2021/10/06

夕日を浴びたモズ = アカモズ?(野鳥)

 

2021年7月中旬・午後18:45頃・晴れ(日没時刻は午後19:02) 

日没前に民家の庭木(樹種不詳)の梢に止まったモズ♀(Lanius bucephalus)がキチキチキチ…♪と鳴いています。 
異様なほど真っ赤な姿で、まさかアカモズなのか?とギョッとしました。 
振り返ると見事な夕焼け空で、夕日を浴びて鳥が赤く染まっただけだと分かりました。 
おそらく同じ樹上に塒入りしていたつがいの♂パートナーと鳴き交わしています。 
私に対して警戒しているのでしょう。 
最後は樹冠から飛び去って奥の庭木に移動しました。 

夕刻にこの辺りを通りかかるのは初めてですが、別の時間帯にはモズの縄張りがあることが分かっています。 


※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。
近くの電線に止まっていたムクドリも夕日に染まっていました。

2021/10/05

樹液酒場でカブトムシ♀を襲うモンスズメバチ♀【ハイスピード動画】

 

2021年7月中旬・午後14:30頃・晴れ
前回の記事:▶ 柳の樹液を吸いながら片足を上げて排尿するカブトムシ♀【HD動画&ハイスピード動画】

シーン1: 
湿地帯に自生する柳(樹種不詳)の樹液酒場に来ていたモンスズメバチVespa crabro)のワーカー♀が先客のシロテンハナムグリ(Protaetia orientalis submarumorea)に足蹴にされて退散しました。 
正確には、シロテンハナムグリが天敵を蹴飛ばしたというよりも、後脚を持ち上げて「近寄るな!」と牽制したようです。 
これも樹液酒場を巡る占有行動の一種と言えるでしょう。 

※ 冒頭シーンだけ動画編集時に逆光補正を施しています。 


シーン2:(@0:05〜) 
カブトムシ♀(Trypoxylus dichotomus)の吸汁シーンを240-fpsのハイスピード動画で撮影していると、飛来したモンスズメバチ♀が突然カブトムシ♀の胸背に着陸しました。 
この2種には圧倒的な体格差がありますし(カブトムシ♀>>モンスズメバチ♀)、カブトムシは全身がクチクラの硬い装甲で守られているため、スズメバチでも歯が立たないようです。 
(スズメバチは狩りの際に毒針を使うことはなく、大顎で獲物に噛み付くだけです。) 
モンスズメバチ♀はカブトムシ♀を諦めてすぐに飛び去りました。 
その間、カブトムシ♀は全く無反応で、平然と樹液を舐め続けていました。 
このモンスズメバチ♀は獲物を探索中だった(探餌飛翔)という解釈です。 
モンスズメバチ♀はセミを狩るのが得意だという噂ですけど、私は狩りの様子を未だ観察できていません。

あるいは、もしかするとモンスズメバチ♀は柳の幹かと誤認してカブトムシの背中にうっかり着地しただけかもしれません。 
カブトムシから離れたモンスズメバチ♀は柳の幹の手前でホバリングしながら上昇して行きました。 
樹液がもっと多く分泌する場所を探索しているのでしょう。 
柳の葉の甘露を舐めに行った可能性も考えられます。
関連記事(6年前の撮影)▶ 柳の葉を舐めるモンスズメバチ♀



【追記】

森上信夫『樹液に集まる昆虫ハンドブック』に面白いことが書いてありました。

スズメバチ類は、力勝負でもカナブンやコクワガタには十分勝てるのだが、樹液酒場がこみ合ってくると、背後から甲虫たちの脚に噛みついては、パッと空中に逃げるという行動をくり返す。たまりかねた甲虫が向き直ると、その動きが隣の甲虫を刺激し、これを宣戦布告と受け止めた相手が応戦すると、そこで甲虫どうしの戦いが始まる。この混乱に乗じて、樹液上に空きスペースができると、スズメバチは空中からそこに舞い降りて自分の場所を確保するのである。甲虫を挑発して、同士討ちを誘発させるわけだ。(p36〜37より引用)

私が思っていたよりもスズメバチは賢いようです。

今回私が観察した樹液酒場は混み合っていませんでしたが、モンスズメバチ♀はカブトムシ♀を背後から挑発してどかそうとしていたのかもしれませんね。

しかしカブトムシ♀は、その挑発に乗りませんでした。

 

夕方の山道を横断し道草を食う野生ニホンザルの群れ(2頭の首輪装着個体)

 

2021年7月中旬・午後17:35頃・くもり
前回の記事:▶ 夕方の山林で樹上を移動するニホンザルの群れ
緩やかに下る山道の前方からニホンザルMacaca fuscata fuscata)の母子がこちらに向かってゆっくり登って来ました。 
四足歩行する母親の胸には長い乳首が見えます。 
子ザルも母親の傍を自分の足で元気に歩いています。 
子ザルは立ち止まると道草を食いました。(草を採食) 
すぐに走り出し、先導する母親を追いかけます。 
母親は道端の灌木の茂みの陰に座り込んで、採食を始めました。 
どうやら私の存在に気づいているらしく、死角に隠れて採食しています。 
残念ながら採食メニューは不明です。 
その間、子ザルは母親にまとわりつくように遊んでいます。 

山道の左側の森にニホンザルの群れが潜んでいるらしく、灌木や茂みがあちこちで揺れています。 
やんちゃな子ザルが遊動しながら(無駄に木に登ったりして)遊んでいるのでしょう。 
その動きから群れの接近を予測することが出来ます。 
左から右に遊動する群れのメンバーが山道に続々と現れました。 
草むらから私をチラッと見て安全を確認すると、山道を走って横断しました。 

生まれたばかりの赤ん坊ニホンザルは遊動中も母親の胸にしがみついたり背中に乗ったりしたままで運ばれます。 
しかし、この時期の子ザルは自分の足で歩けるぐらい成長していました。 
先導する母親の後を必死で走って追いかける子ザルの様子は微笑ましいですね。 

今回遭遇した群れの中には黒い首輪を装着した個体が2頭いました。(@1:24および2:35) 
農村部の猿害対策の一環として、ニホンザルの群れの動向をリアルタイムで知る必要があります。(テレメトリー調査)
そのために罠檻で生け捕りした個体に電波発振器やGPSを取り付けて再放獣するのです。 
1頭は胸に授乳の結果長くなった乳首が見えたので♀で間違いありません。 
もう1頭の性別が私には分かりませんでした。 
一般的に雄猿♂はいずれ群れを離れますから、首輪を付けても行方不明になってしまい機材が無駄になります。 
したがって、電波発振器(やGPS)を取り付けるなら♀だろうと予想されます。 
(離れ♂の行動を知りたいというマニアックな調査が目的なら、♂に首輪を付けることも考えられます。) 

ちなみに映像の後半では(@2:20〜)、森の奥からアカショウビン♂(Halcyon coromanda major)がキョロロロロ…♪と鳴く声(囀り)が聞こえました。
関連記事(1月前の撮影)▶ アカショウビン♂のさえずり♪(野鳥)
※ 猿や鳥の鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げたら、沢の水音も強調されてしまいました。

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