2022/12/10

ホンドタヌキの親「垂れ尾」に引率された2頭の幼獣が初めての溜め糞場に興味津々【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年8月中旬・午前3:09:頃・気温23℃(雨上がり?)・日の出時刻は午前4:52 

里山のスギ林道にある溜め糞場sを自動撮影カメラで監視していると、深夜にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の親子群が初登場しました。 
3頭が距離を開けずに団子状態で右からやって来たのです。 
手前の個体が体格が大きい成獣「垂れ尾」です。 
「垂れ尾」が子育て中の親だと初めて知りましたが、私には性別が見分けられません。 
幼獣を連れて縄張りを夜にパトロールするのは、なんとなく母親♀の役割のような気がしますが、どうでしょうか? 
それとも♀は2回目の繁殖(出産)のため巣穴に残り、父親♂が幼獣2頭を引率してるのかな? 
調べてみると、タヌキの繁殖は年1回とされています。 

親タヌキの少し奥を通過する2頭は体格がやや小柄で、はしゃいでいる足取りがいかにも幼い印象です。 
2頭の幼獣は、初めて訪れる溜め糞の匂いが気になって、頻りに匂いを嗅ぎ回っています。 
両親や他のタヌキが残した糞の匂いを学習しているのでしょう。
ところが不思議なことに、すぐ近くにあるニホンアナグマMeles anakuma)の溜め糞や下草に臭腺を擦り付けたマーキングに対してタヌキ一家は全く無関心でした。 
タヌキの溜め糞はタヌキ同士が匂いによってコミュニケーションする場である、という説に納得です。
溜め糞場を共有しているタヌキとアナグマが互いに対抗意識を示して相手の糞の匂いをかき消そうとしたことは一度もありません。(「同じ穴の狢」2種は相互不干渉)

ホンドタヌキ幼獣の片方は溜め糞場sを一旦通り過ぎてから、後続の兄弟が調べている地点に戻って来ました。 
今回、親タヌキ「垂れ尾」は溜め糞場sで排便せずに、さっさと左へ立ち去りました。 
子ダヌキ2頭も親タヌキの後を追って慌てて駆けて行きます。

親タヌキ「垂れ尾」の下向きに曲がった尻尾は軽度の奇形(生まれつきの異常)ではないかと疑っているのですけど、子供には遺伝していませんでした。
「垂れ尾」のパートナーは「フサ尾」なので、少なくとも「垂れ尾」の形質は優勢遺伝しないことが分かります。
最近は優勢遺伝のことを顕性遺伝と言い換えるのでしたね。

余談ですが、前夜(5.5時間前)に親タヌキ「フサ尾」が排泄した糞は、もう残ってないようです。 
夜でもあっという間に糞虫が地中に埋めてしまうのでしょう。 

民家の外壁や軒下で営巣候補地を探索するオオハキリバチ♀

 

2022年8月上旬・午後16:10頃・晴れ 

堤防路のすぐ外側(川裏)に建つ民家の外壁や軒下の周囲をオオハキリバチ♀(Megachile sculpturalis)が飛び回っていました。 
腹部下面のスコパは空荷ですけど、腹端が尖って見えるので♀と分かります。 
モルタル外壁の隙間を物色するように飛び回っています。 
次は、雨樋から降りてくる排水パイプがある建物の角の辺りを重点的に物色していました。 
本種は借坑性なので、営巣地となりそうな隙間や穴を探しているようです。 

隙間だらけの木造住宅がほぼ絶滅した現代では、オオハキリバチの世界も住宅難なのでしょう。
関連記事(9年前の撮影)▶ 生垣の竹筒を物色するオオハキリバチ
樹洞がある立派な庭木や生け垣を支える竹筒とかも今や滅多に見つかりません。 
運良く営巣地が見つかったとしても、その後でオオハキリバチ♀は巣材となる樹脂を平地(住宅地)のどこから調達するのでしょうか? 

オオハキリバチ♀の営巣候補地探索飛翔を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 (@0:44〜)
とにかく「穴があったら入りたい」ようですが、目星をつけた軒下や外壁に着地しかけてもすぐに飛び立ちます。

2022/12/09

夏に里山の杉林を駆け回るニホンリス【トレイルカメラ】

 

2022年8月中旬〜下旬 

スギを植林した山林の林道を監視するトレイルカメラを増やして2台体制にしてみました。 
溜め糞場sに来る野生動物を林道の両側(2アングル)から撮影しようという目論見です。 
すると、ニホンリスSciurus lis)の活動が記録されるようになりました。 


シーン1:8/15・午後17:37 
今まで林道脇のスギの木に長期間設置してきたトレイルカメラが画面中央に写っています。 林道を挟んで反対側に立つホオノキの幹に固定した2台目のトレイルカメラで撮影しました。 
動画冒頭で赤丸に注目して下さい。 
スギの左横枝(スギ以外の灌木?)からフサフサした尻尾が見えます。 
幹の背後を通ってスギの木を降りたリスが、背後の斜面を斜め右に駆け上がりました。 
リスの素早い走りを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:19〜) 


シーン2:8/24・午前9:43 (@0:41〜) 
9日後にニホンリスが再登場。 
スギの幹にリスがしがみついていました。 
トレイルカメラが気になって調べに来たのかな? 
トレイルカメラの真下に来ていたものの、そちらのカメラには何も写っていませんでした。 
太い幹を回り込んで斜面に飛び降りると、前回と同じく林床を右上に駆け上がりました。 
おそらく前回と同一個体で、森の巡回ルートが決まっているのでしょう。

旧機種は癖があり、昼間に動画撮影してもカラー映像がまともに撮れないことが多いです。 
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


シーン3:8/27・午前7:20・気温21℃ (@0:54〜)
さらに3日後の朝。 
杉に固定したトレイルカメラ(新機種)の映像です。 
対面に見えるスギの根元の右から登場したリスが、奥の斜面を下ったようです。 


野ネズミと異なり、夜の暗視映像にリスが写ったことは一度もありません。 
同じ齧歯目でもリスは完全な昼行性のようです。 
本来リスはスギ林なんかに用事は無いはずです。
この地点で積雪期にリスが写っていたので、夏にときどき通りかかってもさほど意外ではありません。
関連記事(7か月前の撮影)▶  
雪山でスギの木を登るニホンリス【トレイルカメラ】 
ニホンリスが杉林の雪道を疾走【トレイルカメラ】

現場周辺を探索すると、数十m離れた地点(スギを植林した区画の隣)でオニグルミの大木を見つけました。 
おそらく、リスは普段そこを活動拠点にしているのでしょう。 (今後の撮影課題)
夏にボリボリ、ガリガリ♪かじる大きな音が静かな杉林に響き渡っていたのは、ニホンリスがクルミの実を齧っていたのだろうと見当がつきました。



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