2023/07/14

わざと様々な物音を立てて威嚇誇示するニホンザル♀♂

 



2022年11月下旬・午後15:45頃・くもり

黒い首輪を装着したニホンザル♂(Macaca fuscata fuscata)が山麓の水路橋を渡り始めました。 
グレーチングの上を走る足音がガンガン♪と辺りに響き渡ります。 
横の手摺を伝って静かに渡ることも可能なのに、わざわざガンガン♪騒音を立てて渡るということは、私に対する威嚇誇示(ディスプレイ)なのかもしれません。 
谷の対岸に辿り着くと、振り返ってこちらを見ています。 

次に、♀が水路橋を渡り始めました。 
交尾直後らしく、尻に白い精液痕が付着しています。 
この♀個体は手摺を伝い歩きして水路橋を静かに渡っています。 
途中で立ち止まって手摺に座り、こちらを振り返りました。 
そのとき1羽のヤマガラSittiparus varius)が鳴きながら飛来し、手前の手摺に止まりました。(@0:38〜) 
水路橋を渡り終えた♀成獣が対岸の袂に座ってこちらを見ています。 
辺りを見回してから、なぜか再び水路橋の手摺を伝い歩いて此岸に戻り始めました。 
後続の仲間がついて来ないので、迎えに来たのかな? 
それとも、まさか私から給餌してもらえると期待しているのでしょうか? 
猿害の原因になるので、野生ニホンザルに出会っても給餌してはいけません。
餌付けしなくても野生ニホンザルの撮影観察は可能です。 
♀は水路橋を渡り切ると、閉じていた扉を両手でガタガタと激しく揺らしました。 
そんなことをしなくても、ニホンザルは閉じた扉をひょいと乗り越えることが出来るはずです。 
わざと騒音を立てるのは、私に対する威嚇誇示でしょう。 

関連記事(10年前の撮影)▶ 野生ニホンザル幼児が鉄扉を揺する誇示行動

ニホンザルの♂だけでなく♀も威嚇誇示するとは知りませんでした。 
発情期はテストステロンの血中濃度が高いのかな?(素人の勝手な想像です) 
ニホンザルが人工物を使って威嚇誇示するのは動物園でしか見たことがありません。
その動きで閉じていた扉が開きました。 (「開けゴマ!」)
♀は扉の隙間をすり抜けて、此岸のコンクリートに座り込みました。 

つづけて黒い首輪を付けた♂も対岸から水路橋の手摺を伝い歩いて此岸へ渡り始めました。 
遊動するニホンザルの群れが水路橋を右往左往していることになり、どこに行きたいのか何がしたいのか目的が全く分かりません。 
しばらくすると、首輪♂が先導して♀も一緒に水路橋を対岸へ渡り始めました。 
今回、首輪♂は途中で手摺から下りてグレーチングの上を歩き去ります。 
水路橋の途中に座り込んでいた子ザルを♀♂成獣は追い越して行きました。 

次にニホンザルが披露した予想外の行動に私は驚きました。
左の手摺に座っていた♀が急に左へジャンプして(@3:03〜)、谷に自生する落葉高木(樹種は手前がミズキ、奥がクリ)に飛び移ったのです。 
すぐに元の手摺に飛び移りました。
水路橋で殿しんがりを務めていた子ザルおよび対岸から走ってきた♀成獣も同様に、左の高木に飛び移りました。 
落葉樹をザワザワと激しく揺すって威嚇誇示しています。
 
関連記事(7、11年前の撮影)▶

樹上から再び水路橋の手摺に戻ると毛繕い。 

仲間の木揺すり行動を首輪♂が此岸の袂に座って眺めています。 
私に背を向けて毛繕いを始めました。 
おもむろに立ち上がると、首輪♂は水路橋の手摺を伝って対岸に移動開始。 
その途中で首輪♂がくしゃみをしました。(@5:29〜) 
風邪気味なのかな? 
後ろ姿で股間の睾丸が目立ちませんが、ズームインで確認できました。 

今回ニホンザルの群れと遭遇した当初は計5頭いたはずなのに、いつの間にか1頭が行方不明になっていました。 
水路橋で右往左往したりわざとうるさい物音を立てたりしていたニホンザル達は、迷子になった仲間を探し歩き、合流できるように物音を立てていたのかもしれません。

