2017年8月下旬・午後15:19〜15:23
農業用水路沿いに咲いたナガボノシロワレモコウの群落でスズバチ♀(Oreumenes decoratus)が訪花していました。
吸蜜シーンを撮っていると、雄蜂♂が飛来していきなり飛びついてきました。
儀式的な求愛行動は特に見られませんでした。
♂が♀に飛びつく瞬間を撮り損ねたのは残念無念。
♂がマウントしている間も♀は構わずに♂を背負ったまま花から花へ飛び回り吸蜜を続けています。(色気より食い気)
一方♂は♀の背に必死でしがみついているだけで、交尾器は未だ結合できていません。
したがって、トンボの配偶行動のように尾繋がりとか連結飛翔とは呼べませんね。
正式な用語を知らないので、ここでは勝手に「マウント飛翔」と呼ぶことにします。
スズバチ♂は♀を見つけてマウントしただけで安心してしているようで、おとなしくしているのが不思議でした。
必死に交尾しようと試みておらず、余裕を感じさせます。
とりあえず♀を確保してライバル♂から守ることができれば(交尾前ガード)満足なのかな?
この♀が交尾拒否行動をしているようには見えませんが、このペアは体格差があり過ぎて、マウントしたままでは交尾器が届かないのかもしれません。
花からペアで飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮影してみました。(@1:40〜)
♀♂がほぼ同時に羽ばたいて離陸しているように見えますが、1/8倍速のスローモーションで見ると、羽ばたき始めるのは♀の方がほんの一瞬だけ早いことが分かりました。
加速がつくと♂はすぐに羽ばたきを止めてしまい、♀任せで次の花まで運ばれて行きます。
つまり、マウント飛翔の主導権は完全に♀が握っていました。
画角から見切れる寸前にも♂が再び羽ばたくことがあったので、失速して揚力が必要な着陸時も♀に協力するのかもしれません。
スズバチの♀はこれから巣材の泥玉を運んだり獲物の芋虫を巣に運んだりしないといけませんから、華奢な♂を背負って飛ぶぐらいは朝飯前なのでしょう。
最後スズバチ♀♂のペアは川を渡って田んぼ(休耕地?)の方へ飛び去りました。
どこか落ち着いた場所で交尾するのでしょう。
狩蜂の交尾開始を観察できたのは、これが初めてかもしれません。
とても幸運でした。
スズバチの雌雄をフィールドで同時に見れるのは交尾のときだけなので、この機会に性別の見分け方を検討しておきます。
体長は♀>♂で、雄蜂の方が華奢。
頭楯の色は、♀が濃い黄色(オレンジ色)で♂は白っぽい淡黄色。
顔色で見分けられたら一番楽なのですが、もしかすると羽化後の日齢で色が変わる(濃くなる)のではないか?と個人的には疑っているので、未だ保留にしておきます。(♀よりも♂が先に羽化する雄性先熟だとすれば私の杞憂?)
腹部(膨腹部)の体節を数えれば確実に見分けられそうです。(♂6節、♀5節で、♂の方が1節多い)
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
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