2025/03/08

ニホンイノシシの採食後に泥濘の湿地帯と化した山腹の草地【フィールドサイン】

 

2023年7月中旬・午前11:00頃・くもり 

山腹にあるカエルの繁殖池の様子を久しぶりに見に来たら(定点観察)、周囲の様子が変わり果てていました。
緩斜面の草地が盛大に掘り返され、そこに沢の水が流れ込んだり雨水が溜まったりして、泥濘と化していました。 
おそらくニホンイノシシSus scrofa leucomystax)が採食した痕跡(フィールドサイン)だと思われます。 
地中に石があっても、イノシシは鼻面を使って平気で掘れるようです。 
糞便臭のような悪臭も漂っていたので、おそらく最近できたばかりの痕跡で、イノシシは食事だけでなく排泄もして行ったようです。 

もしかすると、泥浴びをするためのヌタ場をイノシシが自分で開墾したのでしょうか? 
それなら横の池で水浴する方が手っ取り早い気がするのですけど、昔一度だけトレイルカメラでその池を監視したときにはイノシシの水浴シーンは撮れませんでした。 
もしイノシシが同じ場所に夜な夜な通って採食するのであれば、トレイルカメラで監視してみたいものです。 
しかし、この現場はトレイルカメラをきわめて設置しにくく、諦めざるを得ませんでした。 

ひどい泥濘なので、長靴を履かないと、ここを歩いて通過できなくなりました。 
イノシシのせいで里山のきれいな草地が荒らされた!と思いがちですが、新しく出来た湿地帯を好む生きものもいます。 

関連記事(同所で半年後の撮影)▶ 警戒して動かないタシギと根比べ(冬の野鳥) 

歩きにくくて見苦しい地形になったという理由で、地元の人が(良かれと思って)ブルドーザーで整地し直すのではないかと心配です。 


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黄色い菊花の花蜜を吸うキタキチョウ

 

2023年11月中旬・午後13:50頃・晴れ 

民家の庭の花壇に咲いた黄色の菊(園芸品種)にキタキチョウ♀♂(Eurema mandarina)が訪花していました。 
いつものように、翅をしっかり閉じたまま、口吻を伸ばして吸蜜しています。 
最後にようやくキタキチョウが少し飛んで、隣の花に移動しました。 

他にはオオハナアブ♀♂(Phytomia zonata)、ナミハナアブ♀♂(Eristalis tenax)、ツマグロキンバエStomorhina obsoleta)、シマハナアブ♀♂(Eristalis cerealis)なども多数、訪花していました。 


2025/03/07

死んだニホンアナグマから乗っ取った巣穴を巡るホンドタヌキ同士の争い【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年3月下旬 

ホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が死んだニホンアナグマMeles anakuma)から乗っ取った営巣地(セット)を自動センサーカメラで見張っています。 


シーン1:3/25・午前1:50・気温1℃(@0:00〜) 
冒頭から2頭のタヌキが巣口R付近をうろついていました。 
(もしかすると、出巣Rした直後なのかもしれません。) 
左の個体aが、2つの巣口LRの中間地点で落枝の匂いを嗅いでから、自分の首筋を擦り付けました。(@0:16〜) 
何か気に入った匂いを自分の身にまとおうとする、「匂い付け」の行動なのでしょう。 
その様子を見ていた右の♂個体bが正面からゆっくり近づいて、互いに鼻先の匂いを嗅いでから、なぜか相手に襲いかかりました。 
喧嘩の鳴き声(唸り声)♪が聞こえます。 

※ 鳴き声が聞き取れるように、動画の一部は編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


襲いかかった♂個体bが相手aから離れて奥の林内に入り、ミズキ灌木の根本に排尿マーキングしました。 
このとき左後脚を持ち上げたので、性別が♂と判明。 
(冒頭のシーンで、♂bは侵入者aに気づいて出巣Rした直後だったようです。) 

巣外の騒ぎを聞きつけて、別個体cが巣穴Rから外に飛び出してきました。 
タヌキcがゆっくりaに近づいたものの、今度は喧嘩になりませんでした。 
次にcは♂bの方へ近づいて行きました。 
追い払うかどうか、反応が気になるところですが、1分間の録画が打ち切られてしまいました。 

真暗闇で相手が見えませんから、敵か味方(パートナー)か匂いで確認するしかないようです。 
巣穴を巡る縄張り争いなのか、♀を巡る争いなのか、何か小競り合いが生じているようです。 

aが縄張り内で匂い付けの行動をしたこと自体がbへの挑発行動とみなしたようです。 


シーン2:3/25・午前1:52(@1:00〜) 
右に居る2頭が、巣穴の現在の主である♀♂ペアのようです。 
そのうちの1頭♀cが巣穴Rに入りました。 
もう1頭♂bが巣口Rで身震いしてから、♀cの後に続いて入巣Rするかと思いきや、更に別個体dが右下隅の暗がりから登場しました。(@1:15〜) 
そのタヌキdは、麻痺した下半身を引きずって歩く個体でした。 


タヌキ♂bは、背後の「いざりタヌキd」を気にせずにそのまま入巣Rしました。 
巣口LRの中間地点に残った個体aは、巣口Rに近づくと、落葉したマルバゴマギ灌木の根元に首筋を擦り付けて再び匂い付けをしました。 
前回とは匂い付けした対象物が異なります。 
いざりタヌキdと対面しても、互いに知り合いのようで、タヌキcは無反応でした。 
cdは敵対しないので、血縁関係(別の♀♂つがいまたは兄弟姉妹?)なのでしょう。 

その後、いざりタヌキdが♂b♀cペアに入巣Rを許されたかどうか、非常に気になるのですが、残念ながら続きが録画されていません。 
(拒まれたと予想しています。)


【考察】 
2分間の動画で4頭のタヌキが登場する、目まぐるしい展開になりました。 
♂b♀cつがいが、この巣穴Rの新しい主のようです。 
そこへ余所者aが現れて、トラブルになったようです。 

早春はタヌキの繁殖期ですから、♀を巡る♂同士の争いなのか、それとも巣穴を巡る縄張り争いかもしれません。 
♀c♂bは自分の営巣地のあちこちに排尿マーキングして縄張り宣言をしているはずです。 
余所者タヌキaはそのマーキングの匂いを自分の体に擦りつけてから、巣穴に侵入してちゃっかり住み着く作戦だったのかもしれません。(化学擬態) 
ホンドギツネがホンドタヌキの巣穴を乗っ取る前にも、似たような行動が見られました。(タヌキがマーキングした地面に転げ回って匂い付け) 

余所者タヌキaの意図を♂bが見抜いたからこそ、aが縄張り内で匂い付けの行動をしたこと自体がbへの挑発行動とみなしたようです。 

麻痺した下半身を引きずって歩く(いざり歩く)タヌキdも心配です。 
どうやら顔見知りの家族群の中の1頭が(交通事故で?)半身不随になったようです。 
それとも、巣穴を巡る縄張り争いでタヌキ同士が死闘を繰り広げ、大怪我を負ったのでしょうか? 

この2日後(3/27)の晩からセットの端でニホンアナグマの死骸をタヌキが食べ始めました。 
その中の1頭が、「いざりタヌキ」でした。 



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