最後に、水路橋と高木との間を身軽に飛び移り、枝を揺する様子を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@5:52〜) 
手前の看板が邪魔ですけど、野生動物の身体能力に惚れ惚れします。


電線に並んで鳴く♪ハシボソガラスの幼鳥(野鳥)

 

2022年8月下旬・午後14:20頃・くもり 

郊外の住宅地で道端の電線にハシボソガラスCorvus corone)が2羽並んで止まり、変な声で鳴いていました。 
心なしか幼い鳴き声に聞こえるのですが、逆光で下から見上げても嘴の内側の色が見えず、幼鳥の確証が得られません。 (カラス幼鳥の口内は赤いはず)
近くからカメラを向けても逃げなかったので、やはり幼鳥ではないかと思います。 
下の車道を車が走っても、私が近くから見上げるように長撮りしても逃げませんでした。 
おそらく巣立ったばかりの幼鳥の兄弟姉妹が、親鳥からの巣外給餌を待っているのでしょう。 

やがてケーブルから隣のケーブルや電柱の天辺に飛び移りました。 
その際に、1羽が少量の白い糞を排泄しました。(@0:37〜) 

少し離れた電線にもう1羽居ました。 
この個体も幼鳥(三羽烏)なのか、それとも親鳥(成鳥)が幼鳥2羽を見守っているのか、どちらでしょう?

2023/07/13

河畔林に給餌したオニグルミ堅果を夜な夜な持ち去る野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年11月下旬 

河畔林でタヌキの溜め糞場rvを自動撮影カメラで見張っていると、ときどき野ネズミ(ノネズミ)も登場します。 
この地点でもオニグルミ堅果を給餌して、野生動物の貯食行動を観察することにしました。 
現場近くには実際オニグルミの木も自生しているので、それほど不自然な状況ではありません。 
本当はタヌキの溜め糞場から離れた場所で給餌するべきなのですが、所有するトレイルカメラの数が限られているので、2つのプロジェクトを同時進行でやることにしました。 
画面を時計盤に見立てたときに、12時と2時の位置にある林床の黒々とした場所がタヌキの溜め糞です。 
排便に来たタヌキがオニグルミの堅果を見つけたらどんな反応をするのかも、興味があります。 

トレイルカメラで林床の給餌場/溜め糞場を終日監視すると昼間は風揺れなどで誤作動が頻発するので、夜間のみ(午後17:00〜午前6:30)暗視動画で1分間撮影するように設定しました。 
したがって、もし昼間にリスが来てクルミを持ち去っても、記録されないことになります。 
予め果皮を剥いたオニグルミの堅果40個を山盛りにして、ニセアカシアの根際に置きました。 
夜行性の野ネズミがいつも通り道としている落枝のすぐ横なので、すぐに見つけてくれるはずです。 
これまで山林で同様のオニグルミ給餌実験をしてきましたが、そこではローアングルで撮影していました。 
ここ河畔林ではハイアングルで撮影するようにしたら、また新鮮な映像になりました。 


シーン1:11/25・午後20:59・(@0:00〜) 
給餌した当日の晩に野ネズミが早速登場しました。 
早速クルミを1個選ぶと、口に咥えて右上(南西)に持ち去りました。 

真上から見下ろすように設置したトレイルカメラが毎回起動する度にノイズを発しているのか、初めのうち野ネズミは警戒しているようです。 
やがて慣れてくれて、繰り返し給餌場に通って来るようになりました。 
林床での探餌徘徊行動は無くなり、餌場にまっしぐらに戻ってきます。 
溜め糞場で採食する行動もしなくなり、クルミを持って溜め糞場を横切ります。 

オニグルミ堅果は、大きさも重さも野ネズミが運べる荷物の限界サイズなのでしょう。
運搬途中にときどき落としてしまいますが、拾い直して持ち去ります。 
欲張って大きなクルミを運ぼうとすると、途中ですぐに落としてしまいます。 
餌場でクルミを2、3個吟味してから持ちやすい小さな堅果を選ぶようになりました。 
餌場では選り取り見取りなので、野ネズミが迷って選んでいる間にクルミの山が崩れてしまいます。 

