2022/11/15

毛の抜けたニホンイノシシ♂が夜のスギ林道を徘徊【トレイルカメラ:暗視映像】

前回の記事(8ヶ月前の撮影)▶雪山の杉林を通るニホンイノシシ【トレイルカメラ:暗視映像】

2022年8月上旬・午後21:30頃・気温25℃ 

タヌキとアナグマの溜め糞場sがある里山のスギ林道を監視するトレイルカメラにニホンイノシシSus scrofa leucomystax)が写りました。 
晴れた夜に林道をゆっくり歩いて右から登場しました。 
カメラを見上げた両目が白く光り、隻眼の個体ではありません。
▼関連記事(1週間前の撮影) 
右目を失明したニホンイノシシが夜霧の水場に登場【トレイルカメラ:暗視映像】
この個体は体毛が非常に薄く、皮膚に斑模様が浮かび上がっています。 
ほとんど無毛で、睫毛しかありません。
イノシシの夏毛がここまで薄いという話は聞いたことがありません。 
野生イノシシの観察歴が浅い私には良く分からないのですが、疥癬などの皮膚病に感染して脱毛したのですかね? 
それとも養豚場から逃げた豚が野生化した野ブタなのかな?
YouTubeのコメント欄にて、「養豚場から逃げた家畜の豚なら耳にタグが付いているはずだが、映像の個体には無い」とのご指摘がありました。 
これぐらい分かりやすい特徴があれば、今後も個体識別できそうです。
しかし体毛が無いのでは、雪国の寒い冬はとても越せないでしょう。

トレイルカメラの真下で疥癬イノシシが何をしているのか気になります。 
私の残り香に興味があるのでしょうか? 
カメラを固定したスギの幹の根元は法面の土が崖のように露出しています。 
同じ場所を通りかかるツキノワグマやニホンカモシカも同様に寄り道していくので、それらの野生動物は崖の土を舐めて塩分補給しているのではないか?と推測してみました。 
(カモシカについては、その仮説は後に否定されます。) 

録画が一旦終了してから再び起動しました。 
その間に下草の匂いを嗅ぎながら林道を右に戻って行く疥癬イノシシの後ろ姿がちらっと写っていました。 
(イノシシの不在時を5倍速で早回し。) 
しばらくすると同一個体の疥癬イノシシが再び右から戻って来ました。 
林道の真ん中に黒々と残されているタヌキの溜め糞sを匂いで嗅ぎつけると、暗闇でも踏まないように注意しながら通過しました。 
一方、アナグマの溜め糞には無反応でした。 

口元に牙が見えたので、どうやら♂のようです。 
最後は急に何かに驚いて(踏んだ感触が変だった?)林道を左に走り去りました。 

※ 後半のみ動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 
カメラのレンズのすぐ近くにザトウムシの一種が陣取っているようで、長い歩脚で何やら手招き(徘徊?)している動きが目障りですね。 



タヌキの溜め糞を食べながら自らも排泄するクロボシヒラタシデムシ

 

2022年7月中旬・午前11:10頃・晴れ 

スギが植林された里山の斜面をトラバースする小道にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞場dが復活していました※。 
新鮮な下痢便に食糞性の昆虫が集まっています。 
日溜まりの溜め糞で一番目立つのは2匹のクロボシヒラタシデムシOiceoptoma nigropunctatum)です。 
体格に差がありますけど、求愛や交尾をしてないので、性別が分かりません。(見分け方を私は知りません。) 
糞塊がときどき上下にモコモコ動いているということは、下に潜む糞虫が活動しているのでしょう。 
糞塊が激しく揺れ動いても、飛来したニクバエの一種に背中を踏まれても、クロボシヒラタシデムシは全く気にせずに食糞を続けています。 

途中で1匹のクロボシヒラタシデムシが腹端から排泄しました。(@2:32〜) 
固形の糞ではなく、泥水のような液状の便でした。 
本種の排泄行動は初見です。
関連記事(9年前の撮影@里山の稜線)▶ タヌキの溜め糞で婚活するクロボシヒラタシデムシの群れ


ニクバエは糞塊を少し離れ、両手を擦り合わせて身繕いに余念がありません。  


※ 糞の形状などから、アナグマではなくタヌキの溜め糞場だろうと推察し、昨年からときどき定点観察しています。 
後日(秋になってから)この現場にトレイルカメラを設置したところ、確かに夜な夜なホンドタヌキが排便していることを確認できました。(映像公開予定)

2022/11/14

野ネズミに川の洪水を予知する第六感があるか?【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年8月上旬 

獣道になっている川沿いのコンクリート護岸をトレイルカメラで監視していると、集中豪雨による川の増水前後に常連の野ネズミ(ノネズミ)が登場しました。 

シーン1:8/3・午前3:47 
コンクリートブロックが敷き詰められた護岸を野ネズミが右へ(下流方向へ)移動しています。 
短い登場なので、1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 

その日の晩から停滞する線状降水帯によって激しい大雨が降り続き、川の水位が急上昇しました。 
増水した川の水がコンクリート護岸を越えてあわや河川敷に氾濫する前に、水位が下がり始めました。 

大災害を予知したネズミが大群で一斉に逃げ出すという有名な都市伝説があります。 
しかしこの映像を見る限り、野ネズミは決してパニック状態ではなく、単独個体がいつものようにゆっくりと餌を探し歩いていました。 
大雨や川の洪水を予測して逃げ出したようには見えません。 


シーン2:8/6・午前2:01 
川の増水がすっかり引いた3日後、野ネズミが再び監視カメラに写りました。 
護岸スロープを元気に駆け上がり、河畔林に向かいました。 
水害があっても難を逃れて無事だったようで一安心。 


野ネズミなど野生動物に川の洪水を予知する第六感があるのでしょうか? 
オカルト嫌いの私は個人的に懐疑派ですが、この1例だけでは実証したことにはなりません。
今回の増水は堤防が決壊するほどではありませんでしたし、野ネズミが生息する河川敷や河畔林まで氾濫することもありませんでした。
それを予知した野ネズミが、「慌てて避難するまでもない」と判断したかもしれないからです。
川沿いや河畔林のあちこちに多数のトレイルカメラを設置して増水の前後で野ネズミの動向を調べないといけません。 
日本全国津々浦々でトレイルカメラを使った調査がもっと盛んになれば、自ずとデータが蓄積されてくるはずです。 
結局のところ「大山鳴動して鼠一匹」という結果になるかもしれません。

地球温暖化の進行で近年は甚大な水害が頻発するようになりました。 
洪水が発生する度に川沿いの生き物たちへの影響を丹念に調べれば、「撹乱の生態学」になりそうです。 
私は未だ全然勉強不足ですけど、野生動物や水鳥は生息流域の環境が自然災害で大きく撹乱されても意外と逞しく生きている印象を受けつつあります。 
流域に暮らすヒトを守るために最近の川は治水工事でガチガチに護岸したり、河畔林の伐採が進行しており、むしろ人為的な撹乱の方が野生動物へ悪影響を与えている気がします。 

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