2021/03/02

ヤマウルシの実を食べるハシボソガラスの群れ(野鳥)

 

2020年10月下旬・午後15:30頃・くもり 

郊外に広がる畑を囲むように防風林があり、夕方になるとカラスの大群が集まってきます。 
おそらく集団塒なのでしょう。 ハシボソガラスCorvus corone)の群れがヤマウルシと思われる落葉樹の上で核果を啄んでいました。 
食後に飛び去ると、隣のクルミ樹上で順番待ちしていた別個体がすぐにやって来て、ウルシの実を採食しました。 

おそらくヤマウルシだと思うのですが、完全に落葉している状態だと自信がありません。
念の為に、葉が再び生い茂ったら改めて樹種を確認しに行くつもりです。 
もしかするとヌルデかもしれません。 
防風林で緑の葉が未だ残っている隣の木は、オニグルミだと思います。
実はちょうど1年前に、この防風林でハシボソガラスがウルシの実を食べる同じ採食行動を初めて観察しました。 
しかし、せっかく撮った動画ファイルをカメラのSDカードから誤って削除するという自分でも信じられないミスを犯してしまいました。 
削除ファイルを復活させるツールを使っても、駄目でした。 
痛恨のミスを取り返すために、1年ぶりに同じ現場を何度もしつこく再訪したのです。 
今回カラスが集まっていたウルシの木は去年と違う木でした。 
去年に撮った幻の動画は採食シーンをもっと長く上手に撮れていたはずなので、悔しさは解消されません。 
納得が行くまで来年も再チャレンジするつもりです。 

写真は削除を免れたので、未練がましく掲載しておきます。
ハシブトガラスとハシボソガラスの混群で採食
ヤマウルシ?の核果
ヤマウルシ?の黄葉と果実
ヌルデの葉とは違います。
ヤマウルシ?の幹


フクラスズメ(蛾)亜終齢幼虫の脱皮【30倍速映像】

 

フクラスズメ(蛾)の飼育記録#3

▼前回の記事 
脱皮前の眠で微動するフクラスズメ(蛾)亜終齢幼虫【50倍速映像】
2020年10月下旬・午前9:00頃

8:50? フクラスズメArcte coerula幼虫の脱皮前の蠕動運動が激しくなり、全身が波打っています。
                 ゆっくりと上半身を軽く持ち上げる背筋運動を繰り返していました。 
                 やがて胸脚は葉裏に接地しなくなりました。(後方の腹脚と尾脚だけで葉裏にしがみついています。) 
                 遂に体の前方から古いクチクラが破れ、新しい体が現れ始めました。 
                 古い頭楯は茶褐色でしたが、脱皮直後の新しい頭楯は鮮やかな橙色でした。 

9:08         脱皮が進み、上半身が抜けると小休止。 
                  次は新しい胸脚を使って葉裏を前進し、少しずつ下半身を脱いでいます。 
                 脱皮中は既に脱げた上半身をときどきU字型にねじって、抜けない(引っかかっている?)部位を齧るような素振りをしました。 
                グリップの効いた足場を探しているのかもしれません。 

9:18     ほぼ脱皮が終了したので、カメラの画角を少し下にずらしました。 
             これから抜け殻(脱皮殻)を食べるかどうか注目です。 

9:21     腹端も抜け殻から完全に脱げました。 
             その後も幼虫は抜け殻から離れずに休息しています。 
             尾脚で脱皮殻をしっかり掴んでいますが、ときどき腹端も軽く上に持ち上げくねらせています。 
             脱皮直後の新しい胸脚、腹脚および尾脚は鮮やかな橙色でした。 

9:42     撮影終了。 
             この個体は最後の脱皮を済ませると終齢幼虫になりました。 

飼育中は気づかなかったのですが、赤い微小なタカラダニの一種が食草のカラムシに紛れ込んでいたようで、元気に徘徊しています。 


↓【おまけの映像】 
同じ素材で早回しスピードを落とした10倍速の動画をブログ限定で公開します。 

 

2021/03/01

ウコギの生垣にコガタスズメバチの古巣を見つけた!(駆除後の初期巣)

 

2020年10月下旬・午後16:40頃・くもり 

廃屋らしい民家の裏庭と車道の境界にウコギ(おそらくヒメウコギ)の生垣があり、ほぼ落葉した枝の隙間にスズメバチの古巣を見つけました。 
とても小さな巣で、下向きに細い円筒状の巣口が伸びています。 
徳利を上下逆にしたような形状は、コガタスズメバチVespa analis insularis)の初期巣の特徴です。 
創設女王が単独で作った初期巣が晩秋にそのまま見つかったということは、初期巣の段階で女王蜂が死んで廃巣になったのでしょう。 
危険を感じた近隣住民が殺虫剤スプレーのノズルを初期巣の外皮に突き刺して噴霧し、駆除したと思われます。 
いずれにせよ、この時期(10月下旬)にコガタスズメバチ♀が巣内で活動している心配は全くありません。 

初夏に単独で活動する創設女王にとって、棘だらけのウコギの生垣はとても安全な営巣地に見えたかもしれません。 
もし仮に巣が駆除されずにコロニーが順調に大きくなったとしても、ウコギの若葉が生い茂ると、巣を増築する作業の邪魔になったことでしょう。 
コガタスズメバチのワーカー♀は、巣の周囲のウコギの枝葉を大顎で剪定しながら巣を拡張したかどうか、興味があります。 
造巣に伴う周囲の土木工事をぜひとも観察してみたかったです。 
例えば地中営巣性のオオスズメバチが巣口の付近の草を刈り取る習性が知られています。 

あるいは、営巣途中でもっと開けた新天地へ自発的に引っ越して造巣をやり直したかな?
(私の知る限り、コガタスズメバチで引っ越しの習性は無かったと思います。) 




▼関連記事(7年前の撮影)

2日後にこの古い初期巣を採集して、内部構造を調べてみました。 
外皮を壊すと中には1層の巣盤があるだけでした。 
巣盤は正六角形の育房が23室作られていました。 
巣盤中央部の育房にはワーカーの蛹と幼虫が死んでいました。 
2匹の蛹は白い繭キャップの下で羽化直前だったようで、ほとんど完成した成虫の姿をしていました。 
創設女王が外出中に事故で死亡あるいは逃去しただけなら、たとえ巣内の幼虫が餓死しても蛹から初ワーカーが羽化したはずです。 
実際には初ワーカーが全て羽化前に死んでいたことから、やはり強力な殺虫剤を使って創設女王と一緒に殺されたのだと推理しました。
ワーカーが無事に羽化していれば、初期巣に特有の下向きに伸びた細長い巣口が完全に取り壊されているはずです。

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