2024/09/02

風で揺れる細い止まり木でバランスを取る若いアオサギ(野鳥)

 

2023年9月下旬・午後12:50頃・くもり 

スギ防風林の樹冠に1羽のアオサギArdea cinerea jouyi)が飛来して停まりました。 
曇天の逆光になりますが、デジタルズームインしてみると、若鳥のようです。 
右の翼から羽根が1本だけ寝癖のように飛び出ていて、風になびいているのが可愛らしいです。 
換羽の途中なのかな? 

細くしなる杉の梢に器用に停まっています。 
風が吹いて防風林の枝が絶えず揺れていますが、アオサギはバランスを崩しそうになると翼を大きく広げています。 
なんとなく、若鳥がバランス競技を楽しんでいるように見えてしまいます(独り遊び)。 

しばらくすると、アオサギは止まり木から飛び立ちました。 
流し撮りすると、羽ばたきながら左旋回して、私の頭上を飛び超えて行きました。 
この間、鳴き声を発しませんでした。 

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2024/09/01

晩秋のアナグマ営巣地に1〜3頭で来るホンドタヌキの諸活動:11月上旬〜中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月上旬〜中旬

シーン0:10/27(@0:00〜) 
明るい時間帯に撮れた現場の様子です。 
平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)を新機種のトレイルカメラ2台で見張っています。 
秋も深まり、林床は落葉樹の落ち葉に覆われています。 

近所の休耕地に営巣するホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が1〜3頭で出没するシーンを以下にまとめてみました。 
タヌキの特筆すべき行動は個別の記事にしたので、残り物の取止めもない行動集です。 
この時期は空き巣ではなく、アナグマが冬ごもりを始めたようです。


シーン1:11/1(@0:03〜) 
夕暮れにタヌキのペアが連れ立って登場。 
アナグマの巣口Lに顔を突っ込んで、中に潜む虫を捕食しに来たようです。 
よく見ると、巣口Lから謎の小さな虫が外にわらわらと脱出しています。 
穴居性のカマドウマ幼虫ではないかと予想しているのですが、確かめられていません。 

新機種のトレイルカメラは気温データも取得できますし、センサーの誤検知も減り、画質も向上したのですが、ひとつ問題があります。 
薄明薄暮の時間帯に1分間の動画を連続して撮ると、1回毎にフルカラー録画とモノクロ録画が交互に切り替わる、という不思議な症状が出ます。 
赤外線の暗視モードに切り替わるかどうか、という微妙な明るさ(設定した閾値の前後)のときに発症するようで、対処のしようがありません。 
フルカラーで見ると、巣口L付近でタヌキが捕食する謎の虫の存在は全く分かりません。 (おそらく地味な保護色なのでしょう。)

獣道を通って右上奥へ立ち去る際に、1頭のタヌキが通りすがりにミズキの立木に排尿マーキングして行きました。(@2:33〜) 
片足(右後脚)を上げたので、♂と分かります。 


シーン2:11/3(@2:49〜) 
日没後の晩に、初めは単独でセットに来ていたタヌキが、途中から仲間が合流して3頭になりました。 


シーン3:11/4(@4:58〜) 
午後の明るい時間帯にタヌキが3頭でやって来ました。 
アナグマの巣口L、Rを点検して獲物となる虫を探しています。 
最後は獣道を走り去りました。 

この3頭は親子なのかな? 
最後に突然走り出したのが追いかけっこ遊びだとすれば、幼獣の兄弟姉妹ではないかと思うのですが、定かではありません。 
タヌキの個体識別ができていないのです。
尻尾にある黒い斑紋の形に注目するだけでも、ある程度は見分けられるかもしれません。 
巣穴の主であるアナグマが戻ってきて、それに気づいたタヌキが逃げた、という可能性も考えられますが、アナグマの登場シーンは監視カメラに写っていません。 


