2010/12/16

オオフタオビドロバチ♀が巣材の泥玉を搬入




(承前)
竹筒トラップに営巣するオオフタオビドロバチ♀(Anterhynchium flavomarginatum)を定点観察するため翌日再訪。
ちょうど蜂が青虫を搬入するところでした。
麻酔した獲物を脚で体軸方向に抱えたまま飛んで来てそのまま頭から竹筒内に貯食するとまたすぐに外出しました。
前日に貯食していた竹筒は使い切ったようで既に泥で閉鎖され、その一つ上にある竹筒で新たに営巣しています。


竹筒を横から望遠で監視したまま待っていると、次からは泥玉を咥えて帰巣するようになりました。
泥の巣材で育房間の隔壁を作っているのでしょう。
狩り・貯食モードよりも帰巣頻度が短くなりました。
中でしばらく作業すると、後ろ向きに出て来た蜂は口にゴミを咥え、辺りに撒き散らしながら飛び去りました。
スポンジ状をした竹の髄を掃除して空間を広げているのでしょう。
竹筒の奥から順に育房を作っていきます。
昼休みなのか長時間巣から出てこないこともありました。 


ここで一回ちょっとした実験をしてみました。
蜂が留守の間に竹筒に枯草の茎を軽く刺し込んでみます。
帰巣を少し妨害することで時間を稼ぎ、蜂が口に咥えたものをよく確認できるという撮影テクニックを教えてもらったのです。
巣材集めから帰った蜂は見慣れない障害物に少し戸惑ったようですが、そのまま強引に頭から竹筒内に入り、中から枯草を蹴落として取り除きました。
私の予想としては、障害物を大顎で取り除きたくても口には泥玉を咥えているので荷物をいったんどこかに下ろしてから除去し、改めて搬入すると思っていたのですが、外れました。

この日は気温35℃で無風。
からっと晴れて蒸し暑さはなく、日傘をさせば長時間の連続観察も快適でした。
パート3に続く)


オオフタオビドロバチ♀の芋虫搬入




2010年8月上旬

借坑性の蜂を観察するため5月上旬に設置して以来3ヶ月間見向きもされなかった竹筒トラップに、ようやく営巣してくれる蜂が現れました。
女竹の筒は雨のかからない軒下南面の資材置き場で西を向けて10本束を水平に設置しました。

その竹筒からオオフタオビドロバチ♀(Anterhynchium flavomarginatum)が狩りに飛び立ちました。
竹筒内に詰まった髄をほじり出して利用しており、既に入口を泥で閉鎖した竹筒も見受けられます。
しばらくすると麻酔した芋虫(青虫)※を脚で腹に抱えたまま帰巣しました(空中運搬)。
獲物の搬入・貯食シーンを初めて、それも2回観察できました。
中に貯食するとすぐに後ろ向きで外に出て来ます。
気温35℃。


帰巣間隔や前兆が分からなくても、三脚に固定したカメラで竹筒入り口を狙い愚直に長撮りを繰り返すことで貯食シーンをものにすることができました。
あとは動画編集でなんとかなります。
その2へ続く)


※ 本種の獲物としてメイガ科やハマキガ科、ヒメハマキガ科などの幼虫を狩ることが報告されています。
参考資料として「森林総研 日本竹筒ハチ図鑑」の掲載ページはこちら


オオチャバネセセリのミゾソバ訪花




2010年10月上旬

ミゾソバの群落でセセリチョウが訪花していました。
後翅の斑紋がジグザクに交互にずれることからオオチャバネセセリPolytremis pellucida)だと思います。
胴体に密生した緑褐色の毛が美しいですね。
口吻を伸ばして蜜を吸っています。


なお、セセリチョウ科は独特の静止姿勢を取りますが、『熱血昆虫記:虫たちの生き残り戦略』 どうぶつ社 p76 によると
「セセリチョウは背面日光浴を行うのだが、その際、前翅を持ち上げると同時に後翅を下げる。前翅を持ち上げるのは体表背部から対流によって熱が奪われるのを阻止するためであり、後翅を下げるのは対流によって体の下面からの熱が奪われるのを阻止するためと考えられている。」

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