葉でウスムラサキイラガ幼虫がイラガ幼虫とニアミスすると、互いに嫌がって逃げ出します。
ウスムラサキイラガ幼虫は体を左右に大きく揺すって威嚇しています。
イラガ幼虫が近くに来るとウスムラサキイラガ幼虫が上半身を上下させて腕立て伏せのような威嚇をすることもありました。
イラガ幼虫とは異なり、ウスムラサキイラガ幼虫が口で相手に噛みつく行動は見られませんでした。
イラガ幼虫の方が運動性が高く、接触を嫌って離れて行きます。
ウスムラサキイラガ幼虫の疎らに生えた毛に毒があるのか分かりませんが、小競り合いになってもさほど防御効果は無さそうです。

同じ餌資源をめぐって縄張り争いのような感じになりますが、互いに接触を嫌って離れることで自然に分散して平和が保たれます。

▼関連記事
イラガ(蛾)幼虫同士の喧嘩

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#10:ウスムラサキイラガ(蛾)終齢幼虫が営繭前に下痢便を排泄



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