2020/03/24

ホソバセダカモクメ(蛾)幼虫:謎の足踏み運動



2019年9月下旬


▼前回の記事
アキノノゲシの茎を登るホソバセダカモクメ(蛾)幼虫


ホソバセダカモクメCucullia fraterna)の幼虫bが食事の合間にアキノノゲシの茎にしがみついて休んでいます。
このとき完全に静止しているのではなく、軽く握った胸脚を頻繁にばたつかせているのが気になりました。
3対ある胸脚の中でT1よりもT2,3の方を頻繁に動かしている印象を受けました。
その一方、茎からずり落ちないように腹脚は茎をしっかりと握りしめています。
秋風で絶え間なく揺れる茎の動きに対応して体のバランスを取るために、リアルタイムで足場を握り直しているのでしょうか?
だとすれば、無風の室内で飼育すれば、この謎の運動は消失するはずです。

妄想をたくましくすると、アリやサシガメなど他の虫(天敵)が近寄って来ないように、茎に絶えず振動信号を与えて警告している可能性も考えられます。
同種の別個体と食草の同じ株で競合しないように、振動で自分の存在をアピールして(縄張り宣言)互いに距離を保っていたら面白そうです。(基質振動によるコミュニケーション)
ホソバセダカモクメ幼虫が発するモールス信号を誰か解読してください。



後半は微速度撮影で長撮り監視してみました。
10倍速の早回し映像をご覧下さい。(@1:25〜1:51)

野外でイモムシの休息姿勢をこれ程じっくり観察したのは初めてかもしれません。
私が知らなかっただけで、実はどの種類のイモムシも普通にやっていることなのかな?


ヤクシソウの花蜜を吸うオオハナアブ♀



2019年10月上旬・午後14:40頃・晴れ

つづら折れの峠道沿いに咲いたヤクシソウの群落でオオハナアブ♀(Phytomia zonata)が訪花していました。
口吻を伸縮させて花粉や花蜜を舐めています。
吸蜜しながら前脚同士を擦り合わせたり顔(複眼)を拭ったりと身繕いを始めました。

つづく→別の蜜源に移動:クルマバナ?の花蜜を吸うオオハナアブ♀


オオハナアブ♀@ヤクシソウ訪花吸蜜

2020/03/23

腹部を回して暴れるオオエグリシャチホコ(蛾)の蛹



オオエグリシャチホコ(蛾)の飼育記録#5



▼前回の記事
オオエグリシャチホコ(蛾)終齢幼虫の身体測定

2019年10月上旬

オオエグリシャチホコPterostoma gigantinum)の終齢幼虫が食欲を失って徘徊を始めたので、ティッシュペーパーと共に小箱に閉じ込めました。
するといつの間にか、ティッシュペーパーの裏に潜り込み、隙間に白い絹糸を張って粗い繭を作り、黒い蛹になっていました。
前蛹からの脱皮殻(蛹化殻)も残されていました。
蛹化の一部始終を動画で記録できなかったのが残念です。
(本来は地中で蛹化するそうです。)

黒光りする蛹を方眼紙に乗せて採寸します。
蛹を指で摘み上げようとしてもツルツル滑って非常に持ちにくかったです。
ピンセットで蛹を転がしたり指で摘んだりすると、腹部をぐるぐると回して暴れました。
天敵(捕食者)に対するせめてもの威嚇のつもりなのでしょう。
このとき鳴き声を発することはありませんでした。
解放してもしばらくは自発的に動き続け、転がりました。
胸部および頭部はガッチリと固められていて動けないようです。

オオエグリシャチホコは蛹越冬らしいので、このまま初夏まで休眠するのでしょう。
無事に羽化してくれるか楽しみです。

つづく→#6:休眠中に寝返りを打つオオエグリシャチホコ(蛾)の越冬蛹【10倍速映像】


オオエグリシャチホコ(蛾)蛹:側面@方眼紙
オオエグリシャチホコ(蛾)蛹:腹面@方眼紙
オオエグリシャチホコ(蛾)蛹化殻:背面@方眼紙
オオエグリシャチホコ(蛾)蛹化殻:腹面@方眼紙
オオエグリシャチホコ(蛾)蛹化殻:側面@方眼紙

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