2025/07/16

山中の水溜りで行水するカケス【野鳥:トレイルカメラ】

 

2024年6月中旬

シーン0:6/17・午後12:50・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山林に囲まれた湿地帯に点在する水溜りが野生動物や野鳥の水場になっているので、2台の自動撮影カメラで見張っています。 


シーン1:6/19・午前10:47・晴れ(@0:04〜) 
左の水溜まりの左岸に1羽のカケスGarrulus glandarius)aが来ていて、水溜まりを見つめています。 
この地点でカケスは初見です。 

すぐに別個体のカケスbが右から飛来して右の水溜りの岸に着地したものの、なぜかすぐに左上に飛び去ってしまいました。 
大型車両の騒音に驚いたのかもしれません。

カケスaが対岸の泥濘に飛び移ると、泥水に嘴を何度も突っ込みました。 
これは泥水を飲んでいるのでしょうか? 
(飲水行動なら、一口ごとに上を向いて水を喉に流し込むはずでは?) 
水中のオタマジャクシを捕食しているようには見えません。 

しばらくすると、浅い水溜りで水浴を始めました。 
水溜りに身を浸しながら翼を羽ばたいて、自分の体にパシャパシャと水をかけています。 
カケスの水浴行動を見るのは珍しいので、1.5倍に拡大した上でリプレイ(@1:06〜)。 

関連記事(2、3年前の撮影)▶  


普段は静かなのに、なぜか大型車両のエンジン音や振動がうるさく聞こえます。 
まさか、近くの林道や山頂で土木工事が始まったのでしょうか? 

カケスの濁った鳴き声がジェー♪と一声聞こえたものの、水浴中の個体が鳴いたかどうか不明です。 
カケスの行水を最後まで見届ける前に、1分間の録画が打ち切られました。


シーン2:6/19・午前11:00・晴れ(@2:00〜) 
12分後に、1羽のカケスが対岸の細い落枝に留まっていました。 
別個体が左から飛来して地上の湿地に降り立つと、入れ替わるように右へ飛び去りました。 
この2羽は♀♂つがいなのかな? 
縄張り争いで水場から追い払った、という解釈もできそうです。
このときカケスの鳴き声は聞き取れませんでした。 

ホッピングで右へピョンピョン移動し、死角に消えました。 
もう一つの水溜まりに向かったようですが、そっちの監視カメラにはなぜか写っていませんでした。 
しばらくすると画角内にカケスが戻ってきて、最後は手前に飛び去りました。 


シーン3:6/19・午前13:06・晴れ(@2:33〜) 
使っている旧機種のトレイルカメラは挙動が気まぐれ(不安定)で、急にフルカラーに戻りました。 
現場の状況をもう一度見せて終わりにします。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

2025/07/15

獲物を口に咥えて夜の獣道を運ぶホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月中旬・午後22:08・気温23℃ 

平地の二次林でニホンアナグマの旧営巣地(セット)に、ある晩ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が単独で通りかかりました。 
アナグマの巣口Lの横を素通りして、獣道を足早に立ち去りました。 

1.5倍に拡大した上で1/3倍速のスローモーションでリプレイしてみると、口に何か黒っぽい物を咥えて運んでいました! 
初めて撮れた行動です。
この時期は親タヌキが幼獣を運搬している(引っ越し)可能性もありますが、素人目には幼獣ではなく野ネズミ(ノネズミ)などの小動物を獲物として狩ってきたように見えます。 
近くの休耕地にある巣穴に運んで、幼獣に給餌するのでしょう。 
獲物としては、アカネズミ、ヒメネズミ、ハタネズミなどが考えられます。 
あるいは、小動物の死骸を拾ってきたのかもしれません。 


【追記】
今回登場した個体が親ダヌキではなくヘルパーという可能性もあり得るのですけど、「オッカムの剃刀」という原則に従って、当面は難しいことを考えないようにします。

ちなみに、翌2025年にはヘルパーの存在が確定しました。(映像公開予定)


つづく→

ヤマホタルブクロの花筒に潜り込んで採餌するスミゾメハキリバチ♀

 

2024年6月中旬・午後12:45頃・晴れ 

民家の花壇に咲いたホタルブクロに蜂が忙しなく訪花していました。 
萼片の形状(基部が反り返る)からヤマホタルブクロ(別名ホンドホタルブクロ)のようです。 
花弁の色は赤紫でした。 

釣鐘状の花筒から外に飛び出してきた蜂を1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみて(@0:20〜)ようやく、ムナカタハキリバチ(別名スミゾメハキリバチ)♀(Megachile willughbiella sumizome)と分かりました。 
正当訪花で釣鐘状の花筒に潜り込むと、中でしばらく吸蜜・集粉していたようです。 
花筒の内部にいる蜂の影が花弁を通して透けて見えることはなかったのですが、蜂が動き回ると花弁がベコベコと動いたような気がしました。 

次の花を探してホバリング(停空飛翔)しているスミゾメハキリバチ♀の腹面を見ると、スコパは赤褐色でした。 
これは本種のスコパ本来の毛の色ですし、ホタルブクロの花粉は白いはずなので、今回のスミゾメハキリバチ♀は花粉をほとんど集めれなかったようです。 
ホタルブクロは雄性先熟らしいのですが、今回は雄しべの葯の花粉が既に枯渇していたのかもしれません。 
だとすると、次の花筒に潜り込まずにスミゾメハキリバチ♀がヤマホタルブクロの群落から飛び去ってしまったのも納得です。 

関連ブログ ▶ ~ ホタルブクロに 来たハチ ~ by 「足立直義の丹沢・大山山麓だより」 
スミゾメハキリバチ♀のスコパに白い花粉が大量に付着した見事な写真が掲載されていました。 
今回の私の観察だけでは分からなかったのですが、スミゾメハキリバチ♀はホタルブクロに訪花する常連客で、送粉者として働いているようです。 

ホタルブクロの花粉の色について、Perplexity AIを宥めすかしながら相当しつこく問い合わせて、ようやく役に立つ情報が得られました。 
実際にホタルブクロの花筒を裂いてみて内部構造を観察したり、雄しべの葯に触れて花粉の色を確認したかったのですけど、他人様の庭に勝手に侵入できませんから、諦めました。

実は、別種のハキリバチ?らしい小型のハナバチもヤマホタルブクロの花壇で忙しなく飛び回っていたのですが、ピントが合わなかったので編集でカットしました。

釣鐘状の花筒をもつ植物は、有能な送粉者を選別するために進化したのですが、そうなると締め出された蜂は必ずや穿孔盗蜜で対抗します。
ホタルブクロの花で盗蜜する蜂(おそらくクマバチと予想)を観察したくて、長年注意して見て回っているのですが、いまだに出会えません。
もしかして、ホタルブクロは盗蜜行動をさせないような仕組みを対抗進化させているのでしょうか?
そのような絶え間ない軍拡競争が進行中だとしたら、面白い話です。
ホタルブクロの花筒は太いので、日本の昆虫はほとんどの種が(太っちょのクマバチですら?)自由に出入りできそうです。
だとすれば、わざわざ穿孔盗蜜する必要はありませんね。
とりあえず、ホタルブクロの花筒の根元に盗蜜痕があるかどうか、調べてみないといけません。

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