シーン4:11/6(@6:49〜) 
深夜未明および明るい午前中に単独行動のタヌキが写っていました。 


シーン5:11/8(@7:07〜) 
日没後に3頭のタヌキが連れ立って登場。 
林床の落ち葉を嗅ぎ回って、隠れている虫を探しています。 
いつものように、アナグマの巣口Lに立ち寄って、獲物となる虫を探しています。 
微小な虫を数匹食べたところで、とても腹の足しにはならないと思うのですけど、カロリーだけでなく貴重なタンパク質を摂取することも大切なのでしょう。 

巣口L近くの細いマルバゴマギ灌木をタヌキ♂が跨ぎながら、軽く排尿マーキングしたかもしれません。(@8:07〜) 

シーン6:11/9(@9:07〜) 
深夜未明にペアでタヌキが現れました。 
いつものように、アナグマの巣口L、Rを順に調べています。 

気温が2℃とかなり冷え込んでいますが、脂肪を蓄えて冬毛の毛皮を身にまとったタヌキは暖かそうです。 
最後に奥の二次林内へ立ち去る際に、タヌキ♂が排尿マーキングしたように見えましたが、林床に転がっている落枝を跨いだだけかもしれません。(@10:26〜) 

明るくなった朝にもタヌキのペアがまた登場しました。 
気温は1℃しかありません。 
夜明け前に巣穴の主であるニホンアナグマが巣穴Rに入ったばかりなのを、タヌキはアナグマの残り香を嗅いで察知したようです。 
タヌキは警戒して、巣口Rにはあまり近寄りません。 
アナグマが在宅だとタヌキは遠慮して、巣口に外から顔を突っ込んで虫を捕ることはなくなりました。 

夕方にもタヌキのペアが登場。 
獣道の横に立つミズキの根本に♂が排尿マーキングして行きました。(@12:15〜) 



シーン7:11/11(@12:26〜) 
真っ暗な晩にタヌキの単独行動が写っていました。 


シーン8:11/12(@13:49〜) 
夜明け前、気温が氷点下になりました。(-1℃) 
3頭が一緒にやって来たタヌキが、セットをうろついています。 
アナグマの巣口Rを未練がましく覗き込んでいます。 
こんなに寒くては虫を捕りにくいと思うのですが、越冬中の虫を探す特別なテクニックがあるのかな? 

朝の明るい時間帯にも単独のタヌキがセットを横切りました。 


シーン9:11/13(@15:53〜) 
冷たいみぞれが降る暗い晩に、タヌキが登場。 
二次林内で2頭が別行動で餌を探し歩いています。 


シーン10:11/14(@16:41〜) 
翌朝明るくなると、林床はしっかり濡れていたものの、初雪は積もっていませんでした。 
単独行動のタヌキがセットを横切りました。 
監視カメラの起動が遅れがちなのは、気温が低くて乾電池の電圧が低下しているせいでしょう。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


オオマルハナバチ♀の脚上げ威嚇反応

 



2023年11月上旬・午後15:00頃・くもり 

訪花吸蜜していたオオマルハナバチ♀(Bombus hypocrita)がセイタカアワダチソウの花穂からなかなか飛び立たないので、衰弱して飛べないのかな?と心配になりました。 
寿命が近いワーカー♀なのかな?
体に寄生ダニなどは付着していませんでした。 

私が動画を撮りながら右手で捕まえようと蜂に軽く触れたら、その度に中脚および後脚を高々と持ち上げました。 
威嚇姿勢のようですが、毒針を伸ばして誇示することありませんでした。 
蜂がしがみついていた花穂の先をちぎり取り、なんとか蜂を手乗りさせることができました。 

