2021/10/01

タヌキの溜め糞にオシッコをかけて吸い戻しをするキバネセセリ♂


2021年7月中旬・午後15:20頃・晴れ 

里山の山道にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が残した新鮮な溜め糞を見つけました。 
周囲はスギ林で、ちょうど溜め糞のある位置が日だまりになっていました。 

ハエ類に混じって1頭のキバネセセリ♂(Bibasis aqulina chrysaeglia)も来ていました。 
「うんちレストラン」の常連客です。 
(キバネセセリの)♂は吸水性が強く、路上や川原、崖などの湿った場所で集団で吸水するほか、樹液や獣糞などにも集まる。( 『フィールドガイド日本のチョウ』p275より引用)
翅を閉じたまま茶褐色の口吻をチロチロと小刻みに動かして、獣糞の表面をひたすら舐めています。 
性成熟に必要なナトリウムイオンやアンモニウムイオンなどのミネラル成分を摂取しているのだそうです。
関連記事(13年前の撮影@ツキノワグマ?の糞)▶ 獣糞に集まるキバネセセリ
獣糞がときどき動くのは、溜め糞の下に潜り込んだ糞虫の活動によるものです。 
(糞をほじくって確認すべきでしたね。) 
足元が地殻変動しても、吸汁に夢中のキバネセセリ♂は逃げようとしません。 

獣糞を吸汁しているキバネセセリ♂の腹端の動きに注目して下さい。
ときどき腹部を前方に曲げて腹端から透明な液体をポタリと排泄しています。 
自分のオシッコで獣糞の表面を溶かすと、口吻を伸ばしてその溶液を吸汁するのです。 
この行動はセセリチョウ科に特有の「吸い戻し」です。 
蝶の成虫の口器(口吻)は固形物のミネラルをそのまま摂取できませんから、液体に溶かす必要があるのです。

たまに飛び立っても、キバネセセリ♂はすぐに溜め糞に舞い戻って来ます。 
あちこち徘徊しながら獣糞を長々と舐め続けています。 
溜め糞の場所によって、お目当てのミネラル成分に濃淡があるのでしょう。 


柳の樹上で警戒声を発するモズ♀(野鳥)

 

2021年7月上旬・午後14:40頃・くもり 

冠水した氾濫原で私がアメリカザリガニを撮っていると、背後でモズLanius bucephalus)が喧しく鳴き騒いでいました。 
何事かと私が振り返ると、横枝に止まったモズ♀が尾羽をグルグル回しながら、キチキチキチ…♪と鋭く鳴いていました。 
ときどき素早くお辞儀するのは、飛びかかるぞ!という威嚇(ブラフ)なのかな? 
私が動画を撮り続けると、モズは枝葉の茂みの陰に隠れて鳴き続けます。 
周囲のヨシ原からオオヨシキリ♂がさえずる鳴き声♪も聞こえます。 

たまたま同じ時期に餌乞いするモズ幼鳥を撮影したばかりだったので、今回の個体も幼鳥なのかと迷いました。
関連記事(同時期に別の場所で撮影)▶ 餌乞いで鳴く♪モズの幼鳥(野鳥)
今回の個体は下嘴の根元が橙色(黒ではない)で、嘴の内部が赤っぽく見えたのですけど、改めて比較すると、餌乞いした幼鳥は口内がもっと真っ赤で嘴が鮮やかな橙色で縁取られていました。 
したがって、今回の個体はどうやら成鳥♀のようです。 
縄張り内に侵入した私に対して警戒声を発していたのでしょう。 
近くに営巣木がありそうですが、巣を見つけられませんでした。 

日本の野鳥さえずり・地鳴き図鑑』によると、
地鳴き:ギチギチギチなどと鳴く。 他の鳥よりも春早い時期に繁殖に入る。巣立ちビナがいるあたりに人やネコ、カラスが近づくと、ギチギチとうるさく鳴き騒ぐ。(p34より引用)

モズ♀の警戒声を声紋解析してみる?

2021/09/30

ネムノキで訪花・採餌するキムネクマバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年7月中旬・午後13:55頃・晴れ 

堤防の土手に自生するネムノキの灌木で多数のキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が忙しなく訪花していました。 
ネムノキの花粉を全て採り尽くした後なのか、どの個体も後脚の花粉籠は空荷でした。 
つまり、クマバチ♀たちは吸蜜に専念している事になります。 
隣の花には飛ばずに歩いて移動しています。 
夏の青空を背景にピンクのネムノキの花と黄色のクマバチの組み合わせは、なかなか絵になります。 

この組み合わせは撮影済みですけど、今回は間近でクマバチ♀の採餌行動をじっくり観察することが出来ました。 
以前の撮影ポイントは民家の庭木なので、近づけないのです。
関連記事(3年前の撮影)▶ ネムノキの花で採餌するクマバチの群れ
やり残していた宿題の240-fpsハイスピード動画も今回は撮ることができました。(@1:57〜) 
花から飛び立つ瞬間を狙って撮影します。 
風揺れに悩まされる日でも、スーパースローで見ると気にならなくなります。 

クマバチ♀はネムノキに訪花しかけても着陸をためらい飛び去ったり、花に軽く足を掛けただけで吸蜜せずに飛び去ることがありました。 
優秀なハナバチ類は、花の芳香などで花蜜の流量が予測できるのかな?

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