2019年10月上旬・午前11:25頃
平地の農耕地(田畑)を流れる用水路で連結した赤とんぼの♀♂ペアが産卵していました。
収穫の済んだこの時期、農業用水路に水はほとんど流れていません。
同定のために撮った写真をよく見ると、アキアカネ♀♂(Sympetrum frequens)のようです。
♂の腹背は橙赤色でいわゆる赤とんぼでしたが、♀は腹部が淡褐色のままの個体でした。
水路の底を連結態で低く飛びながら、緑の苔(種名不詳)に覆われた石を目掛けて繰り返し産卵しています。
この場合は、連結「打水」産卵ではなく連結「打泥」産卵と呼ぶべきかもしれません。
(「打苔」産卵という用語は無いみたいです。)
アキアカネ♀♂の連結打泥産卵を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:27〜)
♀が全身を使って振り子のように前方の目標物に腹端を打ち付けて産卵しています。
湿った苔だけでなく水際の泥や小石にも産卵していました。
水面ならどこでも良い連結「打水」産卵とは明らかに違います。
なぜか最後はとんぼ返りして飛び去りました。
一方、ノシメトンボ♀は空中で苔の上から卵を放出していました。(打空産卵)
▼関連記事
スギゴケ?の上で連結打空産卵するノシメトンボ♀♂【HD動画&ハイスピード動画】
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アキアカネ♀♂:側面@水路底:苔+連結打水産卵 |
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アキアカネ♀♂:背面@水路底:苔+連結打水産卵 |
ホシヒメホウジャク(蛾)の飼育記録#5
▼前回の記事
腹部を回して暴れるホシヒメホウジャク(蛾)の蛹
2019年10月上旬・室温約23℃
蛹化から12日目、営繭(巣作り)から14日目。
虫の知らせがしてホシヒメホウジャク(Neogurelca himachala sangaica )の蛹を入れておいた容器を朝(9:30頃)に見ると、成虫♂が羽脱していました。
翅が未だ伸びていないので、私は慌てて止まり木を探します。
ニセアカシアの枯れ枝を差し出すと、すぐに登ってようやく落ち着きました。
私が三脚の調節などに手間取っている間に、新成虫のしわくちゃだった翅芽が半分伸びてしまいました。
予め撮影の準備をしていなかったのが悔やまれます。
20倍速の早回し映像をご覧下さい。
少しずつ翅が伸びていきます。
腹端を背側に反らした海老反り姿勢になりました。
翅の伸展が終わると閉じてしまいました。
閉じた翅を立てているので、翅裏がしっかり見えるように止まり木の向きを変えました。
ようやく見えた触角の形状から♂と判明。
(ホシヒメホウジャクの)触角は♂では繊毛状, ♀ではほとんど糸状に近い.(Digital Moths of Japanサイトより引用)
ゼンマイ状の口吻は既に完成していて、クルクルと少しだけ動かしていました。
カメラがもう1台あれば、口吻の形成を微速度撮影したかったです。
初め左右に分かれていた口吻が羽化直後に合着して1本の長い長い管になるのです。
▼関連記事(11年前の映像)
ホシヒメホウジャク♀(蛾)の口吻を伸ばしてみる
やがて閉じていた翅を水平に広げ、見慣れた姿勢になりました。
小さな戦闘機のようです。
↑【おまけの映像】
早回し速度を半分に落とした10倍速映像をブログ限定で公開しておきます。
シリーズ完。
その後、羽化液(蛹便)の排泄および新成虫の初飛行も動画に記録したかったのですが、撮り損なった挙句に逃げられてしまいました。
同時期に複数のテーマにあれこれ手を広げ過ぎてしまい、一つ一つの撮影が散漫になってしまったのが反省です。
▼関連記事(11年前の撮影)
ホシヒメホウジャク♀の飛翔前準備運動