2020/01/15

ホソヘリカメムシ♂を吸汁するアオメアブの飛び立ち【HD動画&ハイスピード動画】



2019年8月下旬・正午頃

川沿いの堤防と河畔林の間の小路でイネ科の葉にアオメアブCophinopoda chinensis)が止まって獲物を吸汁していました。
日差しが強いので、見る角度によっては複眼の構造色が青く見えたり赤く見えたりと非常に美しく輝いています。
褐色のカメムシの胸背に突き刺した黒くて太い口吻がはっきり見えます。
(右の前脚かと一瞬思ったのですが、確かに口吻です。)

獲物は毒液を注入されて麻酔されているのか、全く動きません。

ムシヒキアブ科:昆虫をとらえ、口吻で刺して麻酔した後、体液を吸う。 (図鑑『札幌の昆虫』p190より引用)

アングルを変えるために私が撮りながらそっと近づいてみても、アオメアブは逃げませんでした。
飛び立つ瞬間を狙ってハイスピード動画撮影240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:49〜)
前回観察したときは獲物を空中で落としてしまったのですが、今回はしっかり獲物を抱えたまま素早く羽ばたいて飛び去りました。

▼関連記事
マメコガネを吸汁するアオメアブの飛び立ち【HD動画&ハイスピード動画】


さて、餌食となったカメムシの種類は何でしょう?
オオトビサシガメと迷ったりしたのですが、後脚腿節に棘が並んでいることからホソヘリカメムシ♂(Riptortus pedestris)と判明しました。
ホソヘリカメムシは悪臭を出さないものの、蜂のように飛び、♂同士の縄張り争いでは

棘がついた後ろ足で相手をはさみつけるという方法がとられ、後脚腿節が長いものが有利になる (wikipediaより引用)
らしのですが、自慢の武器でも身を守れずあえなく捕食されてしまいました。
狩りの瞬間を見ていませんが、おそらくアオメアブが背後から不意に急襲したのでしょう。


アオメアブ:背面@イネ科葉+ホソヘリカメムシ♂捕食吸汁
アオメアブ:側面@イネ科葉+ホソヘリカメムシ♂捕食吸汁
アオメアブ:側面@イネ科葉+ホソヘリカメムシ♂捕食吸汁・全景

2020/01/13

クサガメ♂の岩登り



2019年8月下旬・午後13:44〜13:54


▼前回の記事
甲羅干しの場所が取れず泳いで探し回る巨大ミシシッピアカミミガメ

蓮池の岩場に集まった亀の中から1頭のクサガメMauremys reevesii)に注目します。
体格は小ぶりながらも全身が黒い(黄色い模様が消失)ので、♂成体です。
日当たりの良い岩を見つけて池から上陸したものの、その岩は尾根のように狭く尖っているので、見るからに居心地が悪そうです。
甲羅干ししながら瞬きしたり、長い首を甲羅に出し入れしたり、喉をヒクヒクさせたりする様子が可愛らしく思えてきます。

やがて居心地の悪い岩の上で向きを変えると、隣の大きな岩の斜面をよじ登り始めました。
その岩は日当り良好で広いものの、傾斜が急過ぎるのが難点です。
平らな一枚岩の急斜面を手足の爪を使ってよじ登り、なんとか頂上に到達しました。
斜めの岩からずり落ちそうになりつつ必死で踏ん張り、横にトラバースしています。
更に隣の平らな岩にようやく移動しました。
今度の岩は水平で面積も広いのですが、日陰になっています。
しかも巨大なクサガメ(おそらく♀成体)が先客として居座っていました。
同じ岩に乗っても特に争いは起こらず、平和にルームシェアするようです。

岩場の中でも亀の甲羅干しに適しているかどうか、それぞれの岩の評価(日照条件、面積、傾斜、先客の有無など)は一長一短で、亀は場所取りに苦労していることがよく分かりました。
今回注目したクサガメ♂が苦労して♀の居る岩まで移動したのは、もしかすると求愛の意図が多少あったのかもしれません。
ただしクサガメの求愛・交尾は水中で行われるそうです。



・(クサガメの)オスの成体は虹彩も含めた全身が黒化(メラニスティック)し[6]、斑紋が消失する[5][4]。メスも成長に伴い体色が暗くなるが、斑紋が消失することはまれ[4]。
・オスは水中でメスの吻端に頭部や前肢を擦りよせるような行動で求愛し、メスが動きを止めオスを受け入れると交尾する[7]。 (wikipediaより引用)


つづく→岩場でクサガメ♀の甲羅に乗る♂



クサガメ♂γ@蓮池:岩場-1
クサガメ♂γ@蓮池:岩場-2
クサガメ♂γ+♀@蓮池:岩場-3

湿地帯のカヤツリグサ群落で連結打空産卵するノシメトンボ♀♂



2019年8月下旬・午前10:50頃(雨の翌日で晴れ)

▼関連記事
スギゴケ?の上で連結打空産卵するノシメトンボ♀♂【HD動画&ハイスピード動画】

雨上がりの河川敷でノシメトンボ♀♂(Sympetrum infuscatum)が産卵していたスギゴケ?群落の奥(川に近い地帯)にはカヤツリグサなどが生い茂った草地が広がっていて、そこでも数組の♀♂ペアが連結打空産卵していました。

あぶれた♂が枯草の茎のてっぺんに止まって休んでいます。
縄張りを占有して♀を待ち伏せしているはずなのに、近くで産卵しているカップルの邪魔をしたり♀を強奪したりすることはありせんでした。

カヤツリグサの種類を調べたかったのですが、履いていた靴を泥だらけにしてまで湿地帯に踏み込む根性が無くて諦めました。
夏のフィールドでは長靴やサンダル履きの方が良い場合もあります。


ノシメトンボ♀♂2@連結打空産卵:カヤツリグサ群落


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