2023年6月中旬・午後13:50頃・晴れ
羽化したてなのか、翅が無傷の個体です。
腹端部の形状が尖っていることから♂と判りました。
ムシトリナデシコの集散花序の上を歩いて移動しながら細長い花筒に口吻を次から次へと差し込んで吸蜜するので、なかなか飛び立ちません。
訪花中も半開きの翅を忙しなく羽ばたかせながら吸蜜しています。
ムシトリナデシコの花が風で揺れるので、羽ばたくことでバランスを取っているのかな?
蜜源植物上であえて羽ばたき続けることで、異性に対して存在をアピールしているのかもしれません。
(ただし、捕食者に対しても目立ってしまうという諸刃の剣です。)
常に飛翔筋をアイドリングしてないと、天敵に襲われたときや♀が飛来したときなどに素早く飛び立てないのかもしれません。
大型の蛾では翅を実際に大きく羽ばたかせなくても、胸部の飛翔筋だけを高速で伸縮させてアイドリングすることが可能です。
(静止時にブルブル震えているように見えます。)
アゲハチョウ科は解剖学的にその仕組みが備わって無いのでしょうか?
訪花シーンを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:54〜)
吸蜜しながら、大きな翅がしなやかにしなりながら優雅に羽ばたいています。
いつもなら、長撮りしても蝶が花から花へ飛び立つ瞬間だけを編集で切り取ることにしています。
キアゲハは大型の蝶で訪花中にただ羽ばたいているだけでもスーパースローで見ると絵になるので、ノーカットでお届けすることにしました。
風の強い日で被写体が激しく揺れる悪条件でも、スーパースローで見ると、風揺れが気にならなくなります。
日差しが強くて充分に明るかったので、この日はむしろハイスピード動画の撮影日和でした。
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