2024/11/27

年末に夜の雪山を走り回る冬毛のホンドテン【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年12月下旬・午後17:10:頃・日の入り時刻は午後16:31 

根雪が積もった里山でニホンカモシカの溜め糞場sr1をトレイルカメラで見張っていると、年末の晩にホンドテンMartes melampus melampus)が登場しました。 
スギの背後を通って左から右へ雪の斜面を横切ると、谷の右岸を上流に向かってどんどん登って行きます。 

この地点でテンは初見です。
雪面は凍結しているのか、足が雪に埋もれずに軽快に駆けて行きました。

 ※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 




ニホンザルのペアが初冬の夕方に林縁でマウンティング(若い♀の同性愛行動?)

 

2023年12月中旬・午後15:35頃・くもり・日の入り時刻は午後16:24 

夕方に遊動する野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れを慎重に追うと、山麓のスギ植林地までやって来ました。 
おそらくここにねぐら入りするようです。 
猿もだいぶ私に慣れてくれて、リラックスした行動を示すようになりました。 
(ニホンザルに「餌付け」は全くしておらず、根気強く観察者に慣れてもらう「人付け」の手法です。) 

薄暗いスギ林縁に座ってうつむき、自分で蚤取り(毛繕い)している個体aを撮り始めました。 
その左隣に別個体bが並んで座っているのですが、手前のスギ立木の陰に隠れて姿がほとんど見えません。 
ただでさえスギ林は薄暗いのに、山麓の夕方なのでかなり暗く、動画の画質が粗くなってしまいました。 
カメラの設定でゲインを上げてから撮り直します。 

やがて、2頭とも立ち上がると、bがaの背後に回り込み、マウンティングして腰を振りました(pelvic thrust)。 
マウンティングされた個体aの後ろ姿の尻を見る限り、♀であることは間違いないものの、尻が赤く腫脹してないことから、発情期ではない若い♀と分かります。 
マウンティングされながら♀aが振り返って相手の顔を仰ぎ見たり、片手で相手を引き寄せる動きをやりませんでした。 
したがって、これは交尾ではなくて、群れ内で順位を決める儀式的な優劣行動なのでしょうか? 
問題なのは、マウンティングした個体bの性別です。 
これも発情していない若い個体のようですが、素人目には♀に見えます。 
もし間違っていたら、ご指摘願います。 
若い♂だと睾丸が小さいのですかね?
とにかく薄暗くて、観察しにくい条件でした。 
短いマウンティングを済ませると、2頭は前後してスギ林の奥へ遊動して行きました。 


※ 動画の後半は編集時に明るく加工しています。 


実は同じ日の昼前にニホンザル♀同士(年齢差あり)の同性愛行動を観察したばかりだったので、今回も若い♀の同性愛行動ではないか?と気になりました。 



2024/11/26

年末年始にイタチの越冬巣穴の横を通るホンドタヌキのペア【トレイルカメラ:暗視映像】

 




2023年12月下旬〜2024年1月上旬

シーン0:12/22・午後13:12・くもり(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
平地のスギ防風林で、画面の奥に向かって根こそぎ倒れたスギの根元に掘られたニホンイタチMustela itatsi)の越冬用巣穴bを自動撮影カメラで監視しています。 
画面のほぼ中央にぽっかり開いているのが、問題の巣穴bです。 
丸木橋のような水平の細い倒木で遮られて見えませんが、その下をくぐったすぐ左奥にも、イタチが越冬する「根曲がり巣穴a」があります。 
2つの巣穴は内部でつながっていそうですが、撮影機材の数が限られているために、2つの巣穴を同時に監視することが出来ません。 
年末年始のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)登場シーンをまとめました。 


シーン1:12/27・午前0:59(@0:03〜) 
積もった雪がだいぶ溶けて、雪面の雪質は湿雪のようです。 
深夜に奥の獣道から単独で現れたタヌキが、水平倒木の下からイタチの越冬巣穴の入口bの様子を伺っています。 
手前に向かって雪の斜面を降りようとしたところで打ち切られました。 
監視カメラの電池が消耗していて、わずか2秒間しか録画されていませんでした。 
仕方がないので、1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 


シーン2:12/27・午前10:58・晴れ(@0:12〜) 
シーン2:12/27・午後14:20・晴れ(@0:15〜) 
日中は晴れて、さらに雪解けが進みます。 
水平倒木から剥がれ落ちたスギの樹皮が雪面に散乱しています。 


シーン3:12/29・午後18:01(@0:19〜) 日の入り時刻は午後16:31。
晩に♀♂ペアと思われる2頭のタヌキが登場しました。 
まず先行個体が奥の獣道から登場し、水平倒木の下を慎重にくぐりました。 
水平倒木の丸木橋を頻りに見上げて辺りを警戒しています。 
イタチの越冬用巣穴bには近寄らず、手前に立ち去りました。 
雪面は「腐れ雪」の状態で、ズボズボ潜って歩きにくそうです。 


シーン4:12/29・午後18:02(@1:15〜) 
20秒後に、後続個体が同ルートで通過するかと思いきや、左に立ち去りました。 
監視カメラの存在に気づいて警戒したのかな? 
と思いきや、じきに左端から戻ってきました。 
水平倒木の下をくぐって左下へ向かいます。 
イタチの巣穴bには気づきませんでした。 


シーン5:1/2・午前3:19(@1:48〜) 
これ以降は、電池の消耗で1秒間しか夜の暗視動画が記録されなくなりました。 
ほとんど写真と同じです。 
水平倒木をくぐった直下で左奥を向いて佇んでいるタヌキの姿が写っていました。 


シーン6:1/5・午後21:34(@1:51〜) 
タヌキが巣口bの横で立ち止まり、匂いを嗅いでいる様子がちらっと写りました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
いまのところ、タヌキがイタチの越冬用巣穴bの中に図々しく忍び込むことはありません。 
同じイタチ科でもニホンイタチは他の野生動物になんとなく一目置かれているようで、ニホンアナグマは図体は少し大きいのに舐められているような印象があります。 



ランダムに記事を読む

  • ヒメジョオンの蕾に止まって休むオオセイボウ14/05/2019 - 0 Comments
  • セマルトラフカニグモ(蜘蛛)幼体の遊糸飛行18/03/2011 - 0 Comments
  • 深夜の溜め糞場ではしゃぎ回り格闘遊びをする2頭のホンドタヌキ幼獣【トレイルカメラ:暗視映像】27/01/2023 - 0 Comments
  • クズの蔓を採食するニホンザルの群れ28/07/2012 - 0 Comments
  • アカオニグモ♀a(蜘蛛):垂直円網の失敗作?【暗視映像】03/01/2016 - 0 Comments