2023/12/19

庭で落葉したカエデ樹上に現れたコガタスズメバチの古巣:2023年

2023年12月中旬 

初冬にコガタスズメバチVespa analis insularis)の古巣を見つけました。 
気温が下がり初雪が降った後なので、蜂のコロニーはとっくに解散しています。 
場所は川沿いの民家の庭で、落葉した庭木の枝先にぶら下がっていました。 
地上からの高さは目測で〜4mぐらい。 
外皮の直径はあまり大きくなさそうです。 

撮れた写真をよく見ると、モミジの葉が数枚、古巣の外皮に取り込まれたまま紅葉していました。 
これで営巣木がカエデと判明。 
すぐ横の堤防路を何度も通ったのに、庭木が落葉するまでコガタスズメバチの巣の存在に気づきませんでした。

スズメバチが庭木に営巣して獲物を大量に狩ったおかげで、庭や畑で植物を食い荒らす害虫の発生が抑えられたという側面があります。(生態系サービス
スズメバチやアシナガバチを目の敵にしないで共存して欲しいものです。
生態系ピラミッド(食物連鎖)の上位にいる捕食者昆虫を安易に駆除すると、下位の植食性害虫が大発生してしまいます。
これを駆除するために殺虫剤をさらに撒くと益虫がますます減り、悪循環になります。(生物多様性の貧困化)
害虫はやがて薬剤耐性を獲得します。
そんなことになって得をするのは、農薬メーカーや駆除業者だけです。

巣の側面(左上に巣口?)
巣の底面
今にも落ちそう。家主に叩き落とされそうになった?
全景
枝に僅かに残ったモミジの枯葉

餌場の雪解け田んぼを目指して次々に飛来・旋回するコハクチョウの群れ(冬の野鳥)

 

2023年3月下旬・午前10:55頃・くもり 

雪解けが進む広大な刈田をコハクチョウCygnus columbianus bewickii)の大群が早春の餌場としています。 
いくつもの小群が続々と飛来するので、どの編隊飛行を撮ろうか目移りしてしまいます。 
私が見た限り、別々に飛んできた白鳥の小群が空中で合流することはないようです。 
低空で何度も旋回して餌場の安全を確かめてから、雪田に着陸します。 
先客の白鳥が群れている餌場が安心するらしく、仲間の近くに着地・合流します。 
雪解け田んぼに降り立ったコハクチョウの群れは、散開して採食を始めます。 

住宅地での撮影は電柱や電線、民家が邪魔になり、優雅な着陸シーンをなかなか見届けられません。 
見通しの良い撮影ポイントを探しながら、餌場へ飛んで行く白鳥を私も追いかけて撮影しました。 
近くを飛んでくれると白鳥の鳴き声がかすかに聞こえます。 

この田園地帯を縄張りとしている留鳥のハシボソガラスは、冬鳥(渡り鳥)のコハクチョウが急に現れると餌場から追い払おうとしたり擬攻撃する(モビング)のではないか?と予想しました。
しかし最後の動画を見る限り、そんなことはないようです。 
体格もハクチョウの方がカラスに勝りますし、多勢に無勢となったカラスは逃げて距離を取りました。

2023/12/18

草地でハタネズミの死骸を見つけた!

 

2023年5月上旬・午後15:10頃・晴れ 

川沿いの農道(堤防路)で見慣れない野ネズミが仰向けに死んでいました。 
トレイルカメラの映像でよく見ているアカネズミやヒメネズミに比べて顔つきが丸っこい印象です。 
調べてみると、ハタネズミMicrotus montebelli)のようです。 


平地(特に農地の近く)で野ネズミを見つけた場合、ハタネズミも考慮に入れる必要があると学びました。 

素人目には外傷が認められず、死因が不明です。 
殺鼠剤でも撒かれたのでしょうか? 
死後間もないらしく、死臭もありません。 

腐肉食の掃除屋は1匹のニクバエ科(種名不詳)しか来ていませんでした。 
現場では気づかなかったのですが、撮れた写真を拡大すると、死んだハタネズミの耳に小さなアリ(種名不詳)が数匹群がっていました。 (※追記参照)
拾った棒切れで死骸を裏返してみても、死骸の下にシデムシ類は潜り込んでいませんでした。 

死骸を採寸するために15cm定規を並べて置くと、ニクバエがそれに止まって前脚を擦り合わせました。(身繕い) 
ハタネズミ死骸を裏返して腹面を向けると黄色くて長い門歯が目立ちます。 
耳介が小さくて目立ちません。

このとき私は強行軍の後で疲労困憊していたので、ハタネズミの死骸をせっかく見つけたのに、写真と動画で記録しただけです。 
今思えば貴重な死骸を解剖して胃内容物を調べたり、頭骨標本を作成したりしたかったのですが、とても余力がありませんでした。

ハタネズミの死骸をそのまま放置するにしても、トレイルカメラを横に設置しておけば、カラスやトビなどのスカベンジャー(あるいは近所のネコ?)が 死骸を食べに来る様子を録画できたかもしれません。


※【追記】
飯島正広、土屋公幸 『リス・ネズミハンドブック』でハタネズミを調べた際に、次の記述を読んで震え上がりました。
耳介に着いているダニの1種であるツツガムシによってリケッチア症が媒介されるので注意が必要だ。(P45より引用)
当地はツツガムシ病という死に至る風土病がかつて猖獗を極めた最上川流域の某地区に近く、私が子供の頃はツツガムシ病について大人から散々脅かされてきたものです。
野ネズミの死骸を素手で触れてはいけません。

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