2022/12/01

池に落ちて溺れそうなセンチコガネをアメンボは襲うか?

 

2022年8月上旬・午後14:15頃・晴れ 

山中の泉に落ちたセンチコガネPhelotrupes laevistriatus)が水面でもがいていました。 
(泳ぐ能力を調べるようと池に放り込んで実験した訳ではなく、偶然の観察記録です。) 
 陸生のセンチコガネの足には水掻き用の毛が密生していないので、泳ぎは下手糞です。 
水面でいくら手足を動かしても前に進みません。 
水中に沈まないのは、浮力があるというよりも、表面張力が強く働いている印象です。
関連記事(同日の撮影)▶ オオセンチコガネ♂の水難事故
2.5時間前に別の場所で観察したオオセンチコガネが水溜りで水没していたのと対象的です。
センチコガネの体表はオオセンチコガネよりも撥水性が高いのでしょうか? 

里山の湧き水(地下水)が溜まっている浅い泉で日当たりの良い場所の水中には緑の藻が少し繁茂しています。 
池に落ちたセンチコガネの足に緑藻が絡まっているのかと思ったのですが、私の勘違いでした。 

水面に広がる波紋を感知したアメンボ(種名不詳)が数匹近寄って来ました。
センチコガネに触れたものの、獲物として襲うことはなくアメンボは離れて行きました。 
体格差があるので獲物として手強いとアメンボが判断したのか、それとも体表が鎧のような硬いクチクラで覆われている甲虫にはアメンボの口吻が突き刺さらないのでしょう。 

このままでは岸に辿り着けないまま溺れそうなので、センチコガネを救出してやりました。
池にアメンボ以外の捕食者(カエルなど)がいれば、そのまま成り行きを見守ったかもしれません。
夕方に水浴しに来る野鳥が水面のセンチコガネを見つけて捕食するシーンがトレイルカメラに撮れたかな? 

「お魚観察ケース」で池の水ごとセンチコガネをすくってやると、水温が低いので透明プラスチック容器の表面がすぐに結露してしまいます。 
水滴を拭いても拭いてもすぐに曇ってしまい、容器越しの撮影は諦めました。 
容器側面に定規の目盛が刻んであったのに、ピントが合わずセンチコガネを採寸できませんでした。
後で落ち着いて考えれば、水を捨ててからじっくり撮影するべきでしたね。 
水に洗剤(界面活性剤)を垂らしてセンチコガネが水没すれば、表面張力で浮いている説が実証されたことになるでしょう。

この日は山中で溜め糞が見つからなかったので、センチコガネも家に持ち帰って飼育してみます。 
(溜め糞があれば、拾った糞虫を放って行動を観察するつもりでした。)
この個体の性別は?


さて、同じ日に糞虫(オオセンチコガネおよびセンチコガネ)の水難事故を2件も目撃したのは果たして偶然でしょうか? 
現場付近を探しても、糞虫を誘引する獣糞は落ちていませんでした。 
水に落ちる瞬間を見ていないのですが、岸辺を歩いていてうっかり池に落ちてしまったのか、それとも飛来したセンチコガネが池の眩しい水面を地面と見間違えて無謀な着陸をしたのでしょうか? 
昆虫採集の特殊なテクニックのひとつに、イエローパントラップ(黄色水盤)という方法があります。 
水を入れた皿を野外に放置しておくと、飛来した昆虫の中にはなぜか勝手に水に飛び込んでしまう者がいて、抜け出せなくなるのだそうです。 
黄色の皿を使うのが最も効果的らしい。(黄色に誘引される) 
今回の池には緑藻が少し繁茂しており、飛んできた虫には水面が黄色っぽく見えそうです。
しかしネット検索してみても、黄色水盤で糞虫がよく採れるという情報は得られませんでした。 
虫好きの教養として知っているだけで、自分で実際に試したことはありません。 
もしかすると糞虫の新たな採集法としてパン・トラップが有効かもしれず、調べてみる価値がありそうです。

