2022/11/11

霧の立ち込める夜も池を飛び回るコウモリの群れ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年7月下旬
前回の記事:▶ 日没直後の黄昏時に水場を飛び回り始めたコウモリの群れ【トレイルカメラ:暗視映像】

山中の水場の周囲は湿度が高いので、気温が下がる夜には霧が断続的に発生します。 
冷たい湧き水(地下水)が溜まった池なので、夏は気温と水温の差が大きいのです。
その上空をコウモリが夜な夜な飛び回ります。 
コウモリは有視界飛行ではなく超音波によるエコロケーションですから、霧がかかっていても飛翔には全く支障がないようです。 
トレイルカメラの記録映像の中で、夜霧の中を飛び回るシーンをまとめてみました。 

ときどき夜蛾や蚊も暗い池の上を飛び回っていますが、そうした夜行性の昆虫をコウモリが空中で狩るシーンは一度も捉えたことがありません。 
コウモリが低く飛ぶと池の水面(しかも特定の場所)に一瞬だけ着水して波紋が広がるので、ツバメのように飛びながら水を飲んでいるのか、あるいは素早く体を濡らして水浴しているのだと考えています。 


シーン1:7/26・午後20:00 

シーン2:7/26・午後23:09 (@1:03〜) 
濃い霧が出ると、水面に触れたかどうか映像では見えなくなってしまいます。 

シーン3:7/26・午後23:37 (@1:30〜) 
煙のような濃い霧が風に巻かれています。 

シーン4:7/26・午後23:54 (@1:55〜) 

シーン5:7/27・午前1:03 (@2:03〜) 

シーン6:7/27・午前1:20 (@2:12〜) 
対岸の森から夜蛾が池に飛来し、その後を追うようにコウモリも飛んで来たものの、蛾には目も来れずに水面を掠めるように飛んで飲水しました。 
この夜蛾はコウモリの発する超音波に対してステルス性能を備えているのですかね? 

シーン7:7/27・午前1:57 (@2:43〜) 
霧がほとんど晴れたのですが、此岸付近から煙のように水蒸気が立ち昇っています。 

シーン8:7/27・午前2:07 (@3:17〜) 

シーン9:7/27・午前2:59 (@3:30〜) 

シーン10:7/27・午前3:29 (@3:41〜) 

シーン11:7/27・午前3:39 (@3:51〜) 
同一個体が池の上をグルグルと何周も回っています。 
水を飲むのが目的なら、水場上空に長居するのはなぜでしょう? 
途中から別個体も飛来しました。 
これだけ切り出して見ると、「霧がかかるとエコロケーションが不調になる」ように見えます。 

シーン12:7/29・午後21:50 (@5:19〜) 
風が吹かないと霧が停滞します。 
トレイルカメラの電池が消耗し、数秒間しか撮れていません。

シーン13:7/29・午後23:58 (@5:22〜) 
電池切れで数秒間しか撮れていません。



柳の樹液酒場に集うカナブン♂とコクワガタ♂

 

2022年7月中旬・午後14:05頃・晴れ
前回の記事:▶ 柳の樹液に集まるコクワガタ♂♀、シロテンハナムグリ、コムラサキ♀♂

河畔林の柳(樹種不詳)の樹液酒場へ4週間ぶりに来てみると、新しい顔ぶれが集まっていました。 
枝の小さな窪みの奥にコクワガタ♂(Dorcus rectus rectus)が潜んでいて、穴の外で吸汁しているカナブン♂(Rhomborrhina japonica)を大顎で牽制しています。 
樹液をめぐる激しい縄張り争い(占有行動)というほど激しくはありませんでした。
コクワガタ♂の大顎の長さが微妙に左右非対称(左>右)でゆがんでいるのは生まれつき(軽い奇形)なのでしょう。

カナブン♂の鞘翅は鈍いオレンジ色の構造色をしていて、雨の水滴が付着しています。 
口吻を伸縮させて柳の樹液を舐めています。 
河野修宏『雑木林で虫さがし―はっけんかんさつフィールドノート』p7によると、カナブンは前脚の脛節を見れば性別を見分けられるのだそうです。 
この個体は突起が鋭くないので♂と判明。

ハエ類(種名不詳)も数匹集まっていました。 
しばらくするとコクワガタ♂は体の向きを変え、穴の中(ミニ樹洞)に籠もってしまいました。 
それでも外から姿は丸見えです。 
この樹液酒場にコクワガタ♀が来るのを待ち構えているのでしょう。 
コクワガタ♂の背中にハエが乗ると嫌がり、その身動きでハエは逃げました。 

撮影後に手を伸ばして捕獲を試みると、カナブン♂は逃げてしまいました。 
ありあわせの単3乾電池ケースでコクワガタ♂を捕獲することができしました。 
プラスチックケースのサイズ(63×54mm)と比べれば採寸代わりになります。 
まずは仰向けにして腹面を確認。 
自力で起き上がると脱出し、地面に落ちました。 
舗装路で仰向けになっても自力ですぐに起き上がり、逃走開始。 
私の手に乗せてみても、とにかく元気で、すぐに掌から落ちてしまいます。 
採集したコクワガタ♂を持ち帰って飼育することにします。 

2022/11/10

深夜に氾濫した川の激流に押し流されるカイツブリ【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年8月上旬・午前00:17・大雨
前回の記事:▶ 2022年8月3日〜4日:集中豪雨による最上川上流域の水位変化【100倍速・トレイルカメラ暗視映像】

一時は雨が止んだのに、停滞する線状降水帯によって再び激しい雨が降り始めました。 
増水した川面を小さな水鳥が流されてきました。 
小柄で翼が短いので、たぶんカモ類ではなくカイツブリTachybaptus ruficollis)だと思うのですが、どうでしょうか。
激流に逆らって足の水かきで必死にかいています。 
なんとか上流に戻り、姿を消しました。 
無事に川岸(左岸)へ上陸できたかな? 
カイツブリは昼行性なので、真っ暗闇の水難事故は周囲の状況が見えずにかなり不安だと思います。 
しかしカイツブリは遊泳も潜水も得意な水鳥なので、洪水でも溺れる心配は無用でしょう。 

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