2014/06/20

タニウツギで採餌戦略(正当訪花/穿孔盗蜜)を切り替えるクロマルハナバチ♀



2014年5月下旬

平地の水辺に近い所に咲いたタニウツギの群落でクロマルハナバチBombus ignitus)と思われる♀が訪花していました。
採餌行動をよく見ると、毎回花筒の外側から花弁の根元を突き刺して花蜜を吸っています。
これは穿孔盗蜜と呼ばれる行動で、花の受粉に関与しません。
舌の短い種類として知られるオオマルハナバチ♀がタニウツギの花で穿孔盗蜜するのは以前観察しましたが、クロマルハナバチも盗蜜の常習犯とは知りませんでした。

更に興味深いことに、同一個体が一度だけ正当訪花(花筒に頭から潜り込んで吸蜜し、その代わりに受粉を助ける)しました(@1:32〜1:35)。
ところがまたすぐに穿孔盗蜜に戻りました。
同一個体が正当訪花/穿孔盗蜜の採餌戦略を切り替える決定的瞬間を映像に記録することができました。
花筒の大きさに応じてスイッチするのでしょうか。
盗蜜行動は学習の産物なのかどうかも知りたいところです。

この個体は盗蜜ばかりしているのに、後脚の花粉籠には褐色の花粉団子を付けているのも不思議です。
タニウツギ以外の花の花粉なのかな?
(タニウツギの花粉は白いと思うのですが…?)
蜂を採集して花粉籠に付いた花粉を顕微鏡で調べれば、花の種類を突き止められるかもしれません。


穿孔盗蜜
正当訪花

ヤマトゴキブリの飼育容器にはバターを塗ろう!(成虫♂)



2014年5月下旬

ゴキブリを飼育するなら脱走防止策をしっかり講じる必要があります。
ヤマトゴキブリ♂成虫(Periplaneta japonica)を用いてバター・トラップの原理および作り方を実演します。

▼前回の記事はこちら
ヤマトゴキブリの飼育容器にはバターを塗れ!(終齢幼虫)

ヤマトゴキブリはプラスチック容器の壁面を軽々と登ることができます。
壁面で下向きにも止まれます。
当然、この状態で蓋を開ければ脱出されてしまいます。
実際にこの♂は別の飼育容器の蓋まで登ってスリット状の換気口の細い隙間から脱獄した強者で、再捕獲したところです。
(スリット状の換気口にはセロテープを張ってしっかり塞ぎました。)

さて、バター・トラップの制作です。
プラスチック容器の縁の内側にバターを念入りに塗りつけましょう。
この容器にヤマトゴキブリ♂を戻してやると、バターで爪先が滑って壁面をよじ登れなくなります。
滑落してひっくり返ったゴキブリは諦めて、バターで汚れた触角を掃除し始めました。

こんな簡単な対策をするだけで、蓋を開けた状態で観察・撮影しても脱走の恐れがなくなりました。
ただしバターが古くなると効果が薄れるので、ときどき塗り直す必要があります。
容器内の視認性が悪くなるのは仕方がありません。
ただし成虫の♂は長い翅があるので、飛んで逃げる恐れがあります。
蓋を開けるときは目を離さないようにします。
ヤマトゴキブリは半野生でおっとりした性格(動きが遅い)なので、一度しか♂が飛ぶ姿を見たことがありません。

ちなみにバター・トラップはゴキブリを生け捕りにするための古典的な罠です。
ゴキブリの好む餌を容器内に入れておけば捕獲できるそうですが、私は試していません。
粘着式のゴキブリ・ホイホイが開発されてからは廃れてしまったそうです。

※ バターの代わりにマーガリンでも良いらしい。(古出俊子『ゴキブリを調べる』p12より)


2014/06/19

カキドオシの花でホバリング吸蜜するビロウドツリアブ



2014年5月下旬

里山の草地に咲いたカキドオシの青い花でビロウドツリアブBombylius major)がホバリング(停空飛翔)しながら吸蜜していました。




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