2012/11/23
オオシロフクモバチ♀に狩られ麻痺状態のサツマノミダマシ♀を調べる
2012年8月中旬
オオシロフクモバチ(旧名オオシロフベッコウ;Episyron arrogans)の巣坑を暴いて独房からサツマノミダマシ♀を採集してから7日後。
乾燥しないようプラスチック容器に密閉していたのですが、真夏に室温で保管しても腐ることはありません。
全身の麻痺に回復の兆しは見られません。
植物状態のまま依然として生きています。
その証に、ピンセットで触れると歩脚を弱々しく動かしました。
狩蜂は毒針で麻酔することで、獲物を新鮮な状態で子供(蜂の子)に与えることができるのです。
危険な獲物でも独房内で暴れるおそれはありません。
拉致被害者は腹面に長大な垂体があるサツマノミダマシ成体♀です。
植物状態のまま餓死を待つだけなので、エタノール液浸標本にしました。
シリーズ完。
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クモ・ザトウムシ,
ハチ・アリ(膜翅目),
貯食
2012/11/22
オオシロフクモバチの巣坑を発掘してみる(貯食物:サツマノミダマシ♀)
2012年8月中旬
営巣完了したオオシロフクモバチ♀(旧名オオシロフベッコウ;Episyron arrogans)が立ち去った後で、巣穴を発掘してみることにしました。
巣口の横に置いた一円玉を目印として、まず近くに溝を深く掘ります。
次に、巣坑へ向かって横に少しずつ土を削っていきました。
道具はコンビニ弁当に付いていたプラスチックのナイフを使いました。
刃先に付いているノコギリ状のギザギザが便利でした。
どうせ使い捨てですから、歯がこぼれても気にせずガリガリと掘り進めます。
斜坑の奥にある独房は意外に浅い位置にありました。
雨が降っても中まで浸水しないのでしょうか?
貯食物はさきほど搬入した緑色のクモ一匹のみでした。
これはクモバチ科に共通する特徴です(一括給餌)。
獲物のクモは完全に麻痺しており、触れてもピクリともしません。
現場で作業中には獲物の体表に蜂の卵は見つけられませんでした。
しかし写真を見直すと、独房が露出した当初はクモの腹背(右脇腹)に白く細長い卵が産み付けられていました。
それに気づかなかったため、クモを取り出そうと周囲の土を更に崩した際に、蜂の卵が剥がれ落ちてしまったようです。
痛恨のミス…。
もっと慎重に発掘作業を進めるべきでした。
貯食直後に産仔されたはずの寄生ハエ(シロオビギンガクヤドリニクバエ)の幼虫も未だ獲物に取り付いていませんでした。
生き埋めにされても自力で這って獲物に辿り着くのでしょうか?
(数日後に発掘していたらクモを食す寄生ハエの幼虫が見つかったかな?)
ピンセットでクモをそっと採集しました。
巣坑を埋め戻して帰ります。
蜂の子が育つ様子を飼育観察してみたかったのに、残念でした。
掘坑性カリバチの巣を発掘したのはこれが初めてだったので、仕方ありません。
まぁ、何事も経験ですね…。
オオシロフクモバチ♀に狩られ毒針で麻痺させられた獲物はコガネグモ科のサツマノミダマシ♀でした。
腹部腹面に外雌器を覆う?長大な垂体を有していることから、未交接の♀成体(処女)と判明。
完全に全身麻痺状態で、ピンセットで触れてもほとんど反応しません。
麻痺状態は改善することなく、植物状態のまま餓死を待つだけです。
つづく→「オオシロフクモバチ♀に狩られ麻痺状態のサツマノミダマシ♀を調べる」。
営巣完了したオオシロフクモバチ♀(旧名オオシロフベッコウ;Episyron arrogans)が立ち去った後で、巣穴を発掘してみることにしました。
巣口の横に置いた一円玉を目印として、まず近くに溝を深く掘ります。
次に、巣坑へ向かって横に少しずつ土を削っていきました。
道具はコンビニ弁当に付いていたプラスチックのナイフを使いました。
刃先に付いているノコギリ状のギザギザが便利でした。
どうせ使い捨てですから、歯がこぼれても気にせずガリガリと掘り進めます。
斜坑の奥にある独房は意外に浅い位置にありました。
雨が降っても中まで浸水しないのでしょうか?
