2020/04/28

セイタカアワダチソウの花でベニシジミを襲うキイロスズメバチ♀



2019年10月下旬・午後13:50頃

川沿いに咲いたセイタカアワダチソウの群落でキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が飛び回っていました。
獲物を必死で探索しているようです。
あまりにも忙しない動きなので、一瞬だけ垣間見えた探餌飛翔を1/5倍速のスローモーションでご覧下さい。

キイロスズメバチ♀を見失った私は気を取り直して、別の訪花昆虫を撮り始めました。
ベニシジミLycaena phlaeas daimio)が翅を半開きのまま吸蜜しています。
同じ花序にフタモンアシナガバチPolistes chinensis antennalis)の雄蜂♂が登って来ても、互いに無関心で吸蜜を続けていました。
雄蜂♂も花蜜が目当てで、獲物を狩ることはありません。
ベニシジミは蜂の性別を見分けられるのでしょうか?
目の前のフタモンアシナガバチが♂と分かった上で、安心し切っているのかな?

そこへ先程のキイロスズメバチ♀が戻って来て、油断していた(?)ベニシジミを背後から急襲しました。
しかし狩りは失敗し、ベニシジミは花から落ちるように飛んで逃げのびました。
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
近づいてくる蜂の羽音を聞いて避難する、などの逃避行動は特に見られませんでした。

狩りの成功シーンは今まで一度しか見たことがありません。

▼関連記事(2、3年前の撮影)
キイロスズメバチ♀がセイタカアワダチソウの花で吸蜜しセイヨウミツバチ♀を狩る
ヤブガラシの花蜜を吸うホソサビキコリとキイロスズメバチ♀の襲撃



川面を遊泳中に水を飲むオナガガモ♀(冬の野鳥)



2019年11月下旬・午後16:00頃

夕方の川でオナガガモ♀♂(Anas acuta)の群れを動画に撮っていると、飲水シーンが偶然撮れていました。
川面をこちらに向かって泳いできた1羽の♀が嘴の先を川面に浸してから上を向き、水を喉に流し込みました。

川岸に立っている2羽のオナガガモ♀の片方が羽繕いしていました。


▼関連記事(もっと長い飲水シーンを1.5ヶ月後に撮れました)
川面で羽繕いの合間に水を飲む独身オナガガモ♀(冬の野鳥)


2020/04/27

桑の幹を移動するキボシカミキリ♀に追従する♂(配偶者防衛行動)



2019年10月下旬・午後16:17〜16:31(日の入り時刻は午後16:41)


▼前回の記事
ヤマグワの樹皮を産卵加工するキボシカミキリ♀

川岸に生えた1本のヤマグワの幹のあちこちでキボシカミキリPsacothea hilaris hilaris)の様々な配偶行動が繰り広げられるので、初めて観察する私は目移りしてしまいます。

この記事では、幹を徘徊する♀に注目して、交尾後の3ペアの映像をまとめました。
♀がゆっくりと幹を登ったり降りたり移動しています。
落ち着くと鋭い大顎で樹皮を齧って産卵加工を始めました。
産卵に適した場所をどうやって探り当てるのでしょうね?

幹を徘徊・探索する♀の背後を触角の長い♂がぴったりと付いて歩いています。
油断なく交尾後ガードを続けているのです。
♀が産卵を無事に終えるまで自分の精子が受精に使われたという保証がないので、♀が浮気しないように見張っている必要があるのです。

深谷緑『キボシカミキリの配偶行動と生態情報利用、体サイズ』によると、

(キボシカミキリでは、)♂が♀と交尾後、さらに産卵中も♀に前脚を掛け、ガードしている♂の配偶者防衛行動が見られる。 (『カミキリムシの生態』第5章p175-176より引用)

マクロレンズで接写したシーン2では、初め♀の体軸に対して♂は斜めにマウントして交尾後ガードしていました。
♀が幹を上に上るに連れて、♂は♀と同じ向きにマウントする姿勢になりました。


カミキリムシでは♀の体表構造(毛の生えた向きなど:しぐま註)によりマウント方向が決まるという報告は無く、キボシカミキリの場合は♂による腹部末端の位置の調節ほか、♀が歩きだし、♂が追従することによってマウント方向が確定するものと考えている。 (同書p170より)

接写してみて初めて気づいたのですが、どうやら♂は♀の背中をずっと舐めているようです。
この行動はリッキングと呼ばれるそうです。

・♂は♀を捕捉したのち各段階で♀背面を口ひげで舐める行動(licking)を繰り返す。 (同書p160より)
様々なカミキリムシにおいて♂のlicking(口髭で舐める行動)は♀を「なだめる」効果があるとされている。♀が♂の口髭による背面への接触を認識し、拒否的行動を止めるということである。このlicking行動は、♂が接触化学感覚子の密集した口髭で触って♀の体表のコンタクトフェロモン成分を能動的に受容する行動(active sensing)でもあると考えられる。 (同書p162より)


キボシカミキリ♂@交尾後ガード+リッキング


シーン3では、♂をつれた♀が幹の根際を下に下りていきます。
ところが♀は向きを変え、幹の裏側に回り込んでしまいました。



つづく→キボシカミキリ♀♂の交尾行動(交尾器のクローズアップ)


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