2022/01/21

タヌキの溜め糞上で羽ばたき誇示し合う謎の微小寄生蜂?(求愛/闘争)

 

2021年10月中旬・午後12:25頃・くもり 

里山の林道上に残されたホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞aでセンチコガネを撮り始めたら、またもやメタリックに輝く微小な謎の寄生蜂が写っていました。 
今季あちこちで溜め糞の調査をすると繰り返し登場するので、とても気になっています。 
いつも他の大きな被写体を撮った映像に偶然写っていたという記録ばかりです。
▼関連記事(2、3ヶ月前の撮影) 
タヌキの溜め糞に来た謎の微小な寄生蜂?【名前を教えて】 
獣糞で吸い戻し中のキバネセセリ♂の翅に寄生蜂が産卵?!
今回は新たな進展がありました。 
黒く乾燥したタヌキの溜め糞上に2匹の寄生蜂?が来ていて、何やら思わせぶりな行動をしたのです。 
センチコガネの左上にご注目。
松ぼっくりの上と落枝の上にメタリックな微小蜂?が2匹止まって羽ばたいています。 
1匹が羽ばたきながら歩いて近づき、もう1匹に飛びかかりました。 
これは求愛行動なのでしょうか、それとも喧嘩(縄張りの占有行動)かな? 
せっかく決定的な瞬間が撮れそうだったのに、撮影中の私は寄生蜂?の存在に全く気づいていません。 
溜め糞に来ている虫が逃げないように、少し離れた位置から望遠マクロで撮影しています。
カメラのバックモニター(液晶画面)やファインダーを通してセンチコガネに集中していると、微小蜂にはどうしても気づけないのです。 
我ながら腹立たしいのですが、早々に撮影を切り上げてしまいました。 
動画の前後に撮った溜め糞の写真を見返しても、謎の微小蜂は写っていませんでした。 

来季こそは溜め糞に来る謎の微小蜂の行動をマクロレンズでじっくり接写したり、採集して正体を突き止めたいものです。 
本当に蜂の仲間(膜翅目)なのかどうかも自信がなく、もしかするとハエの仲間(双翅目)かもしれません。


【追記】
翌年、注意してタヌキ溜め糞を見て回ると、メタリックに輝く微小昆虫の正体はハエでした。

したがって、この記事の映像に写っているのも寄生蜂ではなさそうです。
ただし、体型が違うので別種かもしれません。

2022/01/20

山中の池で飲水・水浴・採食するシロハラ?(野鳥)【トレイルカメラ】

 

2021年10月下旬・午前11:26〜午後16:30

里山の水場を監視している無人センサーカメラ(トレイルカメラ)で見慣れない野鳥が撮れていました。 
同じ日に繰り返し何度も登場しました。 
おそらく冬鳥のシロハラTurdus pallidus)ではないか?と思うのですが、どうでしょうか。
間違っていたら(別種の鳥の映像が混じっていたら)ご指摘願います。 
『やまがた野鳥図鑑』p160によると、県内でシロハラは10月中旬から見られるそうです。 
ほとんど白黒の映像なので、鳥の色が分からず同定の難易度が上がってしまっています。 (私の設定ミス? トレイルカメラの制御ブログラムのバグ?)

シーン1:午前11:26 
カメラのレンズに水滴が付着したのか、肝心の画面の中央部がぼやけています。 
冒頭から鳥が至近距離のカメラ目線で登場しました。 
此岸の崖を降りて水際まで降りると、池の中に入りました。 
水深が浅いので小鳥でも立てます。 
少し水を飲んだようです。(目の前の虫を啄んだ?) 
すぐに飛び去ってしまいました。 

シーン2:午前11:31 
左岸近くの浅瀬で水浴しています。 
別個体が飛来し右奥の林道に着陸しました。 
小雨がポツポツ降っていて、水面に波紋が広がります。 
右から別個体が飛来し、池の落枝に着陸しました。 
ところが水浴せずに辺りをキョロキョロ見回しています。 
左岸で水浴していた個体は入れ替わるように飛び去りました。 

シーン3:午後14:15 
レンズに付着していた水滴が乾いたようで、視界が晴れました。 
画面の右下隅で水浴を開始。 
少なくとも2羽が水場を訪れています。 
右岸でシロハラ?が嘴で払い除けた落ち葉が池に落ちました。 
落ち葉をめくって下に隠れた虫を探しているのでしょう。(探餌行動) 
飛んで右岸から左岸に移動すると入水し、水際をつついて歩きます。

シーン4:午後14:17 
つづき 左岸の水際で採食活動を続けています。 
嘴で落ち葉をめくって虫探し。 

シーン5:午後14:32 
画面の左下隅に登場したものの、左上に飛び上がって消えました。 

シーン6:午後15:46 
手前の水面の落枝を慎重に伝い歩いて右へいどうすると、ようやく入水。 
浅い所で軽く水浴・飲水。 
ようやく警戒を解いて本格的に水を浴び始めたのに録画終了(尻切れトンボ)。 