野ネズミは持ち去ったオニグルミ堅果を河畔林のあちこちに埋めて貯食し、長い冬を乗り切るための食料とするのです。 
1個ずつ違う場所に貯食するはずなのに、初めのうちはクルミを持ち去る方向がいつも同じでした。 

この日は計5回写りました。 
個体識別ができないので、何匹の野ネズミが通っているのか分かりません。 
もしも複数個体の野ネズミが餌場で鉢合わせしたら大喧嘩になるはずですから、同一個体が通っている気もします。 


シーン2:11/26・午前1:19・(@1:27〜) 
日付が代わっても野ネズミは深夜の給餌場にせっせと通います。 

いつもと違う不思議な行動をする回がありました。(@2:53〜3:22)
画面右下から餌場に戻って来た野ネズミが「宝の山(クルミ)」の存在に気づいたはずなのに、なぜか右下の林床に戻って探餌徘徊を続けます。 
クルミの食べ方を知らない若い別個体なのかな? 
警戒心が強い個体で怪しい罠だと思ったのでしょうか?  
それとも、餌場に通っている先客が匂い付けで占有権を主張しているのでしょうか? 
色々と妄想が膨らみますが、野ネズミを一時捕獲して個体標識しない限り、結論は出そうにありません。 
残念ながら素人が許可なく野ネズミを捕獲してはいけないことになっているので、お手上げです。 
その次の回からは、従来の運搬ルートでクルミを持ち去るようになりました。 

林床に転がっている落枝を伝って右にクルミを運び去ることがありました。 
新しい運搬ルートに変わったので、別個体の野ネズミなのかな? 
心なしか体格も小柄な気がします。 (気のせいか?)
落枝を橋のように使うと持ち歩くクルミが地面の落ち葉に引っかかったりしないので、楽に運べるのかもしれません。 
その後はもっぱら落枝の新ルートでオニグルミ堅果を運ぶようになりました。 

クルミを咥えたまま貯食場所を探して落ち葉に覆われた林床をうろつくことがありましたが、監視カメラの画角内では貯食してくれませんでした。 

急に今までとは逆の方向へクルミを運ぶようになりました。(@8:34〜) 
落枝を伝って左へ(川岸へ)向かいます。 
どうやらクルミを隠すエリアを変更したようです。 

給餌場に来る間隔が開くときがあるのは、どこか安全な隠れ家(巣穴)で休憩・食餌していたのでしょう。 

しばらくすると、再び落枝を伝って餌場の右へクルミを持ち去るようになりました。 

後半になると餌場にはもう野ネズミが運びにくい大きなクルミしか残っていません。(@11:29〜) 
諦めて給餌場を離れ、他の餌を求めて林床をうろつき始めました。 
この行動も気になります。 
私は映像から自信を持って野ネズミの種類を同定できません。 
山の野ネズミは大きなクルミも運べたのでアカネズミ、川の野ネズミは小さなクルミしか運べないのでヒメネズミ?という乱暴な仮説を立ててみました。 
ヒメネズミはクルミの食べ方を知らない(歯が立たない)のだとしたら、この個体は若くて小柄なアカネズミなのかな? 

たった一晩の撮影でカメラの電池が消耗してしまいました。 
明け方の低温で電圧が低下したのかもしれません。 
録画が切れ切れになってしまいます。 

夜明け前に野ネズミが給餌場に来たのは午前5:48が最後でした。 
日の出時刻は6:27。 
お疲れ様でした。 
帰巣して寝たようです。 

同じ日の日没後に野ネズミが貯食活動を再開しました。
日の入り時刻は16:25ですが、給餌場に現れたのは午後18:35でした。 
寝る前の出来事をしっかり記憶していて、迷わず餌場に出勤しました。 
前夜と同じルートでクルミを運びます(落枝を伝って右へ)。 

夜が更けると小雨(みぞれ?)がぱらつくようになりました。 
それでも野ネズミは平気で給餌場に通い、クルミを運び続けます。 
トレイルカメラが古い機種なので気温データが取得できませんが、明け方はかなり冷え込むはずです。 


シーン3:11/27・午前0:24・(@16:16〜) 
日付が変わって3日目の夜になりました。 
午前0:31に最後のクルミを給餌場から持ち去りました。 




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