2012/03/19
吹雪の中を活動するニホンザル
2012年1月下旬
野生ニホンザル(Macaca fuscata fuscata)の群れを探して集落の裏山に登ると、林が伐採された台地に着きました。
山の天気は変わりやすく、雪が激しく降ってきて視界も悪くなってきました。
一頭の猿が雪原の斜面をトラバースして登っています。
遠くからかすかに鳴き声も聞こえます。
右奥の雑木林に姿を消しました。
斜面左手の樹上に別な猿を発見。
独り枝に腰掛けてこちらを向き、じっとしています。
群れの見張り役なのだろうか。
後で写真を見直すと、小さな黒い箱のような発信器付きの首輪を装着した個体のようです。
ほとんど動きは無いものの、「厳冬期に吹雪を耐え忍ぶ孤高の猿」と題したくなるような、ちょっと絵になる光景でした。
この首輪猿がおもむろに木から下りると、先程の仲間を同様に林縁の斜面を横切り始めました。
後からもう一頭が合流しました。
しばらく前後して歩いていたが、後続の個体が針葉樹の幼木に登って休息。
樹上で脇腹を手で掻いたりしています。
しばらくして遊動再開するも、休み休み進みます。
今度は別の立木(落葉樹)に登って休憩。
ニホンザルも悪天候の日には遊動せず群れで身を寄せ合って寒さを凌ぐと聞いていましたけど、これぐらいの吹雪では平気で活動するようです。
野生のニホンザルを一冬観察してみると、動物園や餌付けされた猿山で見られるような「ボス猿に統率された群れ」というイメージは全く当てはまらないことがよく分かりました。
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