2023年5月下旬・午後13:05頃・晴れ
ふと気づくと、山道に隣接するスギ林の茂みの奥からニホンカモシカ(Capricornis crispus)がこちらを覗いていました。
どう考えても、私が鳴らす鈴の音♪に興味を持って近づいてきたとしか思えません。
カモシカは好奇心旺盛で、人工的な鈴の音を恐れないようです。
カモシカは初め、茂み(ヤマウルシ、ウワミズザクラなどの低木)の陰に隠れて私の方をじっと見据えていました。
現場は斜面で、私がカモシカをやや見下ろしています。
なんとなく顔馴染みの個体のような気がするのですけど、個体識別ができていません。
角や耳介に分かりやすい特徴はありませんでした。
画面の奥に見えるスギ植林地にタヌキの溜め糞場opがあり、それをトレイルカメラで監視していた時期があるのですけど、そのときに写っていたカモシカの1個体と思われます。
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やがて警戒を解いたカモシカは、横を向いて鼻を上げ、風の匂いを嗅いだようです。
次にエゾユズリハの葉裏に顔を擦り付けて眼下腺マーキングしました。(@1:12〜)
エゾユズリハの葉に眼下腺マーキングしたのを見たのは、これが2回目です。
初回の観察記録はこちら。
エゾユズリハの葉を食べるカモシカを初冬に見たことがあるのですけど、今回は食べませんでした。
山道で突っ立っている私を迂回するように、カモシカはスギ林縁を移動し始めました。
足音を立てず静かに歩くニホンカモシカは、ときどき立ち止まって私の様子を伺っています。
今回のニアミスで、このカモシカは私に対して鼻息を荒らげて威嚇することはありませんでした。(やはり顔馴染みの個体?)
慎重に山道に現れたカモシカは私を一瞥してから(見下ろしてから)、道端に生えた灌木の葉裏に再び顔をスリスリと擦り付けて眼下腺マーキングしました。(@2:46〜)
その直後にぺろりと舌舐めずり。
ニホンカモシカが眼下腺マーキングする対象物と言えば、太い幹、細い枝先、木の葉と3つのパターンがあります。
その後カモシカは山道をゆっくり登って立ち去りました。
落葉性広葉樹の幼木で、樹高は約1m。
羽状複葉の葉縁に浅い鋸歯があり波打っています。
私には樹種が突き止められなかったので、ときどきお世話になっている「このきなんのき掲示板」にて問い合わせたところ、マルバアオダモと教えてもらいました。
私と出くわした不安からくる転移行動、という要素もあるのかもしれません。
マーキング(匂い付け)する樹種にこだわりは無さそうです。
私に対して鼻息威嚇こそしなかったものの、この山林は自分の縄張りであることを眼下腺マーキングによってやんわり主張したことになります。