2021/07/21

ハシボソガラス♀♂抱卵期の朝の行動(野鳥)給餌・対他羽繕いなど

 

2021年5月中旬・午前5:50頃・晴れ

高圧線の送電塔#21に毎年営巣するハシボソガラスCorvus corone)の♀♂つがいを定点観察してきました。 
関連記事のまとめ(3年前の撮影)▶ ハシボソガラス(野鳥)の営巣観察:2018年 
2020年の繁殖期はちょうどコロナ禍が始まったせいで、出歩けなくなりました。
しかし、2020年から鉄塔の塔体ではなく腕金部分に巣作りする位置を変更していました。 
同じハシボソガラスでも同一個体とは限らず、もしかするとペアが代替わりしたのかもしれません。

2021年はどうでしょうか? 
早朝から見に来ると、親鳥♀が巣内に座って抱卵していました。 
巣内の様子は不明ですが、親鳥♀の尾羽がほんの少しだけ巣の外に飛び出しています。
(抱卵中と私は解釈したのですけど、産卵中だった可能性もあります。) 
しばらくすると、パートナーの♂が帰巣しました。
送電塔#21の近くの路上でアマガエルの死骸を拾ってきたのです。 
喉袋に入れて持ち帰ったカエルの肉片を在巣の♀に給餌したようです。 
しかし♀に給餌するのなら、カエルを細かくちぎらなくても丸ごと運んで来ればよい気がします。 
もしかすると、孵化直後の小さな雛に給餌したのかもしれませんが、餌乞いの鳴き声を私は聞き取れませんでした。 
給餌直後の♂は巣の真上の鉄骨に乗り、嘴を拭っています。 
喉袋はもう空っぽで、膨らんでいません。 

抱卵していたハシボソガラス♀が急に立ち上がると、飛び去りました。 
朝食後に抱卵を♂と交代するのでしょうか? 
おそらく水を飲んだり水浴しに行ったのではないかと想像しました。 
ところが、留守番を任された♂も巣から飛び去りました。 
♀と同じ方向に少し飛ぶと、送電塔から伸びる高圧線に止まり直しました。 
足元の高圧線で嘴を拭い、営巣地の周囲を見張っています。 

いつの間にか♀が戻って来ていて、♂と同じ高圧線の左側に少し離れて止まっていました。 
すると♂が飛んで♀の右隣に止まり直しました。(@1:25) 
左の♀が右の♂の羽毛を嘴で優しく整えています。(対他羽繕い) 
いつ見てもカラスの愛情表現は微笑ましいですね。 
♂は♀に羽繕いのお返しをしなかったので、「相互羽繕い」とは呼べません。

残念ながら撮影アングルがいまいちで、♀♂ペアが並んだときの体格差をしっかり比べることができませんでした。 
一般的に外見からカラスの性別を見分けられないのですが、「抱卵を主に担当するのは♀」らしいので、今回はそこから逆算して性別を決めました。 

♀が高圧線から飛び立つと、巣がある送電塔に帰りました。 
しかし巣内の卵(雛?)をちょっと確認しただけで、なぜかすぐにまた高圧線に戻ってしまいました。 
どうやら近くで巣をずっと見上げている私を警戒しているようです。 
それを察した私が営巣地から立ち去る素振りを見せてから振り返ると案の定、送電塔に戻った♀がピョンと巣に飛び乗りました。 
このときも雛鳥の鳴き声(餌乞い♪)は全く聞こえませんでした。 
やはり未だ卵の段階だと思います。 
巣内に座ると親鳥♀の姿はほとんど見えなくなりました。
抱卵を再開したようです。 
一方、♂はまだ高圧線に居残って縄張りを油断なく見張っています。 

※ 動画編集時に逆光補正を施しています。



 

2021/07/20

リンゴ園の防鳥ネット内に閉じ込められたモンシロチョウ

 

2021年5月上旬・午後14:40頃・くもり 

リンゴ園で果樹を取り囲むフレームに防鳥ネットを掛ける作業が着々と進行中です。 
花の受粉が済んだら、育つ果実を野鳥の食害から守る必要があるのです。 
ネットを付けたままにしておくと雪国では冬の間に積もる大雪で破損してしまうので、秋の収穫が済んだら取り外すのです。 

巨大な網室と化したリンゴ園の中に一頭のモンシロチョウPieris rapae)が囚われの身になって飛び回っていました。 
いくら私が虫好きとは言っても、このモンシロチョウに同情してリンゴ農家のネットを非難したり告発したりするような意図は全くありません。 
超然とした中立的な立場で(えこひいきせずに)生き物の暮らしを何でも面白がって記録するのが私の努めです。 
下草にタンポポなど野草の花が咲いているので、リンゴの花が散った後もモンシロチョウは花蜜を吸ってしばらくは生きながらえることができるでしょう。 

一方で花の授粉を助けるハナバチ類はネットを自由に通り抜けられるように、目が粗い防鳥ネットを使用しています。

ニホンアマガエルの轢死体を咥えて巣に運ぶハシボソガラス♂(野鳥)

 

2021年5月中旬・午前5:50頃・くもり 

静かな早朝に郊外の住宅地の路上をハシボソガラス♂(Corvus corone)がトコトコ歩いて横断していました。 
嘴に何か細長い餌を咥えています。 
干からびたミミズのように見えたのですが、定かではありません。(あるいは植物質の巣材?)
このときカラスの喉袋は空っぽでした。 

ハシボソガラス♂は路肩の白線付近で潰れたカエルの死体を見つけて捕食し始めました。 
初めから咥えていた物を一旦路上に落としてから、足で獲物を押さえつけ、嘴で屍肉を引きちぎります。 
このとき緑色が見えたので、おそらくニホンアマガエルHyla japonica)が車に轢かれた死骸のようです。 

関連記事(2、7、9年前の撮影)▶ 
ハシボソガラスが蛙の死骸を拾い食い【野鳥】 
トノサマガエルの死骸を食すハシボソガラス(野鳥) 
ハシボソガラスが水田の畦道でカエルを捕食(野鳥)
しかしカラスはその場でアマガエルの肉片を食べるのではなく、初めから持っていた細長い餌と一緒に喉袋に詰め込みました。 
路上から飛び上がると、近くの電線に止まりました。 
餌を詰め込んだ喉袋はパンパンに膨らんでいます。 
周囲の安全を確かめ、帰巣のタイミングを見計らっているようです。 
尾羽をパッパッと開閉しているのは、軽い興奮の現れなのかな? 

この個体がなぜ♂だと分かったかというと…。 



 

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