2012/04/06

ルリビタキ♀がウルシの実を採食【冬の野鳥】



2012年3月下旬


雪の残る低山でゴジュウカラの定点観察を終えて帰り支度をしていたら、一羽の見慣れない野鳥が近くにやって来ました。



帰ってから野鳥図鑑をめくって調べても、なかなか正体が分かりません。
シロハラにしては変かな?と迷った挙句、ようやくルリビタキTarsiger cyanurus)の♀タイプと判明。
コンパクト図鑑にはルリビタキの派手な♂の写真しか載っていないというのは問題です(地味な♀も載せてくれないと!)。


『鳥のおもしろ私生活』p180によると、
この鳥は警戒心も弱くて愛らしいし、冬枯れの林道脇の身近な存在だ。 ♂が青くなるのに約2年かかるらしい。若い♂は♀と同じような色のまま繁殖する。♀や若鳥は尾だけが青い。



林道沿いに生えたヤマウルシの実を啄んでいます。
少し飛んで移動すると、 アカマツ・カラマツ混合林の林床に生えたウルシ幼木の枝に止まりました。
垂れ下がった小枝に鈴なりになっている白い実を一粒ずつ採食しています。
啄む際は枝に一瞬ぶら下がる姿勢になったりホバリングしながら採食することもあります。
小鳥にしては余り警戒しないようで何度もカメラ目線をくれました。
小雪がちらつく中、ときどき寒風に煽られ羽毛が逆立ちます。



食事が済むと、一瞬雪面に降りてから隣の木の枝に飛んで移動。
尾羽を小刻みに上下しながら顔はキョロキョロ。
長い休息の末にようやく飛び立ちました。

後半3:50-の映像は食後に木の枝に止まっているだけなので、お急ぎの方はスキップして頂いて結構です。
枝に止まったまま脱糞しました(@5:41)。



樹種を同定するため、撮影後に実の付いた枝を採集しました。
ウルシかヌルデの仲間(ウルシ科)だと思うのですが、夏になったら葉の形で見分けられるはずです。


【追記】
葉の形からヌルデは除外できました。
ヤマウルシだと思います。

上田恵介 編『種子散布 助けあいの進化論〈1〉鳥が運ぶ種子』によると、
ウルシ属の仲間は、種子の表面が脂肪を主成分とした蠟物質で覆われており、比較的多くの鳥に採餌される雌雄異株の樹木である。 (p57より引用)




2012/04/05

キボシアシナガバチ新女王の日光浴と身繕い、徘徊



2011年11月上旬

神社境内の板壁で見つけたキボシアシナガバチ♀。
時期的にワーカーではなくコロニー解散後の新女王だと思いますが、私には見分けられません。
日光浴しながら身繕いしています。
やがて歩き回り始めました。
新女王だとしたら、越冬地を探しているのだろうか?
少なくとも2匹いました。


撮影後に一時捕獲して持ち帰り、ハチミツを与えてみました。
つづく→「蜂蜜を舐めるキボシアシナガバチ新女王

2012/04/04

朽木の巣穴に出入りするゴジュウカラ【野鳥】



ゴジュウカラ巣穴の定点観察記1

2012年3月中旬

未だ雪が残る低山で、細長い朽木の上部にキツツキが開けたと思われる穴に出入りしている鳥を発見。
ゴジュウカラSitta europaeaは初見になります♪
2羽が出入りしているので、こんな早春からつがいで営巣中なのだろうか。
この朽木は下部の二股に残る樹皮および周囲の森の環境からアカマツだと思います。

動画とは別に撮った写真を見直すと、シジュウカラParus minorが同じ巣穴を覗き込んで物色しているピンボケ写真が一枚だけ撮れていました。
繁殖期を前に、種間で営巣地の争奪戦があるのかもしれません。




どの野鳥が勝ち取るにしても、これから本格的に巣作りを始めるのなら定点観察してみたいものです。

(つづく→その2


【追記】
有澤浩『北の樹海の博物誌――富良野の森に生命(いのち)のドラマを見る(22世紀アート)』という名著によると、
 ゴジュウカラは樹洞営巣性の鳥だが、自らは巣穴を掘れず、自然にあるうろやキツツキ類の古巣などを利用して繁殖する。しかし、なんらかの理由で営巣場所が見つからないと、やむなく他の鳥の使用中の巣の横取りをたくらむことになる。




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