2022年2月中旬〜下旬
郊外の住宅地で裏庭の雪面に残る動物の足跡が気になって、雪道を監視する無人センサーカメラ(トレイルカメラ)を設置しました。
今まで気づきませんでしたが、タヌキが暮らせる自然が未だ辛うじて残っていることになります。
新雪ではなく雪道が踏み固められている場合、野生動物は足早に通り過ぎてしまいます。
そうなるとトレイルカメラの起動が間に合わずに撮り漏らす失敗が頻発しました。
カメラの前に立ち止まってもらうために予め雪道に餌を少し撒いておく作戦も考えられます。
しかし野生動物への餌付けには色々と問題があるので、今季はストイックに餌付け無しでどこまでやれるか挑戦です。
カメラの設置場所やアングルをあれこれと試行錯誤しました。
厳冬期はどうしても低温でバッテリー(の電圧?)がへたり、カメラの起動が少し遅くなるようです。
シーン1:2/12・午前1:09・晴れ
深夜にいきなり獣の顔(下顎)がドアップで写りました。
カメラの匂いを嗅いでいるようです。
立ち去る獣の正体はいつもの猫ではなく、タヌキでした。
その背後からもう1頭のタヌキが登場しました。
おそらく♀♂ペアで出歩いているのでしょう。
2頭目の目つきが悪いことに気づきました。
素人目には、右目が斜視または軽度の白内障を患っている気がします。
カメラのすぐ手前まで近寄り、(匂いを嗅いでから)立ち去りました。
放射冷却現象で雪面は固くクラスト(凍結)しており、タヌキの足は雪に潜りませんし足跡は残りません。
シーン2:2/15・午前2:49・晴れ
この日も積雪は無く、クラストした雪面をタヌキのペアが通りかかりました。
先導する個体がカメラの前を横切ったものの、カメラの起動が間に合いませんでした。
5秒遅れて後続の別個体が早足で横切るシーンがなんとか動画に記録されていました。
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
前回(3日前)とは逆向きの巡回(パトロール)ルートでした。
シーン3:2/18・午前3:28・晴れ
おそらくいつもの♀♂ペアがやって来たようですが、先頭個体は撮り損ね。
後続の個体の通過シーンがなんとか撮れました。
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
凍った雪面を歩いても足跡は残りません。
これまでのところ、タヌキのペアは毎晩ではなく、規則正しく3日おきに通っていました。
シーン4:2/25・午後23:18・晴れ
しばらく来なかったタヌキが次に登場したのは1週間後の夜中でした。
トレイルカメラの起動が間に合わず、歩き去る(おそらく2匹目の)タヌキの下半身だけ写っていました。
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
実はカメラの設置場所の近く(裏手)にはコンポスト容器が設置されていたり、雪原に穴を掘って家庭から出る生ゴミを埋めたりしてありました。
イヌ科のタヌキは匂いで気づいていたはずなのに、生ゴミや残飯を食い漁った形跡が一度も無いのは意外でした。
腐った生ごみよりも良い餌に近所でありつけるのを知っていてタヌキが夜な夜な通ってきたのではないかと私は想像しています。
誰かがこっそり(無自覚、無意識に)タヌキに餌付けしていたのかな?
例えば畜舎や納屋に忍び込んで飼料を盗み食いしている可能性なども考えられます。
もっと多数のトレイルカメラを獣道に沿って点々と導入できれば冬の餌場を突き止められたかもしれません。
カメラ1台での調査にはどうしても限界があります。
この雪道(獣道)を夜に利用する猫とタヌキがニアミスした時の反応も見たいところです。 (異種遭遇)
ネコが怒ってタヌキを縄張りから追い払うのではないかと予想しています。
それとも通行する時間帯を上手いこと分けて同じ獣道を共用しているのかな?
【追記】
雪面に残る足跡をよく見ればタヌキとイエネコの区別がつくそうです。
タヌキの足あとには爪の跡がつくので区別できます。ネコの足跡には爪の跡がつかないことから区別できる。(関谷圭史『信州のタヌキ』p131より引用)
ネコは足の爪を引っ込めて歩くのです。
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