2019/12/07

夕暮れの川瀬で虫を捕り水浴するハクセキレイ♀(野鳥)



2019年8月上旬・午後18:38(日の入り時刻は午後18:48)

夕方の河川敷でハクセキレイ♀(Motacilla alba lugens)が人工池の畔に飛来しました。
いかにもこれから入水して水浴したそうな予感がしたのですが、背後で見ている私に警戒して躊躇しているようです。
少し飛んで川の瀬に並ぶ岩の一つに乗りました。
やがて浅瀬を歩き回りながら岩に付いた川虫を捕食しています。
次に浅瀬で身を屈めると水浴びを始めました(@1:01)。
最後は下流に少し飛んで川岸の岩場に移動しました。
この間、ハクセキレイ♀は鳴いていたかもしれませんが、川瀬の水音がザーザー、ゴーゴーとうるさくて、鳴き声は聞き取れませんでした。


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川岸で水浴するセグロセキレイ♂(野鳥)
川岸で水浴びするヒヨドリとハクセキレイ♂(野鳥)

ハクセキレイ♀(野鳥)@川:瀬

黄変したクズの葉を切り抜くクズハキリバチ♀の謎【ハイスピード動画】



2019年8月上旬・午後

▼前回の記事
葛の葉を切り取るクズハキリバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】
クズハキリバチ♀は巣材を切り取る葉を選り好みする【HD動画&ハイスピード動画】

午後も後半になると、クズの群落でクズハキリバチ♀(Megachile pseudomonticola)が巣材集めに通う頻度が減ってきました。

わざわざ黄色い巣材を持ち帰る個体の存在が気になりました。
おそらく同一個体と思われる黄色好きなクズハキリバチ♀が繰り返し通っていたのですが、私がムキになって粘ってもピンぼけのハイスピード動画(240fps)しか撮れませんでした。
黄色い葉を切り取る決定的瞬間を動画に記録することが出来ていません。

初め私は、何か黄色い花びらを切り取って巣に持ち帰るお洒落な個体がいるのかと想像しました。
しかし辺りを見回してもマツヨイグサなど黄色い花は咲いていませんでした。
近くに生えたニセアカシアを調べると
葉の一部が黄葉していたものの、ハキリバチが切り抜いた形跡は全くありませんでした。
川辺りに繁茂するクズの大群落をよく探すと、上層の葉の陰になって日当たりが悪くなった下層の葉が黄変していました。
その枯れかけたクズの葉の縁にハキリバチがくり抜いた跡が見つかりました。

ただし、葉片を切り抜かれてから日数が経って葉が枯れ始め黄変したという可能性が残ります。
ハキリバチ♀が黄色い葉片をくり抜いている決定的瞬間が撮りにくいのは、蜂が茂みの奥(下層)に潜って作業するからどうしても見失ってしまうのです。
健康な緑色のクズの葉が周囲にはいくらでも生えているのに、どうしてこのクズハキリバチ♀はわざわざ黄変した葉を探し出して巣材を切り抜くのでしょう?

まさかこのクズハキリバチ♀は、巣材となる葉の色を見分けられない色盲の突然変異個体なのかな?
それとも何か合理的な理由があるのでしょうか?
きっと黄変した葉の方が柔らかくて、切ったり曲げたり加工しやすいのかもしれません。
多数の葉片を組み合わせて巣内の育房を作っていると、ある工程では特に柔らかい巣材が必要になってくるのでしょう。



【追記】
クズハキリバチに関する論文をGoogle Scholarで検索すると、全文PDFが無料公開されているものは次の一報だけでした。
片山栄助. "クズハキリバチの営巣習性, 特に育房葉片の加工と接着の状況について." 昆蟲. ニューシリーズ 7.1 (2004): 1-10.
ありがたくダウンロードさせてもらって早速読んでみると、栃木県でコゴメヤナギの樹洞に集団営巣(!)していたクズハキリバチの巣を採集して詳しく調べた結果の報告でした。

葉片源植物の種名について、空洞入り口より下部の巣の一部の葉片で調べた結果、467枚中クズが450枚(96.4%)、ヤマハギが4枚(0.9%)、ムラサキツメクサが3枚(0.6%)、不明種AとBが各1枚(0.2%)、不明種Cが2枚(0.4%)、不明種Dが6枚(1.3%)であった。クズが圧倒的に多かった点で岩田(1941)および須田(1978)の結果と一致している。
黄変した葉を巣材にする事例は記載されていませんでした。


クズ葉(黄変):クズハキリバチ♀巣材集め痕
クズ葉(枯葉):クズハキリバチ♀巣材集め痕

クズ葉(黄変)
クズ葉(黄変)
クズ葉(黄変)
ニセアカシア葉(黄葉)

2019/12/06

用水路内に降りて水を飲み苔を採食するニホンザルの群れ



2019年7月下旬・午前7:33〜8:15


▼前回の記事
野生ニホンザルが深い水路内に落ちて出れなくなった?


