2022/09/14

オオウケマイマイを見つけた!

 

2022年7月上旬・午後15:40頃・くもり

タヌキの溜め糞場rvがあった河畔林でニセアカシア(別名ハリエンジュ)立木の根際(地上32cm)に見慣れないカタツムリを見つけました。 
白っぽくヒビ割れたニセアカシアの樹皮に対して、このカタツムリの茶色い殻は保護色になっていません。 
殻の周縁には毛が放射状に生えていて、殻の厚みが薄く、かなり平べったいことが分かります。
ノギスで採寸すると、殻径〜15cm。 

カタツムリハンドブック』で調べると、 東北地方(奥羽)特産のオオウケマイマイAegista pannosa pannosa) と判明。
殻径17mm、殻高9mm 
分布:東北地方 
殻は扁平で、周縁は著しく角張り、鱗片状の毛が放射状に生える。臍孔は広く、深い。オオケマイマイに類似するが小型。和名は奥羽地方のケマイマイの意味で、「オーウ」という発音に従ってオオウになってしまったものと思われる。 (p71より引用)
谷本雄治『週末ナチュラリストのすすめ(岩波科学ライブラリー) 』によると、
殻に毛が生えているオオケマイマイ。長生きすると、次第に毛が薄くなるらしい。 (p14より引用)
ちなみに、オオウケマイマイの隣にはマイマイガLymantria dispar japonica)の幼虫が2頭、樹皮の縦の割れ目に沿って静止していました。 

動きがないと動画ブログのネタになりませんから、採集シーンも動画に撮ってみました。 
地面に落とさないように手で受ける準備をしながら慎重にペリっと幹から剥がしました。 
殻の入口(正式名称は?)には透明な膜が張っていました。

殻に毛が生えたカタツムリの生体を見つけたのは初めてで、嬉しい収穫でした。 
採集したオオウケマイマイを飼育するつもりだったのですが、残念ながら家に持ち帰るまでの間にお亡くなりになってしまいました。 
乾燥防止のために生葉と一緒に入れたのですが、小さな採集容器の中は暑くて蒸れてしまったようです。 

この河畔林にはカタツムリを捕食するマイマイカブリが生息しています。
その上に、オオウケマイマイという珍しい種類のカタツムリも居たことから、陸貝を巡ってそこそこの生物多様性が辛うじて保たれていることが分かります。
しかし河畔林の伐採が年々進んでいるので、風前の灯です。

2022/09/13

水場の周囲を夜な夜な活動する野ネズミ(その3)【トレイルカメラ:暗視映像】

 


2022年7月上旬 

山中の泉を監視しているトレイルカメラ(無人センサーカメラ)に今季も夜行性の野ネズミ(ノネズミ)が写りました。
前回の記事(8か月前の撮影):▶ 崖の巣穴に夜な夜な出入りする野ネズミ【暗視映像:トレイルカメラ】

カメラの至近距離で赤外線を反射して明るく光り、撮影の邪魔をしているのは、木の細根または細い落枝です。 
2晩連続で登場した記録をまとめました。

シーン1:7/1 午後23:08・気温21℃ 
水場の此岸を野ネズミがウロウロと徘徊しています。 
レンズに近過ぎてピンぼけですが、長い髭と顔がチラッと見えました。 

余談ですが、冒頭でカマドウマ?が水面をピョンピョン跳ねて移動し、落枝に辿り着きました。 
樹上から池に落ちてしまい、泳げないので途方に暮れているようです。 


シーン2:7/2 午前1:11・気温20℃ (@0:22〜) 
此岸で野ネズミが齧られた木の葉を運んでいます。 
まさか落ち葉を食べているのか、それとも巣材を搬入する途中なのか?と意外に思いました。 
しかしスロー再生で確認すると、たまたま野ネズミの足が踏んだ落ち葉が動いているだけかもしれません。 
 残念ながら、至近距離過ぎて全身像が写っていません。 


シーン3:7/2 午前1:46・気温20℃ (@0:37〜) 
野ネズミが此岸の左から右へ横切ったようです。 


シーン4:7/2 午前1:57・気温20℃ (@0:49〜)
野ネズミが此岸を右から左へ横切った際に、辛うじて顔の一部(耳)が見えました! 
アカネズミかヒメネズミか、動画で見分けられる方がいらっしゃいましたら、教えてください。


シーン5:7/2 午後19:24・気温23℃ (@0:59〜) 
画面の左下隅を野ネズミがチョロチョロと徘徊しています。 
此岸の崖を登りカメラの直近を登りました。 
ガサゴソと物音が聞こえますが、カメラに対して近過ぎて全身像が写りません。 
此岸で活動する野ネズミをしっかり撮影するには、別アングルのトレイルカメラをもう1台設置しないといけません。

余談ですが、赤外線の暗視映像でも池の水中(手前の此岸付近)に黒いオタマジャクシが遊泳しているのが見えます。 
明るい昼間は木陰に隠れるように左岸付近に密集しているオタマジャクシは、夜になると活動域を広げて自由に泳ぎ回るようです。 
池内でのオタマジャクシの分布が日中は極端に偏っていたのは、昼行性の捕食者を恐れていたのだろうと分かりました。 

ガガンボや蚊が夜の水辺を盛んに飛び回っています。


 

オカトラノオの花蜜を吸うウラギンヒョウモン♀

 

2022年7月上旬・午後14:05頃・くもり 

つづら折れの山道沿いに咲いたオカトラノオの群落でウラギンヒョウモン♀(Fabriciana adippe)が訪花していました。 
翅を開閉しながら吸蜜しています。 
この組み合わせは初見です。 

翅表をしっかり見せてくれる前に飛び去ってしまいました。 
翅表に性標の有無を確かめたかったのですけど、この撮影アングルでははっきりしません。 
フィールドガイド日本のチョウ』でウラギンヒョウモンを調べると、「♀の裏は♂よりも銀白斑が大きく、地色もより濃色」とのこと。(p200より引用) 

1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
冒頭のスローモーションは、別種のヒョウモンチョウの一種が飛び去った様子です。 
訪花中のウラギンヒョウモン♀にちょっかいをかけているように見えたので、異種間の誤認求愛かと思って撮り始めたのですが、間に合いませんでした。

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