2019/08/22

柳樹上の巣で抱卵するノスリ♀(野鳥)



ノスリ(野鳥)営巣地での観察記録#4

▼前回の記事
ノスリの巣を見つけた!(野鳥)

2019年4月下旬・午後

6日後の定点観察。
持参した三脚を立てるのももどかしく、まずは手持ちカメラでノスリButeo japonicus)の親鳥(おそらく♀)が巣に居ることを確認して安心しました。
猛禽類の夫婦は一般に♂<♀と言われていて、体格で見分けられるのだそうです。
しかし♀♂つがいが並んでくれない限り、私のような素人には区別できません。

巣から顔を少しだけ出してじっとしている親鳥♀が瞬きしています。
川を挟んで対岸に居る私を警戒しつつ抱卵中のようです。
胸の羽毛が白いので、おそらくノスリだと思います。
(この時点では未だ翼の下面など全身を見せてくれず、別種の猛禽類である可能性も考えていました。)

しばらく撮っていると、♀親が顔をくるっと背けました。
やがて向き直り、瞬きしました。
営巣地の反対側で何か気になる物音がしたのでしょう。
抱卵中の親鳥♀が顔をキョロキョロと動かすのを見たのはこれが初めてです。
なにしろ猛禽類の営巣を見るのは初めてなので、些細な動作にいちいち感動します。

カメラを三脚に固定しても映像がグニャグニャと歪んで見えるのは、手前を流れる川の上に陽炎が立ち上り、太陽で暖められた空気が揺らめいているからです。

より良い撮影アングルを求めて探し歩いたのですが、おそろしく狭い角度で狙撃手G13が針の目を通すようにピンポイントで巣を狙わないといけないことが分かりました。
三脚を据える位置を少しでも横にずらすと、巣内の親鳥の姿が周囲の木に隠れて見えなくなってしまいます。
そのうちに、抱卵中の♀が一層警戒して、首をすくめるように巣の奥の死角に引っ込んでしまいました。
これから河畔林の若葉が生い茂り始めると、ますますノスリの巣の存在は隠されてしまうはずです。
(そのような安心できる場所に親鳥は巣を作ったのです。)
私が近くの大木によじ登ればノスリの巣内を覗けるのかもしれませんが、意外に人目が気になる場所なので樹上にブラインドを張るのも憚られます。
親鳥になるべくストレスを与えないように、無理せずこのまま定点観察に通うことにします。

ところで、近くの河原で採餌しているカラスのつがいが、巣内のノスリをモビングしないのは不思議です。
まさかカラスは、ノスリの巣の存在に気づいていないのでしょうか?(そんな馬鹿な!)

15分ほどの観察中に、ノスリ♂の姿は一度も見かけませんでした。
どこか遠くで狩りをしているのかな?


つづく→#5:巣内で獲物を捕食後に抱卵するノスリ♀(野鳥)


ノスリ♀(野鳥)@巣:柳樹上+抱卵
ノスリ♀(野鳥)@巣:柳樹上+抱卵
アングルを少し変えるだけで親鳥の姿はほとんど見えなくなる。(巣材の隙間から片目だけが覗いている)

ユリノキで雨宿りしながら虫を捕食するスズメ(野鳥)



2019年6月上旬

大木に育ったユリノキで黄色い花が満開に咲いていました。
あいにくの雨模様で訪花昆虫の活動は見れません。
その代わりに、1羽のスズメPasser montanus)が樹上で雨宿りしていました。
枝から枝へ飛び回り、葉裏に付いた虫(アブラムシ?)を次々に喋んでいます。

スズメが雨宿りしていると思ったのは私の勘違い(先入観)で、このぐらいの雨なら平気なスズメがユリノキの葉裏で雨宿りしている虫を捕食しに来たのかもしれません。


ユリノキ花
ユリノキ花
ユリノキ蕾+花
ユリノキ幹

スズメ(野鳥)@ユリノキ樹上+雨宿り
スズメ(野鳥)@ユリノキ葉裏+虫捕食

2019/08/21

送電塔の巣箱での営巣に失敗したハシボソガラス親鳥♀♂(野鳥)



