2023/05/05

夜の林床で虫に跳びついて捕食するカエル【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年10月中旬・午後20:50頃 

山林のカラマツの木の下にドングリを給餌して、何が来るか自動撮影カメラで見張っています。 
画面下の赤丸で示した場所に注目して下さい。 
雑木林の斜面に生えた幼木の葉の背後から黒っぽい小さなカエルがゆっくりと這い出て来ました。 
目だけが白く光って見えます。 
斜面をノソノソと登っていたカエルが急にジャンプしました。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイしてみると(@0:40〜)、どうやら林床で活動する黒い小さな虫に向かって一気に跳びついたようです。 
カエルは暗い夜でも目が見えることになります。
てっきり網膜にタペータムがあるのかと思って調べたら、どうもカエルには無いらしいので不思議です。

カエルは、本来「明所での視覚」に関わる光センサー(光受容タンパク質)の性質を、わずか1アミノ酸の置換によって「暗がりでの視覚」に適した性質に変化させている。

動画のカエルの種類は何でしょう?
なんとなくアズマヒキガエルBufo japonicus formosus)の若い個体ではないかな?と思うものの、定かではありません。
カエルは変温動物ですから、トレイルカメラの前で動き回っても本来ならカメラのセンサーに動体検知されません。
今回は恒温動物の野ネズミが横切ったおかげでカメラが起動し、たまたまカエルの捕食行動を記録してくれました。



2023/05/04

ホンドタヌキが夜な夜な通う溜め糞場にコウモリも飛来【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年10月中旬

里山の杉林道にある溜め糞場sに通ってくるホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の記録です。

シーン1:10/11・午後22:56・気温12℃ 
自動撮影カメラの起動が遅れたのか、林道の右に突然タヌキが現れました。 
珍しく林道を逸れて横の法面(斜面)の獣道を勢い良く駆け上がり、姿を消しました。 
その直後に右から溜め糞場を目がけて突っ込むようにコウモリが飛来し、溜め糞の真上で急旋回して右へ引き返していきました。 
タヌキとコウモリがほぼ同時に(入れ替わるように)トレイルカメラに撮れたのは初めてです。 
今回タヌキがいつもとは違う巡回ルートを辿ったのは偶然なのか、それともコウモリの飛来と関係あるのでしょうか?
コウモリがエコロケーションのために発する超音波をタヌキの耳は聞きとれるのかな?

溜め糞場に集まる虫をコウモリが狩りに来たのなら面白いのですけど、どうでしょうか? 
1/3倍速のスローモーションでリプレイしてみると(@0:08〜)、林道を飛ぶ夜蛾を追いかけて飛び回っていたようです。 
コウモリが狩りに成功する決定的瞬間を動画に撮るには、よほどの幸運に恵まれないといけないようです。 
夜蛾の種類によってはコウモリの超音波を聞くと上手く回避する特別な飛翔戦術を駆使するらしいので、その攻防戦が撮れたら最高です。
しかし動画を録画するフレームレートが25fpsしかないのでは、コウモリの素早い動きを滑らかに記録できそうにありません。 
トレイルカメラの暗視映像でも、せめて30または60fpsは欲しいところです。 
今後の技術開発に期待します。 


シーン2:10/12・午後17:58・気温12℃ (@0:19〜) 
とっぷり日が暮れた晩にタヌキが右から登場。 
(ちなみに、日の入り時刻は午後17:09。) 
溜め糞場sの手前で立ち止まって、スギの落ち葉が敷き詰められた林道の匂いを嗅ぎ回っています。 
少し迂回しながら左へ立ち去りました。 


シーン3:10/16・午後23:58・気温14℃ (@0:42〜) 
いつものように林道を右から歩いて来たホンドタヌキが足を止め、溜め糞場sの匂いをチェックしています。 
横を向いてカメラを見上げてから、左へ立ち去りました。 


シーン4:10/19・午後18:16・気温8℃ (@1:05〜) 
地面の匂いを嗅ぎながら立ち止まり、カメラ目線になりました。 
そのときスギの落枝を暗闇でうっかり踏んでしまいました。 
テコの動きで落枝の反対側がタヌキの体に触れてしまったのですが、タヌキは別にびっくりする素振りはありませんでした。 

今回も溜め糞場で排便することなく、匂いを嗅いだだけで左に立ち去りました。 
最近タヌキはここで全く排泄してくれなくなりました。 
どこか新しい場所に溜め糞場を移したのではないか?という疑念が拭えません。 

監視カメラを向ける角度を少しだけ変更しました。 
林道脇から突き出したスギ落枝にカモシカが眼下腺マーキングする行動を狙って画角を決めたので、溜め糞場sでの動向が記録されにくくなりました。 
タヌキの脱糞シーンを撮るには、画角をもう少し下げるべきですね。 
固定アングルのトレイルカメラ1台でテーマをあれもこれもと欲張るのは無理なので、どちらかに狙いを絞らないといけません。 
「撮らぬタヌキの皮算用」で強引に何か上手いこと言いたかったのですが、思いつきませんでした…。



イチモンジセセリの求愛と交尾拒否@クルマバナ花

 



2022年7月中旬・午前11:30頃・晴れ 

休耕田に咲いたクルマバナの花でイチモンジセセリ♀(Parnara guttata)が吸蜜していると、同種の♂が飛来して♀の背後に止まりました。 
体格は♀>♂で、♂の方が小型でした。 
腹端の形状や毛束の有無でもイチモンジセセリ♀♂の性別を見分けられそうです。 

♀の背後から♂は前脚で♀の翅を触れました。 
この行動は同種であることの最終確認なのか、それとも求愛行動の一環なのかな? 
♀は閉じた翅を小刻みに震わせて交尾拒否の意思表示をしました。 
私はイチモンジセセリ♂の求愛が成就して交尾に至る例を未だ観察できていないのですが、♀は♂を受け入れると翅を広げるのではないかと予想しています。

関連記事(2、5、9年前の撮影)▶ 


イチモンジセセリ♂が少し飛んで♀の横に移動しても、♀は無視して吸蜜を続けています。 
♀が飛んで逃げても、♂は気づいてないのか♀を追尾しませんでした。 
昆虫の世界でも♂が♀にしつこく強引に迫るとセクハラになりますが(♀にとっては大迷惑)、イチモンジセセリ♂の求愛は紳士的で♀の意思を尊重してくれるようです。 

1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:39〜)

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