2007年1月下旬
キッチンでの保管状況が悪いせいで、寒冷地の真冬なのに乾物の袋(ハーブティーとドライフルーツ)に虫が湧いていました。
動画に撮った幼虫は外をうろうろした後、袋に開いた小さな穴を見つけて中に潜り込みました。
そのまま飼育してみたら、貯穀害虫の大御所と言われるノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)と判明しました。
メイガ類の幼虫は穿孔能力に優れ食品の包装も食い破るため、食品業界では異物混入のトラブルメーカーとして恐れられています。
(成虫編につづく)
【追記】
兵藤有生、林 晃史『招かれざる虫: 食べものにつく害虫の科学推理ノート』によると、
(ノシメマダラメイガ)幼虫の囓る力は強く、麻雀の牌に孔をあけると言われているほどだから、包装容器などは簡単に食い破って侵入する。とくに成熟幼虫は、越冬期や蛹化期には、発生・生育場所となる寄主から移動して包装物の中などに潜入するためにトラブルが多く発生する。 自然の環境では、落下果実に発生することがあり、その果実が乾燥するようにしたがい繁殖が盛んになり、鳥の巣からの発見例もあるらしい。(p46より引用)
2007年3月中旬
飼育中のネコハエトリ(Carrhotus xanthogramma)亜成体♂(体長5mm)。
正面からしつこく接写してるとデジカメのレンズにも平気で飛び移ります。
ハエトリグモはお尻から出る「しおり糸」をあちこちに固定しながら歩き回ります。
この命綱のお陰でジャンプの着地に失敗しても墜落を免れ、糸を登って簡単に戻れます。
撮影後にはレンズがすっかり糸まみれになりました。
2007年3月中旬
せっかく暗視可能なWebカメラを買ったので(GROOVY GR-CAM130N2)小さな虫を試し撮りしてみました。
赤外線LED8個のリングライト搭載、 最短接写距離は50mmというスペックです。
画質は640 x 480、30fpsでキャプチャしました。
被写体は最近捕獲した体長5mmのネコハエトリ亜成体♂(Carrhotus xanthogramma)。
ハエトリグモは昼行性らしいので夜間の行動観察は余り意味がないかもしれませんが、練習台ということで。
亜成体で越冬するネコハエトリをこの段階で外見から性別判定するのはなかなか難しいらしいのですが、赤外線カメラで撮ると♂成体に特有の黒いキ印が背腹に浮かび上がって見えることに気づきました。
同一個体を普通のデジカメで撮っても体毛に隠れて?キ印は見えません。