2021/04/22

寄生植物ホザキヤドリギの黄色く熟した果実(宿主ハンノキ)

 

2020年12月上旬・くもり 

里山の山腹で、とある落葉樹の枝に見慣れない黄色くて丸い実が多数なっていました。 
蔓植物ツルウメモドキの未熟果にしては実の付き方が不自然です。 
枝に塊状に局在しているため寄生植物のヤドリギかな?と思ったものの、ヤドリギの葉は確か常緑で冬でも青々と葉が茂っているはずです。 
今回見つけた寄生植物は、なぜこれほど葉が少ないのか、不思議でなりません。 
栄養を葉の光合成に頼らない寄生植物は、葉が少なくても(ほとんど無くても)これほど大量の実を作れるのかな? 

寄主(宿主)となった樹木は完全に落葉していましたが、ハンノキと判明しました。 
来春に咲く花序の冬芽と熟した果穂が枝に残っています。 

山渓ハンディ図鑑『樹に咲く花―離弁花〈1〉』という本格的な植物図鑑で調べてみたら、ヤドリギの次にホザキヤドリギ(穂咲き宿り木)という別種の植物が掲載されていました。(p362) 
「中部地方以北に分布し、ヤドリギの仲間ではもっとも寒冷地に適応した種類」らしく、寄主植物のリストにハンノキが含まれていました。 
果実は液果で、10〜11月に淡黄色に熟すのだそうです。 
更にインターネット検索で調べると、常緑のヤドリギ(ビャクダン科)と異なり、ホザキヤドリギ(オオバヤドリギ科)は冬に落葉するのが特徴なのだと知りました。 
科レベルで違う別種なのに、寄生植物としてここまで収斂進化するとは驚きです。 

謎の寄生植物の正体がずっと分からず、気になったまま春まで放置していました。 
すぐに調べてホザキヤドリギと知れば、冬の間に定点観察に通って、鳥が熟果を食べに来る様子(鳥による種子散布)を観察したかったです。 
見つけた日は辺りに鳥を1羽も見かけませんでした。 
果実が赤く熟すまで鳥は食べに来ないのかと思ったら、ホザキヤドリギは黄色が熟果の色なのだそうです。 
せめて樹の下に黄色い落果を拾いに行って、果肉に粘り気があることを確認すべきでしたね。 

2021/04/21

山中の止まり木で鳴き交わす♪ハシブトガラス(冬の野鳥)

 

2020年12月上旬・午後15:20頃・くもり 

里山の中腹で夕方、枯木(落葉した樹木?)の天辺に止まったハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が辺りを見回しながら頻りに鳴いていました。 
カーカー♪と澄んだ声で鳴く度に尾羽をピクピクと下げるのがハシブトガラスの特徴です。 
近隣の仲間(同種)と交互に鳴き交わしていようです。 
連れ立って塒ねぐらに帰る時間を調整しているのでしょうか。

※ 木霊(エコー)のような鳴き交わしがしっかり聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 
その代わり、マイクに入る風切り音がどうしても耳障りになってしまいます。

フクラスズメ(蛾)幼虫の威嚇姿勢

 

2020年11月上旬・午後15:00頃・小雨 

家で飼育している個体のために、天気が悪くても新鮮な食草を調達しに来ないといけません。
農道沿いに自生するカラムシの群落には様々な大きさ(=齢)のフクラスズメArcte coerula幼虫が見つかりました。 
状態の良い(食痕の少ない)カラムシの株を採取する前に、先客のフクラスズメ幼虫を取り除きました。
そのついでに、動画を撮ってみました。 
おそらく終齢と思われる丸々と肥えた個体がカラムシの葉裏に隠れていて、海老反りの威嚇姿勢を取りながら脱糞していました。 
その葉をそっとめくってみると、危険を感じた幼虫が身を捩って暴れました。 
(フクラスズメの)幼虫は危険を感じると頭部を反らせ、緑色の液体を吐き出しながら頭部を激しく横に振る。(wikipediaより引用)
葉裏にしがみついた歩脚の爪をそっと引き剥がして私の手に乗せてみても、フクラスズメ幼虫は噛み付いたり、緑の体液を吐き戻したり、下痢便を排泄したりしませんでした。 
いつも決まりきった自衛行動をする訳ではないようです。
指先で体をつついても、上半身を激しく振って抵抗するだけでした。 
体表に毛が疎らに生えていますが、素手で触っても全く痛くありません。 
派手な体色でいかにも警告色のように見えますけど、体内に毒を溜め込んではいないそうです。 
つまり警告色に見せかけたブラフ(擬態?)ということになります。 
最後は食草の上にそっと戻してやりました。

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