クロアゲハの飼育記録:その1
2012年7月上旬
サンショウの枝葉を芋虫がゆっくり徘徊していました。
摂食行動は見ていません。
撮影後に食草ごと採集し、飼育開始。
アゲハチョウ科の幼虫であることは間違いありませんが、この段階ではナミアゲハかなと予想していました。
若齢幼虫は鳥の糞に擬態していると言われています。
後にこれはクロアゲハ♀(Papilio protenor demetrius)の四齢(亜終齢)幼虫と判明しました。
【追記】
安田守『イモムシの教科書』によると、
鳥が関心を示さない姿になることで攻撃を避けようという戦略なのだろう。植物などに似た姿となる隠蔽擬態(カモフラージュ)に対して、鳥の糞になりすますタイプの擬態はマスカレードなどと呼ばれる。鳥糞の仮装だ。 (p147より引用)
マスカレードという用語は初耳で、勉強になりました。
2012年6月下旬
渓流を遡行すると、あちらこちらにたくさんのミヤマカワトンボ(Calopteryx cornelia)が翅を立てて休んでいました。
飛び立つ瞬間をハイスピード動画(220 fps)に撮ってみました。
まずは♀篇。
胴体が褐色で、翅に白い擬縁紋があります。
次は♂篇です。
胴体はメタリックグリーンで、翅は真っ黒(焦げ茶色)です。
映像の最後、渓流の石に少し離れて♂♀ペアが止まっていました。
左が♀で右が♂。
2012年7月上旬
山中の池でアカハライモリ(別名ニホンイモリ:Cynops pyrrhogaster)を発見。
腹面が鮮やかな紅色なので、繁殖期の♀でしょうか。
イモリはこんちゅーぶ!初登場になります。
水面の水草(浮草? 種名不詳)をアカハライモリ♀が水中から採食していました。
口で葉を咥えたまま水中でスピンします。
確か両生類に歯は無いはずですが、食い千切るための動きだとしたら、動物番組でよく登場するワニやウナギのdeathrollを連想しました。
イモリは肉食性のはずですけど、ベジタリアンがいる(水草も食べる)とは知りませんでした。
たまたま水生昆虫などの獲物を捕食したついでに水草も口に入ったのかもしれません。
食べかけを咥えたままあちこち泳ぎ回ります。
水草の葉の下に潜り、姿が見えなくなりました。
結局最後まで水草を飲み込めていません。
両生類にはまるで疎い私は撮影しながら「イモリは水草を集めて水中に巣を作るんだっけ?」とあらぬ妄想までしてました。
【追記】
『日本動物大百科5:両生類・爬虫類・軟骨魚類』でアカハライモリについて調べると、
・おもにミミズ、昆虫、カエルの幼生などの小動物を食べる。(p27より)
・♀は、水中の落ち葉や草の根などを後ろ足でたたみ、そのなかに1個ずつ卵を産みつけていく。(p24より)
【追記2】
小林朋道『先生、大型野獣がキャンパスに侵入しました!: 鳥取環境大学の森の人間動物行動学』を読むと、イモリの食性をどうやって調べたか書いてありました。
アカハライモリについては、一個体ごと容器に入れて一昼夜過ごさせ、その間に排泄した糞を顕微鏡で見てもらった。糞をほぐすと消化されなかったものが見えるのだ。(中略)イモリは陸上のクモや昆虫を食べていた。 (p208より引用)
【覚書】
アカハライモリの腹の模様は人間の指紋のように個体ごとに異なるらしく、一匹ずつ捕獲して写真に撮れば個体識別が可能。
(『先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!:鳥取環境大学の森の人間動物行動学』p48より)