2010/12/22
オオモンクロクモバチの巣穴選定
(つづき)
オオモンクロクモバチ♀(=オオモンクロベッコウ;Anoplius samariensis)は何度もクモの場所まで戻り獲物の無事を確認してから営巣地の偵察を続けます。
獲物から離れる際、位置を記憶するための定位飛行などは見られませんでした。
もしかしてフェロモンを用いて印を付けているのだろうか。
蜂の探索範囲は舗装路と側溝に挟まれた幅135cmの細長い土手で、横には用水路が流れています。
最近草刈りされたようで、草は疎らにしか生えていません。
地面は枯れ草や根が複雑に絡み合っています。
蜂は地面に堆積した枯草、枯れ枝の隙間や穴を偵察し、適当な既存坑を探しているようです。
落ち葉の下に潜り込んだと思ったら、入った隙間とは違う穴から出てきたりします。
主に歩いて偵察しますが、ときどき短い低空飛行で移動します。
飛ぶのは消費カロリーが大きいのかも。
土手をランダムウォークしているようですが、隣接する舗装路は決して偵察しません。
巣坑を掘れないことを知っているみたいです。
約2時間にわたって断続的に撮り続けた映像をまとめてみました。
営巣地選定にこれほど時間がかかるとは予想外でした。
もしかしたら、蜂が予め掘っておいた巣坑を私が知らずに踏んで埋めてしまったのではないかと心配になってきました。
シリーズ4で示したような穴掘り行動は少しで、蜂はほとんどの時間をひたすら探索に費やしました。
近くにアリの巣穴もありますが、この辺に獲物を埋めて大丈夫なのだろうか。
なんとかクモの搬入まで見届けたい一心で、少し離れた位置から観察を続けます。
▼その6へ続く
オオモンクロベッコウのアリ対策
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ハチ・アリ(膜翅目),
造巣
オオモンクロクモバチ♀が巣穴を試掘
(承前)
オオモンクロクモバチ♀(=オオモンクロベッコウ;Anoplius samariensis)は獲物を草の上に残したまま、運び込む営巣地の選定に余念がありません。
近くの地面で適当な既存坑を念入りに探しているようです。
落ち葉の下の地面を掘り始めました。
後ろに土を掻き出します。
やがて地中に隠れて姿が見えなくなりました。
しかし何故か気に入らなかったようで、場所を変えあちこちで試掘を続けます。
▼その5へ続く
オオモンクロベッコウの巣穴選定
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ハチ・アリ(膜翅目),
造巣
オオモンクロクモバチの喧嘩
(承前)
クモの横で待っていると、オオモンクロベッコウ(=オオモンクロクモバチ;Anoplius samariensis)が偵察から戻って来ました。
草の葉の上に置いたクモの無事を確認しています。
そこへもう一匹のオオモンクロベッコウが飛来して喧嘩になりました。
二匹が地上で一瞬もつれ合った後にすぐ別れました。
昨年の失敗(麻酔事故)に懲りて、今回は蜂に個体識別のマーキングを施していません。
しかしすぐ獲物の元に戻ったので多分、獲物の主が勝って仲間を追い払ったのでしょう。
もしかして同種の蜂が狩った獲物を強奪することがあるのだろうか(労働寄生)。
その後、蜂は偵察のため辺りの草むらを歩き回ってから獲物が心配で戻り、傍らで休息しました。
このときクモに触れつつ腹端を曲げているように見えるが、毒針を刺しているかどうか映像では定かではありません。
曲げた腹部を左右に振ってクモに擦り付けているようにも見えます。
アシナガバチが腹部腹面の腺から分泌されるアリ除け物質を巣に塗布する行動を連想しました。
オオモンクロベッコウも目印のためクモに何かフェロモンのような物を擦り付けているのかな?と想像を逞しくしてみる。
▼その4に続く
オオモンクロベッコウが巣穴を試掘
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クモ・ザトウムシ,
ハチ・アリ(膜翅目),
闘争
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