2019年5月下旬・午前5:35

発電した電気を高圧線(送電線)で遠方まで届けるために送電塔が郊外に点々と建てられています。
一部の鉄塔の中段にカラス用の巣箱が設置されていることに気づきました。
ハシブトガラスが営巣した巣箱を今季は定点観察しているのですが、その近所の鉄塔も次々に見て回りました。
すると、ハシボソガラスCorvus corone)の♀♂つがいが出入りしている巣箱を見つけました。

早朝から巣箱に入った2羽のハシボソガラスが、お辞儀をしながら嗄れ声でガーガー♪と頻りに鳴き騒いでいます。
巣箱の中はなぜか巣材が少なくスカスカです。
果たして完成した巣なのか疑問です。
中に卵や雛が居るとは思えません。
巣箱内でカラスが巣材の小枝を置き直しているということは、今頃になって造巣を始めたのでしょうか?

やがて2羽のカラスは相次いで巣箱を離れました。(映像はここまで)
新たに巣材を運び込んで来るのかと思いきや、4時間後に私が再訪すると、ハシボソガラスの♀♂親鳥は不在でした。
ぐるっと回り込んで送電塔#KbT7にぐっと近づいて巣箱を調べてみると、やはり中には巣材の枯枝が少なく、明らかに手抜き状態です。
雛が居る気配もありません。

ちょうど1か月前に近くの河畔林で巣材としてツルウメモドキの蔓をせっせと集めていたハシボソガラスはこのつがいではないか?と考えました。
あの日に巣材を持って飛び去った方角と送電塔#Kb7の位置が合致するのです。

▼関連記事
ツルウメモドキの蔓を折って巣材を集めるハシボソガラス♀♂(野鳥)
しかし、巣箱に残されている巣材をよく見てもツルウメモドキの蔓らしくありません。(素人目には違う気がする…)

ハシボソガラスはハシブトガラスよりも営巣開始が早く、雛も早く巣立ちます。
実際にこの日も近くの河畔林で巣立ったばかりのハシボソガラス幼鳥を観察しています。

▼関連記事
ニセアカシアの枝に並んで親鳥を待つ2羽のハシボソガラス巣立ち雛(野鳥)
川沿いの林床で鳴く♪ハシボソガラスの巣立ち雛(野鳥)
したがって、この巣箱がハシボソガラスの巣だとすると、繁殖活動が著しく遅れているつがいになります。
別の場所に作った巣をヒトに撤去されたなど、何らかの理由で新たに巣を作り直しているのでしょうか?

作りかけで放棄された偽巣なのかな?
この送電塔は某公共施設の敷地の隅に立っているので、カラスは巣を作りかけたものの、人通りの多さが気に入らなかったのかもしれません。
逆に雛が巣立った後の空巣だとすると、もう巣箱に用が無いはずの親鳥が♀♂揃って早朝から巣箱に来ていた意味が分かりません。
今季は繁殖に参加できなかった若鳥が巣作りの真似事をしていたのかもしれませんが、私の想像に過ぎません。

さらに数日後に私がしつこく調べに来たときも、この巣箱は作りかけの巣材が少量残されたままで進展がありませんでした。
という訳で、送電塔の巣箱でハシボソガラスが繁殖に成功したことを私は確認できていません。
来季の宿題です。

(巣箱が設置されていない送電塔で営巣するハシボソガラスは毎年のように見ています。)

ハシボソガラス親鳥♀♂(野鳥)@巣:送電塔#KbT7
ハシボソガラス(野鳥)巣箱@送電塔#KbT7
ハシボソガラス(野鳥)巣箱@送電塔#KbT7
ハシボソガラス(野鳥)巣箱@送電塔#KbT7
高圧線を通す上段の鉄骨にはカラスが営巣しないように様々な障害物が設置されている。
ハシボソガラス(野鳥)巣箱@送電塔#KbT7・全景
ハシボソガラス(野鳥)巣箱@送電塔#KbT7・全景

ちなみに、ハシブトガラスが営巣している巣箱がある送電塔#KN7の1つ隣り#KN8にもカラス用の巣箱が同様に設置されていました。

そちらはカラスに利用されておらず完全に空っぽでした。

親鳥はどういう基準で利用する巣箱を選ぶのでしょう?

カラスspp(野鳥)巣箱:空巣@送電塔#KN8
カラスspp(野鳥)巣箱:空巣@送電塔#KN8
カラスspp(野鳥)巣箱:空巣@送電塔#KN8・全景
カラスspp(野鳥)巣箱:空巣@送電塔#KN8・全景

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