シーン7:午後16:27 
左岸の浅瀬で行水していました。 
水浴を繰り返しながら少しずつ深いところへ進みました。 
水浴後は左岸から池の上に張り出したミズナラの横枝に止まり、羽繕いしてるようです。(画角のギリギリ外) 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
明るい昼間に撮れた動画なのに、なぜか赤外線の暗視モードになっています。 
画面全体がピンク色に点滅する目障りな症状が出るので、自動色調補正しました。 
画面奥の森の緑色だけが薄っすらと復活しています。 

実はもう1台の別なトレイルカメラを設置し、逆のアングルから池畔を狙いました。 
以下の写真はその別カメラで同じ日に撮れたシロハラ?の静止画です。 
動画を撮ったメインカメラが発する赤外線に反応して、最後の写真は白飛びしてしまっています。 
シロハラ?は池畔の崖で周囲の安全を確認してから水場に降り立つようです。 
写真+動画モードで記録すると、肝心の動画撮影を始めるまで遅延が生じてしまうのですけど、写真に気温と月齢が記録されるメリットがあります。 
(動画モードにすると気温と月齢が記録されない原因が分からず、困っています。)

池の水面を走るウヅキコモリグモ♀♂(蜘蛛)

 

2021年10月下旬・午前11:30頃・くもり 

山腹の池の畔を私が歩くと、岸辺の植生に潜んでいたクモが驚いて逃走開始。 
水面を走って逃げて行き、波紋が広がります。 
クモが水面で立てる波紋に反応してカメムシ目(半翅目)の捕食者(アメンボやマツモムシなど)がやって来て対決するかと期待したのですが、残念ながら何も居ませんでした。 
水生昆虫が居なくなったのは、もしかしてこのクモが食べ尽くしてしまったのでしょうか?

コモリグモ科の仲間とはすぐに分かったものの、そこから先が私には大変です(見分けるのが苦手)。 
目撃時期と生息環境からはキクヅキコモリグモかと思いきや、外見(腹背の斑紋)からはウヅキコモリグモPardosa astrigera)と判明しました。 
私がじっとしていると、池の中央まで逃げたウヅキコモリグモは向きを変えて岸辺の草(スゲ?)まで戻って来ました。 
私が面白がって岸辺を歩き回ると、次々にクモが水面を走って逃げ回ります。 
話には聞いていたものの、実際に見るのはこれが初めてでした。 

水面で静止したときにズームインしてよく見ると、歩脚の先端(跗節)で水面に立っています。 
風が吹くとそのまま漂流します。 
アメンボのように表面張力を利用して水に浮いているのでしょう。 
界面活性剤(洗剤)を使った実験をしてみたくなりました。 

ウヅキコモリグモの水面歩行を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:20〜) 
アメンボの洗練された動き(滑走)とは明らかに違い、ピョンピョンと無駄な(?)上下動しながら水面を掻いて進んでいます。 
腹部を上下動するのでギャロップのように見えます。 
水面でもしおり糸をあちこちに付けながら歩こうとしているのかな? 
(さすがに水面にしおり糸は付着しない気がします。) 
跗節の先端にある3本爪で水面を掻くだけで進めるのでしょうか?
足は比較的たくましい。後ろ足が長いものが多い。足の爪は3本で、造網性のクモの系列であることを示している。wikipedia:コモリグモより)
少し長い第4脚の役割は主に水面で踏ん張って浮かぶだけで、主に第1脚で水面を掻いて進んでいるようです。 
陸上歩行とは異なり、左右の歩脚を同時に動かさないと真っ直ぐ前進できないのでしょう。 
つまり、陸上での歩行法をそのまま水面でやってもうまく進めないので、水陸両用のクモは歩行法を切り替える必要があるのです。 

240fpsのハイスピード動画でも水面歩行の足並みを撮るべきでしたね。 
コモリグモの陸上歩行を改めてスローモーションで記録して、水上歩行と見比べないといけません。 

複数個体を撮影。 
触肢が膨らんだ♂も含まれていました。 
未採集なので外雌器は確認していません。 

新海栄一、緒方清人『クモ (田んぼの生きものたち)』によると、
・コモリグモは水陸両用なので、一年中、田んぼとその周辺で暮らしています。 
・コモリグモやハシリグモの仲間は田んぼの水面を、アメンボのように素早く走り回っています。(中略)彼らの脚にはたくさんの毛が生えています。そのため、水と接している面積が大きくなり、水面に浮くことができるのです。 
・(ウヅキコモリグモは)脚にたくさんの毛が生えているので、水に浮き水面を走り回ることができる。乾いた田んぼに多い。 (p9より引用)

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