2011/01/04
ホオナガスズメバチ女王が外被を増築
2010年5月上旬
ホオナガスズメバチの仲間(シロオビホオナガスズメバチまたはニッポンホオナガスズメバチ)の初期巣の定点観察。
前日には露出していた巣盤は既に外被で覆われ見えなくなりました。仕事の速さに驚かされます。
創設女王は外から灰色の巣材ペレットを集めてきてはせっせと二層目の外被を増築しています。
作業の様子は一部、3倍速の早回しにてお届けします。
帰巣直後は必ず巣内に入って点検してから作業を行うようです。
巣材を噛みほぐしているのかも。
巣材を付け足しながら外被の円周に沿って後退していきます。
外被作りが一段落すると巣内に戻ります。
もう中の様子は見えませんが、抱卵するようです。
巣の中で女王が動くと巣全体が振動します。
女王自身も補強の必要性を感じたのか、基礎の部分(角材との接着面)を補強し始めました。
(つづく)
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ホオナガスズメバチ女王の抱卵
2010年5月上旬
ホオナガスズメバチの一種の女王は巣に居る間、ときどき見回りしたり姿勢を変えるものの、ほとんどの時間は抱卵姿勢(カーリング行動)で卵を温めて過ごしていました。
初期巣の卵を積極的に温めて発生を早めたり保温のための外被を作ったりする点がスズメバチのアシナガバチとは決定的に違うところです。
昆虫は一般に変温動物と思われがちですが、抱卵する女王蜂は胸部の飛翔筋を活発に収縮させて(羽そのものは動かさず)発熱しているそうです。
激しく呼吸する腹部の収縮が見えます。
(つづく)
≪参考≫
『熱血昆虫記:虫たちの生き残り戦略』 どうぶつ社
『スズメバチはなぜ刺すか』 北海道大学図書刊行会 p192
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抱卵
ホオナガスズメバチ創設女王の外被建設
2010年5月上旬
山地の軒下で白っぽいスズメバチの巣を発見。
未だ小さい初期巣の外被を作っている女王蜂は一見するとクロスズメバチに似ているが、地中営巣性のクロスズメバチが軒下に巣作りするはずはありません。
ホオナガスズメバチの一種(シロオビホオナガスズメバチまたはニッポンホオナガスズメバチ)だろう。
顔の正面にある頭楯の模様で区別するらしいのだが、採集しない限り顔写真のアップを撮るのは難しそう。
外被が未完成なので巣盤が剥き出しです(育房数8室)。
スズメバチ類(Vespa属)やクロスズメバチ類(Vespula属)が朽木の木質部や生きた樹皮から齧り撮ったチップを唾液と混ぜたパルプを巣材とするのとは異なり、ホオナガスズメバチの仲間(Dolichovespula属)の巣は植物の茎や葉の表面に生えている繊維や繊維質を含んだ材を原料としている点でアシナガバチの巣と同様、和紙そっくりです(wikipediaより引用)。
高所にあるので巣の大きさを直接測ることは無理ですが、土台(営巣基質)となる梁の角材の幅は35ミリ。
建設中の初期巣の隣に、スズメバチの大きな古巣を撤去した痕が残っています。
(つづく)
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