2023/09/05

中州横の雪原の溜め糞場へ夜な夜な排便に通う雪国のホンドタヌキ♀♂【トレイルカメラ:暗視映像】




2023年2月中旬
中洲横の雪原でホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞場wnを自動撮影カメラで監視していると、三夜連続でタヌキが訪問していました。 

シーン1:2/11・午後22:10・(@0:00〜) 
単独行動しているタヌキが夜霧が立ち込める晩にニセアカシア立木の根元で雪に埋もれた溜め糞場wnに跨がり、奥を向いて(北向き)排便していました。 
横を向くと、霧の中でも、片目(右目)が白く爛々と光って見えます。 
その後タヌキは雪原を右上に(下流へ)立ち去りました。 


シーン2:2/11・午後22:23・(@0:42〜) 
12分後になぜかトレイルカメラが起動すると、霧が晴れていました。 
カメラ本体の発熱でレンズの結露が飛んだのかな? 
画面の左下の雪面に突如出現した新しい落枝によって監視カメラが誤作動したようです。 

溜め糞場wnの雪面にさきほどタヌキが排泄したばかりの新鮮な糞が黒々と見えます。 
ホカホカの糞が冷めるまで、雪面を溶かしながら糞は少し沈降していました。 


シーン3:2/12・午後23:17・(@0:49〜)
翌日の晴れた深夜、タヌキが♀♂ペアで登場しました。 
昼間は気温が上がって溶けるので、雪面がボコボコしています。 
先行する個体sが前回と同じく、ニセアカシア立木の根元にある雪上トイレに跨ると、右(北東)を向いて排便しました。 
用を足している最中に、パートナーの後続個体bが河畔林を歩いて左からやって来ました。(@1:15〜) 
後続個体bは溜め糞場wnには立ち寄らず、♀♂ペアと思われる2頭abが連れ立って右上(下流)に立ち去りました。 
放射冷却現象で雪面は固く凍結し、タヌキは足が雪面に潜ることなく楽々と歩くことができます。 


シーン3:2/13・午前2:39・(@1:25〜) 
約3時間20分後、日付が変わった未明にまたタヌキが来て、溜め糞場wnの匂いを嗅いでいました。 
前回のペアのうち排便しなかった方の個体が便意を催して戻って来たのか、あるいは単独行動の別個体かもしれません。 
(個体識別ができていません。)

やがて奥を向いて(北向き)排便を始めました。 
食料の乏しい冬はどうしても便秘になるらしく、コロコロとした丸く小さな糞が雪面に転がり落ちました。 
もしもその状態の丸い糞粒を冬のフィールドで見つけたら、ノウサギの糞と見分けがつくでしょうか?

その後は右上(下流)に立ち去りました。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 



キジ♂が雪原を闊歩しながら初鳴き♪(冬の野鳥)ぐぜり?警報鳴き?

 

2023年2月下旬・午後14:25頃・晴れ 

雪で埋もれた郊外の畑からケッケッケ…♪という鳴き声がします。 
鳴き声の主はキジ♂(Phasianus versicolor)でした。 
辺りをキョロキョロ見回しながら雪原をゆっくり歩き、ケッケッ♪と鳴き続けています。 
固く凍結した雪面に新雪がうっすらと積もっていて、その上にキジ♂の足跡が浅くきれいに残ります。 
雪原を横断したキジ♂は、無雪の車道に降りたようですが、住宅地の死角に消えて見失いました。 

これが今季のキジの初鳴きでした。 
雪国の厳しい冬が終わりを迎え、これからキジの繁殖期が始まります。 
ケッケッケッ♪と繰り返す鳴き方はあまり聞いたことがありませんが、いかにも不完全で下手糞な鳴き方です。 
ケンケーン♪と本格的に鳴いて縄張り宣言する前に、鳴き方を練習しているのでしょう。 
日照時間が長くなり、衝動の高まりで鳴き始めた、というべきでしょうか。 
あるいは変声期の若鳥♂なのかな? 
ある種の若鳥や繁殖期以外の成鳥が出す不規則な小さな鳴き声を「ぐぜり」と呼びます。 


