2022/08/14

川の護岸で夜な夜な餌を探し回る野ネズミ【暗視映像:トレイルカメラ】

 

2022年6月中旬〜下旬

川辺りのコンクリートブロックが敷き詰められた護岸を行き交う野生動物をトレイルカメラ(無人センサーカメラ)で監視しています。 
夜な夜な野ネズミ(ノネズミ)が出没するので、10日間の暗視映像記録をまとめてみました。 
夜行性の野ネズミが餌を探し歩いているのでしょう。 
素人に個体識別は難しく、同一個体の野ネズミが繰り返し写っているのか、それとも複数個体が写っているのか、不明です。 
一度に複数個体が同じ映像に写ることはありませんでした。 
アカネズミなのかヒメネズミなのか、映像で見分けられる方がいらっしゃいましたら、教えてください。 

現場は河畔林の林縁で、緩やかなスロープには雑草や灌木が繁茂しているために、古びたコンクリートブロックがほとんど見えなくなっています。 
河畔林の落葉が長年堆積して腐葉土となり、川が増水した際に土砂が被ったりして、コンクリート護岸の表面には土壌が薄く形成されているのです。 
川はカメラのすぐ背後を左から右へ流れています。 

シーン1:6/11・午後20:13 
画面の右下を右に向かって(下流へ)走り去りました。 
赤外線の暗視映像では野ネズミの目だけが白く光って見えます。 


シーン2:6/11・午後21:20(@0:05) 
画面中央に見えるフキの丸い葉の左から左下に向かって移動しました。 


シーン3:6/12・午前0:29(@0:14) 
雨上がりでカメラのレンズがやや曇っています。 
フキの葉の左隣りに野ネズミが佇んでいました。 
フキの葉の下をくぐって右下へチョロチョロと徘徊。 


シーン4:6/13・午後20:18(@0:55) 
画面の左端にすぐ消えました。(川上へ移動) 


シーン5:6/16・午後20:58(@1:05) 
画面中央やや上の草むらから土手を右上に登りました。 
下草の隙間から野ネズミの光る眼だけがチラチラと移動して見えます。 


シーン6:6/16・午後21:08(@1:28) 
画面中央から右上に向かって土手を登って行きます。 


シーン7:6/17・午前2:19(@1:53) 
画面右を右下に向かって駆け下りました。 


シーン8:6/18・午後20:37(@2:01) 
画面右上の土手の緩斜面の草むらが揺れ、野ネズミが隠れて何かしています。 (採食?)
ゆっくり左下へ降りて来ました。 
途中でフキの葉の下をくぐり抜け、手前に生えたケヤキの葉の死角を抜けて画面左端へ姿を消しました。 


シーン9:6/19・午後20:01(@3:04) 
画面右端から左下に護岸のスロープをピョンピョン降りて来ました。 
途中でなぜか大跳躍を披露してくれました。 
障害物を飛び越えたり何かに驚いたりした訳では無さそうです。 
最後は画面の左で護岸を上に登り返したようです。 
大ジャンプのシーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@3:24) 


シーン10:6/20・午前1:07(@3:40) 
画面中央から右下へチョロチョロと草むらを深夜徘徊。 


シーン11:6/20・午後19:38(@3:57) 
画面左を下に向かって移動。 
草むらに隠れてすぐに見失ってしまいました。 

シーン12:6/21・午前0:50(@4:08) 
画面中央から右に草むらを移動。 


シーン13:6/21・午後19:50(@4:20) 
画面左端の草むらを左へ徘徊。 


シーン14:6/21・午後22:26(@4:29) 
下草に覆われたコンクリート護岸を左上から下に降りて来ます。 
野ネズミの1対の白い目だけが草むらの隙間からチラチラと光って見えます。 



2022/08/13

ホンドテンの糞を舐めて吸汁するイチモンジチョウとニクバエ

 

2022年6月中旬・午後12:25頃・晴れ 

里山の尾根道が合流する地点の近くにホンドテンMartes melampus melampus)がサインポストの糞を残していました。 
ズームインすると、糞に獣毛や果実の種子が混じっているのが見えます。 
獣糞の内容物調査を真面目にやったら面白そうですけど、忙しくてなかなか手が回りません。 

私が知らずに近づいたらイチモンジチョウLimenitis camilla japonica)が地上(糞の上から)から飛んで逃げました。 
状況を見て意図を察した私がじっと立ち止まってしばらく待つと、蝶はほぼ同じ場所に舞い戻って来てくれました。 
警戒しながら少しずつ獣糞に近づいて行きます。 
テンの糞は複数並んでいて(溜め糞?)、その一つにイチモンジチョウは口吻を伸ばして舐め始めました。
獣糞を吸汁してミネラル成分を摂取しているのでしょう。 
残念ながら真上から見下ろすアングルでは口吻がよく見えません。 
横からの撮影アングルで吸汁シーンをじっくり撮ろうと私がそっと移動したら、イチモンジチョウは飛んで逃げてしまいました。 

