2020年5月上旬・午後12:02・晴れ
公園の庭に植栽されたナツグミに訪花するキムネクマバチ(Xylocopa appendiculata circumvolans)を観察していたら、盗蜜行動を一度だけ動画に撮れました。
1/5倍速のスローモーションでリプレイすると、花筒の根元に外側から口吻を突き刺して教科書通りの(典型的な)穿孔盗蜜をしていました。
雄しべや雌しべに体が全く触れないので、ナツグミの授粉に寄与しません。
ナツグミの立場からすれば、花蜜の盗られ損になります。
映像からこの個体の性別をしっかり見分けられませんでした。
この日はなぜかクマバチの雄蜂♂ばかりがナツグミに訪花していたので、この個体もおそらく♂だと思います。
後脚の花粉籠は空荷でしたが、雄蜂♂なら花粉籠という構造そのものが無いので当然ですね。
正当訪花から盗蜜行動に採餌モードを切り替えたのか、それともこの個体は盗蜜ばかりするのか、追跡して調べたいところです。
残念ながら忙しなく飛び回るために、個体標識しないと見失ってしまいます。
クマバチは盗蜜行動の常習犯なので、正当訪花で舌が蜜腺に届くナツグミの花に対しても、たまに悪癖が出てしまうのでしょう。
生まれつき舌の長さが普通より短い(変異)個体なのかもしれません。
▼関連記事(同じ日に同じ場所で撮影)
ナツグミの花で吸蜜するクマバチ♂の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】
ヒトリガ(蛾)の飼育記録#5
▼前回の記事
ニワトコの茎や葉を徘徊するヒトリガ(蛾)中齢幼虫
2020年5月中旬
ヒトリガ(Arctia caja phaeosoma)の終齢幼虫aがニワトコの若葉を蚕食する様子をマクロレンズで接写してみました。
見事な食べっぷりは惚れ惚れしますね。
胸脚は黒く、腹脚は薄いピンクでした。
幼虫と一緒に採集してきたニワトコの幼木はなぜか水揚げが悪くて、葉がすぐにクタッと萎れてしまいます。
あまり生えていないニワトコを探して頻繁に採ってくるのは大変なので、身近で調達できる別種の食樹植物に切り替えることにしました。
つづく→#6:ヤマグワの若葉を蚕食するヒトリガ(蛾)終齢幼虫【100倍速映像】

2020年5月中旬・午後14:45
川岸のサラサラした細かい砂が堆積した場所にジガバチの一種♂を見つけました。
触角で地面を探りながらその場で方向転換すると、顔色が白い雄蜂♂でした。
砂地に巣穴を掘るのかな?と期待して撮り始めたのですけど、♂は造巣しません。
もしかすると湿った砂を舐めて水分補給(ミネラル摂取)をしたのかと思いましたが、肝心の口元がよく見えません。
蜂は優性先熟(成虫♀よりも♂が早く羽化する)が多いとは言え、5月にジガバチの成虫を見かけたのは初めてかも知れません。
暖冬だった今年はよほど季節の進行が早いのでしょうか?
最後に飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
現場は平地を流れる川ですが、サトジガバチ♂(Ammophila sabulosa nipponica)とは限らず、ヤマジガバチ♂(Ammophila infesta)かもしれません。
採集して標本を精査しないと見分けられません。