2011/01/10

キシタバ(蛾)後翅の眼状紋



2009年11月上旬

軒下に地味な蛾が止まっていました。
指で触れると驚いて落下。
死んだ振り(擬死)というよりも、寒くて体が動かず咄嗟に反応できなかったのでしょう。
体に触れると歩いて逃げながら後翅を半開きにして鮮やかな黄色の模様を披露してくれました。
鳥などの天敵を威嚇するための眼状紋の一種なのかもしれません。
気温10℃と肌寒いのですぐには飛べません。
飛翔筋を激しく震わせて飛び立つ前の準備運動をしています。
飛び立つ瞬間を撮ろうと暫く待ち構えていたものの、離陸することなく身震いを止めてしまいました。
ウォーミングアップだけで疲れてしまったのか、飛んで逃げるほどの危険は無いと判断したようです。
このように外敵から素早く逃げる能力に欠けているため、ひたすら翅斑紋のカモフラージュに頼って身を隠し難を逃れるという消極的な生き残り戦略のようです。
絵合わせでノコメキシタバと迷ったのですが、いつもお世話になっている虫我像掲示板にて質問するとキシタバCatocala patala)と教えて頂きました。
前翅長37mm。





ヤスマツトビナナフシ♀成虫の二匹が・・・



2009年11月上旬

雑木林の入口(林縁)に置かれた石灯籠にナナフシが二匹止まって居ました。
ゆっくりとした足取りで移動しています。
初雪の翌日で気温12℃。
越冬地を探して彷徨っているのだろうか。
二匹は違う脚が欠損しているので(-L1、-L2)個体識別できます。
帰ってから調べてみるとヤスマツトビナナフシ♀(Micadina yasumatsui)のようです。
本種の♂は発見されておらず、♀だけで単為生殖するのだそうです。
移動の途中でマウントするような体勢になったので、まさか交尾を始めるのか!(大発見?)と固唾を飲んで見守りました。
しかし跨いで追い越しただけと分かり、拍子抜け。
それでもナナフシの成虫は初見だったので、とても嬉しい出会いでした。 

参考: 『ナナフシのすべて』 トンボ出版 p26


本州の山地などでは晩秋にトビナナフシ類がブナやミズナラなどの根際に数十匹単位で群らがっていることがある。これは秋とともに気温が下がり、また樹上の葉が落ちて食べるものがなくなってつぎつぎと樹幹を降り、結果として集団となったものである、こうした場面はときどき見られる。(『日本動物大百科8昆虫Ⅰ』p116より

キアシナガバチの巣で越冬していたナミテントウ二紋型



2009年11月上旬

軒下から採集したキアシナガバチPolistes rothneyi)の巣を調べていたら、二紋型ナミテントウHarmonia axyridis)が紛れ込んでいました。
採集前の映像を見直すと確かに巣柄の近くにこのナミテントウが写っていました。
越冬地を求めて寒風を凌げる育房に潜り込んでいたのだろう。
ペン先などで突付いても育房から出てこないので、暖かい吐息を吹き込んだらモゾモゾと動き始めました。
まるでイソップ童話『北風と太陽』みたいです。
ピンセットで摘んで仰向けにすると、しばらく死んだふり(擬死)してから翅を広げる力を利用して起き上がりました。
最後は翅をパカッと広げて飛び立ちました。
 



ランダムに記事を読む