テンの糞にはニクバエの一種も来ていて、吸汁したり身繕いしたりしていました。 

熊谷さとし、安田守『哺乳類のフィールドサイン観察ガイド』によれば、
テンのフィールドサインといえば、サインポストの意味をもつフンだ。切り株の上や人工物の突端、林道の真ん中など、目立つ場所で見つかる。(中略)夏季のフンには、小型哺乳類の骨片や小鳥の羽毛などが見つかる。初秋から春にかけては、内容物のほとんどが果実の種子だ。古いフンは、衣類用防虫剤に似たニオイがする。(p60より引用)

次に機会があれば、本当にナフタリン臭いかどうか確かめてみようと思います。

ホンドテンが尾根道のいつも同じ場所に排便しているのだとすれば、トレイルカメラを設置したいところです。 

しかし、ここは登山客がよく通る道なので、難しそうです。

この場所を通りかかる毎に注意して見ていると、 テンはなぜかここで糞をしなくなってしまいました。

(気温の高い夏には糞虫などによってテンの糞はあっという間に埋められたり食べられたりしているのかもしれません。)

後日、同じ山域でホンドテンが確かに生息しているという証拠映像を撮ることが出来ました。(映像公開予定) 

2022/08/12

初夏の山林で野生ニホンカモシカとにらめっこ

 

2022年6月中旬・午後14:15頃・晴れ 

私が里山の急な山道を静かに下っていたら、前方で休んでいた(寝ていた?)らしいニホンカモシカCapricornis crispus)が不意をつかれて逃げ出しました。 
カモシカが蹄で急斜面の山道を駆け降りる際にドドド…♪と地響きのような足音を立てました。 
(映像はここから。)
林道の両脇が少し斜面になっていて、左奥の茂みにカモシカが逃げ込みました。 
周囲はスギの植林地ですがあまり手入れが行き届いておらず、雑木も混じっています。(混合林) 
逃げる途中で立ち止まったカモシカがこちらを振り返り、茂みの陰から顔を上げました。
 「はい、ひょっこりはん」 
カメラでズームインすると、少し離れたところから私と真正面から対峙していました。 
逃げ込んだ雑木林の茂みの陰からこちらの様子を伺っています。 
角や耳介に素人でも個体識別できそうな特徴は特に見当たりません。 
しばらくすると顔が真横を向きましたが、すぐに私の方へ向き直りました。 
 近くで野次馬のカケスGarrulus glandarius)がジェージェー♪と囃し立てています。 
ニホンカモシカは濡れた鼻先をヒクヒクさせて風の匂いを嗅いでいます。 
たまに涎を垂らしたり、口が反芻の動きをしました。
関連記事(11、2年前の撮影)▶  
野生ニホンカモシカの反芻行動 
山腹に座って反芻・雨宿りするニホンカモシカ
カモシカは結構長い時間黙って私と対峙していました。
私が動きを止めて(フリーズ状態)撮影に集中していると、やがてカモシカはフシュ♪と鼻息を荒げて威嚇してきました。(@3:43) 
初めは単発で私の反応を伺っています。 
それでも私がじっとしていると、鼻息威嚇を連発してきました。 
遂にカモシカは急に方向転換し、茂みの奥に走り去りました。 
私がカメラをズームアウトしかけたら、再びカモシカの鋭い鼻息威嚇♪が聞こえます。 
私がしつこくカメラを再ズームインすると、カモシカは立ち止まってこちらを振り返っていました。 
頻りに首を振ったり耳介を動かして、顔にたかる吸血性の昆虫を払っています。 
最後は急に身を翻して逃走開始。 
揺れる茂みの奥で鼻息威嚇♪が遠ざかって行きます。

カモシカの視力はあまり良くないので、私が顔に迷彩柄(カモフラージュ)のマスクを着用すれば、警戒心が和らいだかもしれません。
コロナ禍とは言え、誰とも出会わない人里離れた山中でマスクをするのも馬鹿らしいですし、登山中にマスクすると顔に張り付いてまるで高地トレーニングのように呼吸が苦しくなるし、暑くてたまりません。
そのため、このとき私はマスクを外していました。
ポケットから迷彩マスクをそっと取り出そうか迷いましたが、今回は撮影を優先しました。 
 

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