2022/12/05

スギ林道を夜な夜な飛び回るコウモリ(その2)【トレイルカメラ:暗視映像】

前回の記事:▶ 雨が降る未明にスギ林道を飛び回るコウモリ【トレイルカメラ:暗視映像】

2022年8月上旬、8月下旬および10月上旬 

自動撮影カメラで見張っている里山のスギ林道に夜行性コウモリがたまに飛来します。 
頻度が低い上にすぐ飛び去ってしまうので、2ヶ月分の記録をまとめてみました。 

シーン1:8/9・午後22:19・気温25℃ 
飛翔シーンを毎回1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 
タヌキの溜め糞s上で謎の糞虫?が活動しているのに、コウモリがそれを狩ることはありませんでした。 

シーン2:8/26・午後19:51・気温23℃ (@0:24〜) 
レンズの近くを往復するように素早く横切りました。 
もしかすると、トレイルカメラ自体が微弱な超音波ノイズを発していて、コウモリはそれに興味を示して近寄ってくるのかもしれません。 
バットディテクター(超音波探知機)で調べれば、この仮説はすぐに検証できるはずです。
林道の上空を夜蛾が飛び回っているのに、それをコウモリが探知して追跡する様子はありません。 

シーン3:10/6・午前1:58・気温9℃ (@0:41〜) 
秋になり気温が10℃より下がった夜も、コウモリは元気に活動していました。 

つづく→

水辺でシロカネグモ?を捕食吸汁するスジアカハシリグモ♀(蜘蛛)

 

2022年8月上旬・午後15:00頃・晴れ 

山中の池から流れ出る水路が林道を横切る地点に生えたミゾソバの葉の上にスジアカハシリグモ♀(Dolomedes silvicola)が乗っていました。 
触肢の形状から♀と分かります。 
(ただし、体長を採寸していませんし外雌器を確認できていませんから、幼体の可能性もあります。)
餌食となったクモの腹部に牙を突き立てて体液を吸汁しています(体外消化)。 
獲物は既にクシャクシャに丸められた上に黒ずんでいてよく分かりませんが、腹背に白い縦筋が見えることから、水辺に水平円網を張るシロカネグモの仲間(アシナガグモ科)ではないかと思います。 
待ち伏せで獲物を狩る徘徊性クモが一体どうやって造網性クモを捕食できたのでしょうか? 
狩りの瞬間を見逃したのが残念です。 
脱皮中に襲われたのかな? 
ミゾソバの葉をよく見ると、葉から葉へ白い糸が張り巡らされています。 
スジアカハシリグモの住居に繋がっているのか、あるいは獲物となったシロカネグモ?の水平円網の枠糸かもしれません。 

動きに乏しいと動画ブログのネタになりません。 
私がそっと指を近づけると、スジアカハシリグモ♀は獲物を咥えたままミゾソバの葉裏に回り込んで逃げました。 
もう一度クモを葉表に来させようと、葉裏側に指を差し入れたら、うっかり獲物を弾き飛ばしてしまいました。 
カメラのバックモニターを見ながらだったので、遠近感の目測を誤りました。 
ミゾソバの葉表に来てくれたスジアカハシリグモ♀は空荷です。 
食事中に邪魔をして、すまんすまん。
実は近くにもう1匹別個体のスジアカハシリグモ♀を見つけました。

2022/12/04

ツキノワグマの毛に大量の「ひっつき虫」:種子の動物散布【トレイルカメラ:暗視映像】

 


タヌキとアナグマの溜め糞場sがあるスギ林道を自動撮影カメラ(トレイルカメラ)で見張っていると、夜にツキノワグマUrsus thibetanus)が通りかかりました。 

シーン1:8/16・午後19:37・気温23℃ 
林道を右から歩いてきた熊がカメラの存在に気づいたようです。 
全身の体毛には「ひっつき虫」が多数付着しています。 
素人目には痩せて見えますけど、若い個体なのかな? 
カメラを固定してあるスギの幹の匂いを嗅ぐと急に警戒しました。 
慌てて身を翻すと林道を横切り、画面奥の斜面を下って姿を消しました。 
人工物やヒトの残り香を嗅ぎ取って恐れをなしたのでしょうか。 


※ クマが藪に逃げ込む前半のみ動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

シーン2:8/18・午後18:33・気温21℃(日の入り時刻は午後18:32) 
2日後の日没直後に再びツキノワグマが写りました。 
現場は里山の東斜面なので、公式の日の入り時刻より数時間前には太陽が山の陰に隠れて暗くなります。 

どこから来たのか、登場シーンが撮れていません。
クマがいきなり画面右端で右を向いて佇んでいました。 
ゆっくり振り返りましたが、カメラに気づいていないようです。 

2日前の個体とは明らかに異なります。 
赤外線で白く光る目が小さく、特に右目は失明しかけている気がします。 
頭頂部に白い毛が目立つ…と思いきや、ただの付着物(葉っぱ?)でした。 

トレイルカメラを設置してあるスギの根元にノシノシと近づいてきます。 
カメラの真下でしばらく立ち止まってから姿を消しました。 
林道法面の崖の土を舐めてミネラル摂取しているのではないか?と想像しているのですけど、証拠映像を撮るには林道の反対側にも監視カメラを設置する必要があります。 

2頭とも、林道上の溜め糞には全く興味を示しませんでした。 

この個体も全身の毛皮に大量の「ひっつき虫」が付着しています。 
開けた林道を歩くだけでなく、頻繁に薮漕ぎしながら獣道を移動していることが伺えます。 
食べ物を探し歩いているツキノワグマは、毛繕いで「ひっつき虫」を取り除く暇が無いのでしょう。 
種子散布に動物を利用している(動物散布)植物がいわゆる「ひっつき虫」です。
種子散布の本にはそのように書いてあるのですが、私には納得できないことがあります。
遠くに運ばれた後に動物の体から離れて地面に落ちないと種子は発芽できません。
運搬してくれた動物が死ぬまで待つしかないとなれば、かなり効率の悪い方法ではないでしょうか。
体に付着した種子を毛繕いで器用に取り除いて地面に捨ててくれる動物はいるのでしょうか?
ニホンザルなら手先が器用ですし、頻繁に相互毛繕いをするので有り得そうです。
毛繕いしながらひっつき虫の種子を次々に食べて、糞として排出された種子が発芽するのかな?
それとも、動物の体に付着するしくみ(トゲトゲや粘り気など)が自然に失われて種子が地面に落ちるのでしょうか?


クマの大きさと見比べる比較対象として、カメラの対面に写っているスギ大木の胸高周囲長(地上からの高さ130cmでの幹回り)を紐で測ってみると約190cmでした。 
これを円周率πで割ると、胸高直径は60.5cmと算出されます。

溜め糞に集まる食糞性昆虫の夜の活動を現地でじっくり調べたいのですが、クマが昼も夜も出歩いている事実を知ってしまうと無理そうです。


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