2023/08/11

メジロの群れが熟柿を食べ脱糞(冬の野鳥)

 

2023年1月上旬・午後14:10頃・晴れ 

道端の庭に植栽されたカキノキメジロZosterops japonicus)の群れが集まり、賑やかに鳴き交わしていました。 
初め、メジロ同士が落葉したカキノキ樹上で小競り合いのような追いかけっこをしていました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
忙しなく飛び回るため、別種の鳥も混じっていた(混群)のかどうか不明です。 

関連記事(6年前の撮影)▶ 熟柿をついばむ雪国のスズメとメジロ(冬の野鳥)
後半は、甘く熟した果実を美味そうに啄む様子を順光できれいに撮れました。
横の車道を車が通りかかるたびにメジロは警戒して少しずつ飛び去ってしまい、居残って採食を続ける図太い個体も逃げ腰になります。 

採食の合間にメジロが枝先で後ろ向きになり、脱糞しました。 
排便の瞬間をまずは1/5倍速のスローモーションでご覧ください。(@1:44〜) 
続けて等倍速でリプレイ。 
普段バードウォッチャーが見慣れた尿酸混じりの白っぽい鳥の糞ではなく、いかにも熟柿食後らしいオレンジ色で粘度の高い軟便でした。 
これは種子散布の瞬間でしょうか? 
カキノキは果実(液果)を種子ごと丸呑みする動物(哺乳類と大型の鳥類)に種子散布を託しています。 
チビチビと熟柿の果肉を啄むメジロの採食法から見て、柿の種を丸呑みするとは思えません。 
柿の種はメジロの口には大きすぎるので、カキノキの種子散布には関与してないはずです。 
撮影後にカキノキの下でメジロの糞を探して、種子が含まれていないことを確かめればよかったですね。

2023/08/10

年末年始の雪深いスギ林道で眼下腺マーキングするニホンカモシカ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年12月下旬〜2023年1月上旬

雪深い里山のスギ林道を巡回するニホンカモシカCapricornis crispus)を自動撮影カメラが捉えた記録をまとめました。 



シーン1:12/28・午後14:54・くもり・気温2℃・(@0:00〜) 
明るい日中に林道を左からやって来ました。 
林道に積もった雪質は腐れ雪のようです。 
道端から突き出すように斜面に引っかかっているスギ落枝の匂いを嗅ぐと、尖った先端部にゴシゴシと顔を擦り付けて眼下腺の分泌液を塗りつけました。 
マーキングが済むと、カメラ目線で舌なめずり。 
右肩に黒班のある個体でした。 
雪面の匂いも嗅いでから、右へ立ち去りました。 

西日本のカモシカの映像をYouTubeで見ると、その黒さに驚きます。
それに対して、ここ雪国(北日本)のカモシカの毛皮が白っぽいのは、グロージャーの法則が当てはまります。
単純に積雪期に目立たないように捕食者から隠れる保護色なのかな?
ニホンオオカミが絶滅して以降、カモシカが恐れるべき天敵はヒト(猟師)ぐらいでしょう。
晴れれば雪山の紫外線は強烈なので、それを遮ったり反射したりする必要があるかもしれません。

岩波生物学辞典第4版で「グロージャーの規則」を引くと、
[英Gloger's rule]
鳥類・哺乳類において,一般に同じないし近縁の種において,乾燥・冷涼な気候下で生活するものは,湿潤・温暖な気候下で生活するものよりも,メラニン色素が少なく明るい色彩を呈すること.様相に若干の差はあるが,昆虫類にもよく似たような傾向が見られる.しかし広く動物界を見ると,低温が黒化をもたらす傾向などもあって,この規則に添わない場合も多い.


シーン2:12/29・午前3:22・小雪・気温0℃・(@0:45〜) 
翌日は小雪がかすかにちらつく深夜に左から登場。 
毛皮が濡れています。 
立ち止まってスギ落枝の先端の匂いを嗅いだだけで、マーキングせずに右へ立ち去りました。 


シーン3:12/31・午前2:30・小雪・気温-2℃・(@1:05〜) 
2日後の大晦日には小雪の降る深夜に、またもや左から登場。 
新雪の少し積もった林道を軽くラッセルしながら(雪をかき分けながら)歩きます。 
スギ落枝の端の匂いを嗅いで舌舐めずりしたものの、眼下腺マーキングしないで右へ立ち去りました。 


シーン4:1/1・午前1:30・くもり・気温-2℃・(@1:25〜) 
翌日、年が明けた元旦も深夜にカモシカが現れました。 
この日は珍しく雪道を右から登場しました。 
雪面がボコボコと荒れているのは、スギ樹上からドサドサとまとめて落雪したせいです。 
立ち止まってスギ落枝の先に眼下腺マーキングしてから左に立ち去りました。 
1歩ずつ歩くたびに、蹄が雪に少し潜っています。

スギ植林地の林床は微気象が安定していて、この時期の最低気温は-2℃止まりでした。
気温の低い厳冬期は眼下腺からの分泌物が揮発しにくくなり、匂いがあまりしない(マーキングに使えない)のではないか?と思ったのですが、素人予想は外れました。 
実際にニホンカモシカの眼下腺分泌物の融点や沸点を化学的に調べた研究はあるのでしょうか? 
そもそもどういう組成の物質なのかな? 



夏にタヌキの古い溜め糞に集まる虫たち:アカバトガリオオズハネカクシに噛み付くムネアカオオアリ♀など

 

2022年8月下旬・午後13:50頃・くもり 

里山の雑木林を抜ける林道にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が残した溜め糞場aを久しぶりに見に来ました。 
林道の両脇に生えているアカマツとブナが目印です。 
新鮮な糞は残されておらず、一見すると溜め糞場aは使われていないようです。 
しかしよく見ると、糞塊が乾いて粒状の黒土と化しています。 
糞虫の活動によって、よく耕されていることが見て取れます。 
タヌキ溜め糞の遷移過程で夏によく見かける状態です。(何か専門的な呼び名があるのでしょうか?) 
遠目からは、ガリガリ、ザクザクとした霜柱をいつも連想します。 

肉食性のアカバトガリオオズハネカクシ(旧名アカバハネカクシPlatydracus brevicornis)が獲物を求めて徘徊しています。 
糞中に浅く潜るハネカクシの尻尾にムネアカオオアリCamponotus obscuripes)のワーカー♀が試しに噛み付きましたが、さすがに獲物として狩ることはありませんでした。 
2匹のハネカクシが出会うと、小競り合いになりました。

青紫色の金属光沢が糞の中からちらっと覗いているのは、おそらくセンチコガネPhelotrupes laevistriatus)だと思うのですけど、棒でほじくって確認すべきでした。 
溜め糞場でセンチコガネをタヌキが捕食してから後日、未消化のまま排泄された鞘翅だとしたら面白いですね。

関連記事 ▶ 

小型の黒い糞虫はエンマコガネの仲間でしょうか?(自信なし) 
同定のためにエンマコガネ?を採集して持ち帰りました。 
以下に標本の写真を載せる予定です。 

採寸代わりに並べた熊よけスプレー(長さ20cm)


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