シーン1:(@0:00〜)

山麓を流れる用水路内で別個体のニホンザルMacaca fuscata fuscata)がコンクリート壁面下部に生えた緑色の苔(地衣類?)を採食していました。
手で苔や泥を引っ掻いて少しずつ崩し、何か小さいものを指で摘み上げては口に運んでいます。
苔(地衣類?)そのものではなく、中に潜んでいる虫を捕食しているのかもしれません。
採食時の利き手は不明です。(左手→右手と両方使用)


ニホンザル@水路内岸壁+コケ?採食

私が見ていることに気づくと警戒したものの、この個体はパニックには陥りませんでした。
水路の壁面に設置された梯子を身軽に登って水路から脱出しました。
この用水路は深いので、水量が多い時にヒト(特に幼児、児童)が誤って落ちると溺死する悲劇が起きてしまいます。
そのような水難事故を防ぐために、水路に落ちて流されたヒトが自力で脱出できるように梯子や浮きのついた鎖が水路に沿って何箇所も(等間隔で?)設置されています。
野生ニホンザルは誰に教わった訳でもないのに、この梯子を自在に使いこなして水路内に出入りしていました。
水路の両側には落下防止のため(ヒト用に)高いフェンスが設置されているのですが、身軽で身体能力の高いニホンザルにとってはこんなフェンスを乗り越えるのは朝飯前です。

先程、水路内に閉じ込められてパニックになっているように見えた個体も、落ち着きを取り戻せば自力で脱出できるはず(助けは無用)と分かり、安心しました。

誤って水路内に落ちたのではなく、自ら梯子を使って水路の底へ降りて行ったのでしょう。



シーン2:(@0:51〜)

コンクリート岸壁の上端に腰掛けて居た個体が下向きで(頭から先に)梯子を降りて、逆立ちするように水路の底に着きました。
この時期、水路を流れる水量は少なく水深は浅いです。
この個体はまず水面に口を付けて水を飲みました。
続いて水路の底を手で引っ掻いて食べ物を探しているようです。
やがて採食を止めて梯子に戻ると一気に上まで登り、更にフェンスもよじ登ると手摺に並んで座る仲間に合流しました。
躍動する体の毛皮から水飛沫が飛び散っています。
そのまま水路横の木の枝に飛び移ってブランコ遊びを始めました。


シーン3:(@2:25〜)

水路内で計3頭のニホンザルがバラバラで採食?水遊び?していました。
非常用梯子の真下に居た個体が水面に口を付けて水を飲みました。
両手で川底を繰り返し引っ掻いているような仕草は、小さな水棲動物(カニや水生昆虫、小魚、オタマジャクシなど)を捕食しようとしているのでしょうか?
それともヌルヌルした水苔の感触を楽しんでいるのかな?

そこへ別個体が真っ逆さまに梯子を伝って水路内に降りて来ました。
この猿もまずは水面に口を付けて喉の乾きを癒やしました。
しばらく水底を両手でさらって何かを採食すると、仲間同士でふざけ始めました。(水飛沫を跳ね上げながら追いかけっこ)


シーン4:(@3:48〜)

用水路沿いの手摺を歩いてきた個体がフェンスを伝って水路内に降りて行きました。







絶え間ない蝉しぐれに混じって、水路の両側の山林に散開したニホンザルたちが鳴き交わす声もときどき聞こえてきます。
野生ニホンザルが非常用ハシゴを使って水路内に自由に出入りできることを示す決定的な証拠映像が撮れたのは収穫です。
猿は水を全く恐れていませんでした。
ニホンザルの群れが居なくなってから巻き尺で測ると、水路の幅は2.5m、コンクリート岸壁の高さは1.6mでした。

※ 撮影順ではなく、ストーリーを考えて映像素材の時系列を入れ替えています。



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