この個体はとにかく動きが緩慢で、元気がありません。 
口元を見ても、私の皮膚から汗を舐めているようには見えませんでした。 

私が指先でオオマルハナバチ♀の体にそっと触れる度に、脚を1〜2本持ち上げます。 
体を傾けて、刺激された同側の脚をいつも上げるのが興味深いです。 
正面から触角に触れると、左右の中脚を同時に持ち上げて万歳の体勢になりました。 
「それ以上近づくなよ」という警告・威嚇の意思表示なのでしょう。 
脚に鋭い棘や爪、キック力がある訳でもないのに、敵に対してどれだけ威嚇・牽制の効果があるのか疑問です。
 (私にはハッタリで虚勢を張っているようにしか見えません。) 
私が面白がってしつこく反応を調べても、繰り返し刺激への馴化(慣れ)はなさそうです。 
苛立ったオオマルハナバチ♀が毒針で私の手を刺してくることはありませんでした。 
ちなみに、ハチとは進化的に離れた系統のコガネムシ類でも似たような脚上げ威嚇姿勢が見られます。

この個体は翅や体毛が全く擦り切れておらず、大型なので、ワーカー♀ではなく新女王なのかもしれません。 
一般的に、女王蜂の攻撃性が低いのは当然です。 
真社会性ハチの女王は次世代に子孫を残す使命がありますから、毒針を使って敵と戦うのではなく、極力逃げることを選択します。(逃げるが勝ち、三十六計逃げるに如かず) 
下手に敵と戦うと反撃を食らって死傷する可能性があるからです。 
もしも元気なワーカー♀を相手に同じ実験をしたら、怒った蜂に毒針で手を刺されていたかな? 

実験に満足した私は、蜂をセイタカアワダチソウの花穂に戻してやろうとしたのですが、なかなか上手く行きません。 
もたついている間に、オオマルハナバチ♀はブーン♪と羽音を立てて飛び去ってしまいました。 
私の体温で充分に温められたのか、飛び立つ前に胸部の飛翔筋を震わせる準備運動をしませんでした。 
しかし飛ぶ力は弱く、羽ばたきながら私の手から落ちてなんとかセイタカアワダチソウの茎に引っかかりました。 
再び自発的に飛んだものの、あまり遠くまで飛べませんでした。 
気温を測り忘れましたが、私の体感では寒さを全く感じませんでした。 

マルハナバチの経済学』という専門書のp264に「マルハナバチの巣内での諸行動」と題したイラストが掲載されています。 
その中に、「中後脚をあげるマルハナバチ独特の警戒姿勢」が示されていました。 
私の知る限り、この行動について書かれた本はこれだけです。 
同じイラストによると、マルハナバチの攻撃姿勢は更に独特で、なんと仰向けにひっくり返るのだそうです。 (おそらく、このとき毒針を見せつけるのでしょう。) 
私は未だ実際に見たことはないのですけど、マルハナバチの巣を手荒く暴いたときぐらいにしか攻撃姿勢は見られないのかもしれません。 

この行動を指す正式用語をどうしても知りたくて、Google Scholarで検索してみると、最近の研究論文を見つけました。 
全文が無料で公開されています。 
マルハナバチの脚上げ反応(万歳姿勢、ハイタッチ)が注目されるようになったのは、ごく最近のことなのだそうです。
disturbance leg-lift response (略してDLR)と名づけていますが、 disturbanceが日本語に訳しにくいです(撹乱?)。
「蜂にちょっかいかけると脚を高く上げる」というニュアンスです。
素人が勝手に「脚上げ威嚇反応」と名づけてみました。
専門家による用語の正式な和訳を見つけたら、訂正します。


【参考文献】 
Varnon, Christopher A., et al. "The disturbance leg-lift response (DLR): an undescribed behavior in bumble bees." PeerJ 9 (2021): e10997. 

Figure 1. The disturbance leg-lift response (DLR) of the bumble bee.  Artwork by Jennifer Salazar. Original reference photographs by Ivan Mikhaylov.

この論文はクリエイティブ・コモンズ・ライセンスで公開されているので、ありがたく原図1を借用させてもらいます。


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