2022/03/07

食草の葉表に次々と産卵するスジグロシロチョウ夏型♀

 

2021年8月下旬・午前9:20頃・晴れ  

山麓の沢沿いの湿った山道でスジグロシロチョウの夏型♀(Pieris melete)が産卵していました。 
わだちが水浸しになった山道を低空で飛び回っています。 食草(おそらくアブラナ科)の葉に止まると直ちに腹部を前方に少し曲げ、葉表に産卵しました。 
白い卵を1粒ずつ産みつけています。 
スジグロシロチョウ夏型♀は産卵を続けて疲れたのか、道端で倒伏した植物(草刈りした後)に止まって休みます。 
翅を半開きで日光浴する間に翅表の斑紋からスジグロシロチョウと判明しました。 
しばらくすると、産卵活動を再開しました。 
山道を低空で忙しなく飛び回り、あちこちで食草の葉に触れてチェックすると1粒ずつ産卵して回ります。 

産卵行動で気づいた点としては、 
・食痕がある葉も避けない。(@1:25) 
・必ず葉表に産み付ける。 
シロチョウ類の♀は食草の葉裏に産卵するというイメージを私は持っていたので、その点はとても意外でした。 
関連記事(11年前の撮影@同所:葉裏に産卵)▶ スジグロシロチョウ♀の産卵
今回のように食草が若くて背丈が低い場合は、葉表に産卵するのかな? 
食草の植物に花が咲いていなかったので、種類を同定することができませんでした。 

こんなに目立つ葉表に無防備に産卵して大丈夫なのかと心配になります。 
天敵(捕食者・寄生者)対策は特に何もしていないようですけど、大量の卵をあちこちに分散して産みつける戦略なのでしょう。 
気温の高い真夏は産卵後すぐに孵化するのかもしれません。

食草1株に卵を1個だけ産むのは、孵化した幼虫同士の競合・共倒れを避けるためと思われます。 
かなり若い葉でも気にせず産卵していたのですが、幼虫が食べ尽くして食草不足になったら群落内を自力で移動するのでしょう。

食草ごと卵を採集し、飼育したかったのですが、他にもあれこれ手を広げ過ぎていた私には余力がありませんでした。 

2022/03/06

ヤマフジの蔓を木登りする野ネズミはヒメネズミか?【暗視映像:トレイルカメラ】

前回の記事:▶ 夜の林床で追いかけっこする2匹の野ネズミ【暗視映像:トレイルカメラ】

2021年11月下旬・午後17:55・気温2℃(日の入り時刻は午後16:23) 

今回はささやかながら重要な発見がありました。 
河畔林の林床で餌を探し求めて徘徊していた夜行性の野ネズミ(ノネズミ)が、奥に見えるフジの蔓を少し登ったのです。(@0:39〜0:50) 
しかし、すぐにまた地上に跳び降りてしまいました。 
その後、野ネズミは落枝を伝って林床をチョロチョロと徘徊し、タヌキの溜め糞Rを訪れました。 

相変わらず私は外見でこの野ネズミの種類を見分けられません。 
木登りしたということは、樹上性のヒメネズミと確定しても大丈夫ですかね? 
それとも、木に登るのが苦手なアカネズミApodemus speciosus)が、これ以上は無理!と諦めて飛び降りたのかもしれません。 
今のところ、トレイルカメラ(無人センサーカメラ)で撮れた野ネズミの木登り映像はこれだけです。 

野ネズミが登った木本の蔓植物は藤の仲間でしょう。 
2本の太い蔓が互いに絡み合って上に伸びています。 
蔓を下から上に辿った時に蔓の巻く向きが反時計回りであることから、フジではなくヤマフジと判明しました。 
植物図鑑によれば東北地方にヤマフジは自生しないはずなので、驚きました。 
今まで私はフィールドで見かける藤はすべてフジ(藤)だと決めつけていました。 
河川敷に移植された国内外来種なのでしょうか? 
春になって花が咲いたら念のためにもう一度確認するつもりです。
フジは果序の上から下へ順々に花が咲き、ヤマフジはいっせいに開花する。(『樹木見分けのポイント図鑑』p50より引用)

2022/03/05

河畔林の溜め糞で用を足すホンドタヌキ【暗視映像:トレイルカメラ】

前回の記事:▶ 濃霧の晩に河畔林の溜め糞で排便するホンドタヌキのペア【トレイルカメラ:暗視映像】
2021年11月下旬〜12月上旬・夜 

河畔林の溜め糞場に夜行性のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が出没する様子がトレイルカメラの監視映像に記録されていました。 
カメラの設置場所を少し変えて、前回より近くから溜め糞場を見下ろすようにしました。 
画面の奥を川が右から左に流れています。 

シーン1:11/29・午後18:35 
冒頭からタヌキがカメラ目線。 
カメラを気にしながらも腰を屈めて排便しました。 
今回は立派な固形糞でした。 
左奥にあるニセアカシア立木の匂いを頻りに嗅ぎ回ってから左に立ち去りました。 
ニセアカシアの幹に毛皮を擦りつけたような気もするのですけど、定かではありません。 


シーン2:11/29・午後20:30 
約2時間後に、タヌキが再登場。 
個体識別できていませんが、同一個体が戻って来たのでしょうか? 
画面の左上から現れ、立木の匂いを嗅いでいます。 
カメラを警戒して画面から一旦消えたのですが、画角の左外の古い溜め糞の匂いを嗅いでチェックしてるようです。 


シーン3:12/6・午前1:46 
1週間ぶりにタヌキがやって来ました。 
しかし溜め糞場には立ち入らず、立木の奥を左から右へ横切りました。 
トレイルカメラの存在を警戒しているのでしょうか?  
それとも便意がなかったり、他個体の糞の匂いが無いときは溜め糞場を素通りするのかな? 


シーン4:12/7・午前5:38 
冒頭からタヌキが溜め糞場に横向きで跨って排便中でした。 
やや緩い固形糞をボトボトと排泄しています。 
赤外線の暗視映像で今回の糞は珍しく白く写って見えました。 
古い糞は黒く写るのですが、排便直後の糞は体温で(ホカホカ)白く見えるのかな?と初めは思いました。 
しかし、これまでは排泄直後でも黒く見えていたので、何かいつもと違うメニューを食べたせいで糞の色が変わったのでしょう。 
(例えば獲物を骨ごと食べて、糞に含まれるカルシウムが多いとか?)

シーン5:12/10・午後18:43 
うっすらと霧が立ち込めています。 
タヌキが溜め糞の匂いをじっくり嗅いでから古い糞を跨いで排便姿勢になりました。 
タヌキは不潔な糞を足で踏んでも気にしない、というのが私にはちょっとした驚きでした。 
カメラのバッテリーが消耗しているせいで、撮影が途切れてしまいました。 
 30秒後にトレイルカメラが再起動すると、用を足したタヌキが立木の奥に歩き去る後ろ姿が写っていました。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。





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