2021/11/09

カラス混群の就塒前集合とペットボトルの争奪遊び(野鳥)

 

2021年8月中旬・午後18:10頃・くもり(日の入り時刻は午後18:38)
前回の記事:▶ アオサギ若鳥の尾羽を何度も引っ張って嫌がらせするカラス混群(野鳥)

ハシボソガラスCorvus corone)とハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の混群が農道で就塒前集合しています。 
アオサギはいつの間にか居なくなっていました。 
カラスの執拗な嫌がらせに堪りかねて飛び去ったようです。 

農道のあちこちでカラスが色んなことをやらかすので、目移りしてしまいます。 
何か水色の物体を咥えた個体が右に飛んで逃げて行きます。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、拾った空のペットボトル?(ポカリスエットまたはアクエリアス?)を仲間に奪われまいと逃げているようです。 
その後をもう1羽が追いかけています。 
これは遊びの鬼ごっこに見えます。 

やがてカラスが次々と左に飛び去り始めました。 
日も暮れ始め、集団塒に向かって塒入りが始まったようです。 
農道からだけでなく、水路横のコンクリート壁の上からも飛び立ちます。 
しばらくすると、空きボトルを咥えた個体が戻って来て、仲間と一緒に左へ飛び去りました。
そしてカラスの混群は農道から1羽残らず居なくなり、就塒前集合は自然消滅しました。 
集団塒の位置は突き止められませんでした。
   

オトコエシの花蜜を吸うハラアカヤドリハキリバチ【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年8月中旬・午後16:35頃・くもり 

山麓の林縁に咲いたオトコエシの群落でハラアカヤドリハキリバチ(旧名ハラアカハキリバチヤドリ)Euaspis basalis)が忙しなく訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
オトコエシの白い花序に止まって吸蜜する際に、羽ばたきを止めても翅を斜めに立てたままです。 

顔正面を向けたときに頭楯に白い部分があるので雄蜂♂かと思ったのですが、本種の場合はそうとも言い切れないようです。(『日本産ハナバチ図鑑』p286) 
ハラアカヤドリハキリバチは労働寄生種ですから、たとえ♀であっても腹部下面に花粉を集めるためのスコパ(刷毛)がありません。 
したがってスコパの有無で性別判定することもできないのです。

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:25〜)

2021/11/08

クリの灌木で鳴くエゾゼミ♂を声紋解析してみる

 

2021年8月下旬・午前11:30頃・晴れ 

里山の尾根道を歩いていたら近くでセミが喧しく鳴く声がするので主を探すと、若いクリ(栗)灌木の細い枝に下向きに止まっていました。 
現場は標高562m地点で、地上からの高さ〜3.5mの地点にセミが止まっています(目測)。 
逆光なのでストロボを焚いて(日中シンクロ)写真に撮ると、その正体はエゾゼミ♂(Lyristes japonicus)でした。 
周囲に灌木の枝葉が生い茂り、その隙間から撮影アングルを確保するのに苦労しました。 

周囲で鳴く同種♂の声に負けじと、ジー♪(またはギー♪)と単調に鳴き始めました。 
メロディが全く無く、情緒の欠片もありません。
側面から♂の発音器官である腹弁が見えます。 
ジー♪と単調に鳴いている間は腹部を上下に動かしています。 
腹弁の振動は動画からは確認できませんでした。
口吻を枝に突き刺して吸汁しておらず、鳴くことに専念しています。 
疲れたのか鳴き止むと、腹部も動かなくなりました。 

保育社『検索入門:セミ・バッタ』p28によると、エゾゼミの鳴き声はギィーーと連続音で、終奏音が断続的になるのがアカエゾゼミとは違う特徴なのだそうです。 

しばらく見守ってもエゾゼミ♂はクリの木から飛び立たず、私は諦めて立ち去りました。 

エゾゼミ♂の鳴き声を声紋解析してみる 


いつものように、オリジナルの動画ファイルから音声をWAVファイルとして抽出してからノイズを除去しました。
鳴いている部分(鳴き初めから鳴き終わりまで)の約30秒間を切り出し、スペクトログラムを描いてみました。 
鳥の鳴き声の美しい声紋とは全く異質ですね。


関連記事(同時期の撮影)▶ ミズナラの枝で鳴くエゾゼミ♂♪


ランダムに記事を読む

  • 腹部を回して暴れるホシヒメホウジャク(蛾)の蛹27/03/2020 - 0 Comments
  • ツクネグモ(蜘蛛)の卵嚢17/02/2018 - 0 Comments
  • マダラスジハエトリ♂(蜘蛛)の脱皮12/04/2014 - 0 Comments
  • 里山の急斜面をトラバース遊動するニホンザルの群れ【後編】04/10/2017 - 0 Comments
  • 潅木内で羽を休めるアサギマダラ07/03/2011 - 0 Comments