2022/11/30

溜め糞場の下草に軽くスクワットマーキングしただけで通り過ぎるニホンアナグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年8月上旬・午後20:13・気温25℃
前回の記事:▶ 溜め糞場で排便後にスクワットマーキングするニホンアナグマ♂(アルビノ?・跛行)【トレイルカメラ:暗視映像】

ニホンアナグマMeles anakuma)がスギ林道の緩やかな坂を右から登って来ました。 
いつものアルビノっぽい♂ですが、素人目には後脚の跛行がだいぶ改善されている気がします。 
先天的な股関節の異常とかではなく、例えばノイバラの棘を暗闇で踏んでしまったなどの軽い負傷が回復したのでしょう。 

アナグマはスギ大木の根元を通り過ぎながら、下草に軽く尻の臭腺を擦り付けました。 
今回のスクワットマーキングはいつもよりお座なりに見えます。 
タヌキと共有している溜め糞場sで今回は排便することなく、足早に左へ立ち去りました。 
つまり、便意が無くてもとりあえず縄張りの匂い付けは欠かさないようです。


コウモリが飛来する夜の池でカエルがトレイルカメラを相手に「だるまさんが転んだ」【暗視映像】

 

2022年8月上旬
前回の記事:▶ 霧の立ち込める夜も池を飛び回るコウモリの群れ【トレイルカメラ:暗視映像】

トレイルカメラで山中の泉を見張っていると、いつも通り、夜になるとコウモリが飛来しました。 
今回の注目ポイントは夜行性コウモリの飲水行動ではなく、水面下に潜んでいるカエル(種名不詳)です。 
カエルは変温動物ですから、水中で動き回ってもトレイルカメラが熱源として動体検知することはありません。 
たまたま恒温動物のコウモリが飛来してカメラが起動したときに、水中のカエルが一緒に写っていたのです。
音量を上げてみても、カエルの鳴き声は録音されていませんでした。 

シーン1:午後19:22・夜霧 
冒頭の赤い丸に注目して下さい。 
夜霧が立ち込める池の水面からカエルが顔を出しているようで、両目が暗視カメラの赤外線を反射してギラギラと光って見えます。 


シーン2:午後19:38・霧が減少 (@0:23〜) 
約15分後にコウモリが飛来すると、池のカエルがいつの間にか少しだけ前進していました。
カメラが録画中には、カエルは水中でじっとしています。


シーン3:午後19:44・霧が晴れた 
コウモリが水場の上空を低く飛び回っても、池のカエルは無反応で瞬き一つしません。 


シーン4:午後19:48・晴れ 
カエルに動きなし。


シーン5:午後19:49・晴れ 
カエルに動きなし。


シーン6:午後19:57・晴れ (@1:24〜) 
水中のカエルがいつの間にか再び前進して、落枝の手前まで来ていました。 
まるでカエルがトレイルカメラを相手に「ダルマさんが転んだ♪」をして遊んでいるようです。(イカゲームならぬ、カエルゲーム! )
夜行性カエルの遊泳シーンが記録されていなかったのが残念です。 

ちなみに、午後20:23にコウモリが飛来した時には、池のカエルは居なくなっていました。(映像は割愛) 
おそらく此岸に上陸したのでしょう。 

※ 霧が立ち込める冒頭のシーンのみ動画編集時に自動色調補正を施しています。



 

Netflixで大ヒットしたドラマ『イカゲーム』で登場したように、韓国でも「ダルマさんが転んだ♪」と同じ子供の遊びがあります。
鬼は韓国語で「무궁화 꽃이 피었습니다」(むぐんふぁ こち ぴおっすむにだ:=ムクゲの花が咲きました)と言ってから振り返ります。 
英語圏では、鬼が「Red light, Green light」(=赤信号、青信号)と言って遊びます。 

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