巣房の発掘1 |
巣房の発掘2 |
巣房の発掘3:蜂の卵@獲物 |
巣房の発掘4:崩した砂が卵に付着! |
巣房の発掘5:貯食物の採集後 |
貯食物はさきほど搬入した緑色のクモ一匹のみでした。
これはクモバチ科に共通する特徴です(一括給餌)。
獲物のクモは完全に麻痺しており、触れてもピクリともしません。
現場で作業中には獲物の体表に蜂の卵は見つけられませんでした。
しかし写真を見直すと、独房が露出した当初はクモの腹背(右脇腹)に白く細長い卵が産み付けられていました。
それに気づかなかったため、クモを取り出そうと周囲の土を更に崩した際に、蜂の卵が剥がれ落ちてしまったようです。
痛恨のミス…。
もっと慎重に発掘作業を進めるべきでした。
貯食直後に産仔されたはずの寄生ハエ(シロオビギンガクヤドリニクバエ)の幼虫も未だ獲物に取り付いていませんでした。
生き埋めにされても自力で這って獲物に辿り着くのでしょうか?
(数日後に発掘していたらクモを食す寄生ハエの幼虫が見つかったかな?)
ピンセットでクモをそっと採集しました。
巣坑を埋め戻して帰ります。
蜂の子が育つ様子を飼育観察してみたかったのに、残念でした。
掘坑性カリバチの巣を発掘したのはこれが初めてだったので、仕方ありません。
まぁ、何事も経験ですね…。
オオシロフクモバチ♀に狩られ毒針で麻痺させられた獲物はコガネグモ科のサツマノミダマシ♀でした。
腹部腹面に外雌器を覆う?長大な垂体を有していることから、未交接の♀成体(処女)と判明。
完全に全身麻痺状態で、ピンセットで触れてもほとんど反応しません。
麻痺状態は改善することなく、植物状態のまま餓死を待つだけです。
つづく→「オオシロフクモバチ♀に狩られ麻痺状態のサツマノミダマシ♀を調べる」。
側面:全身像 |
腹部 |
頭胸部 |
顔 |
腹面:外雌器および垂体 |
発達した垂体を側面から |
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クモ・ザトウムシ,
ハチ・アリ(膜翅目),
造巣,
貯食
オオシロフクモバチ♀の営巣(後編)巣坑の閉鎖と偽装隠蔽
2012年8月中旬
オオシロフクモバチ♀(旧名オオシロフベッコウ;Episyron arrogans)はせっせと土砂を掻き入れ巣坑を埋め戻すと、高速で腹端を振動させます。
上下動しながら左右にも動かして地面を突き固め、整地します。
ハイスピード動画に撮ってみればよかったですね。
ときどき近寄ってくるアリを追い払いました。
このとき、腹端を前方に曲げて毒針を見せるような攻撃姿勢(威嚇?)を示しました。
整地行動と似たような姿勢なので、いつでもスムーズに攻撃できるようです。
実は巣口の近く(わずか15cm!)にアリの巣穴があるのですけど、幸い深刻なご近所トラブルは起きていません。
巣穴付近に土砂が無くなると、蜂は前進しながら新たに掘った土砂を掻き入れます。
戸締りが完了しただけでは満足せず、徘徊しながら整地する範囲を少しずつ広げて地面全体を均します。
私が採寸および目印のため巣口横に置いた一円玉にも周囲から土砂をかけて隠蔽工作を始めました。
銀色に光る硬貨が埋もれて、ほとんど見えなくなりました。
もしここで私が一円玉を裏返して再び露出させる操作を反復したら、蜂は永遠に隠蔽工作を続けるでしょうか?
ファーブル的な悪戯心がふと芽生えたものの、今回はこれ以上介入せずに見守りました。
巣穴の痕跡を完全に無くすと、営巣完了です。
母蜂は何の未練もなく、どこかへ飛んで行ってしまいました。
発掘編につづく。
【追記】
『日本動物大百科10昆虫Ⅲ』p32によれば、
オオシロフベッコウのような狩猟先行型のハチでは、巣穴を掘っているあいだに、クモをアリや同種他個体に奪われる危険がある。しかし、寄生バエに巣をねらわれた場合に、巣穴を掘り直して危険を回避できるという単房巣の身軽さもある。
巣口横に置いた一円玉にも砂をかける |
砂を被せられた一円玉 |
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