【追記】
この奇妙な鳴き方について、キジの専門家が別の見解を示している記事を見つけました。
WEB版よりもPDF版の方が詳細に記述されています。)
林暁央「バードリサーチニュース 生態図鑑 キジ」Bird Research News Vol.14 No.1 2017.1.5.より引用
ケッケッケッ(警報鳴き・Alarm call):他の雄がなわばりに侵入した時や危険な状況になった時に鳴く. 
言われてみるとそうかもしれませんが、今回の動画を見て分かるように、撮影時には手前の立木のせいで私の視界が限られていました。
被写体となったキジ♂の視線の先に別個体♂がいたかどうか見定められませんでした。
また、キジ♂の足取りがゆっくりしていたので、リラックスしている(危険を感じていない)と判断しました。
もし危険を感じたら、走ったり飛んで逃げたりするはずです。

という訳で、素人ながら私の「ぐぜり説」も今のところ捨てがたいので、両論併記しておきます。

繁殖期のキジ♂がケンケーン♪と鳴きながらドドドド♪と力強く羽ばたく母衣打ち(ドラミング)を専門家は囀りさえずりとは言わないそうです。
そもそもキジはキジ目に属し、歌わない鳥に分類されています。
♂が歌う(囀るさえずる)鳥はスズメ目(鳴禽類)に属する小鳥たちです。
キジ♂の母衣打ち行動は、雛や幼鳥の時期に見聞きして学習する必要がない本能行動です。
ということは、ケンケーン♪という鳴き声は「ぐぜり」で自主練する必要がないかもしれません。
つまり、ケッケッケ…♪という未熟な(下手糞な)ぐぜりを経てケンケーン♪という勇壮な鳴き方になる、という私の仮説は怪しくなりました。
この点に思い至り、急に「ぐぜり説」への自信がなくなってきました。
キジ♂を雛から育ててみれば鳴き方の変化を検証できるはずですが、残念ながら野鳥の飼育は法で禁じられています。
もし「ぐぜり説」が正しければ、この時期にあちこちで同様の鳴き声が聞こえるはずです。

キジ♂のぐぜり?を声紋解析してみる

いつもの手順で、オリジナルの動画ファイルから音声をWAVファイルに抽出してから、ノイズの少ない部分を適当に2箇所切り出し、スペクトログラムを描いてみました。





2023/09/04

中州横の雪原で夜に獲物を探す冬毛のホンドテン【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年2月中旬・午後20:55頃

河畔林で中洲横の雪原に残されたタヌキの溜め糞場wnを自動センサーカメラで見張っていると、ある晴れた晩に冬毛のホンドテンMartes melampus melampus)が登場しました。 
画面の左端で、雪に埋もれかけた藪の中(枯れたクズの群落)に頭を軽く突っ込みました。 
野ネズミなどの獲物を探し歩いているのでしょう。 
急に身を翻して右上へ(下流へ)走り去りました。 

固く凍結した雪面にうっすらと新雪が積もっているだけで、テンが駆け回っても足がほとんど潜りません。 
足跡が薄く雪面に残るだけです。 
動画の冒頭で雪原を右から来たテンが残したように見える目立つ足跡は、実はこの日の早朝に来た別の動物による古い足跡です。 
そのときはカメラの起動が遅れて動画撮影に失敗しましたが、ノウサギの足跡かもしれません。 

1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:09〜) 
左右の足を揃え、2+2足で尺取虫のように飛び跳ねて走ります。 
※ スロー映像のみ動画編集時に自動色調補正を施しています。 

今回のテンは、雪に埋もれたタヌキの溜め糞場wnには全く興味を示しませんでした。 
同じ流域で数百m下流へ行った地点にある別の溜め糞場bLでは、ホンドタヌキとホンドテンが溜め糞場を共有していたのに、いつもそうとは限らないようです。

ちなみに、テンが立ち去ってから12分後にノウサギが現れました。
もしニアミスしていたら、ノウサギはテンに狩られていたかもしれません。


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