2011/01/11

ガマの穂の綿毛はフワフワ




2010年11月上旬

湿地帯を歩くと蒲(ガマ)の群落がありました。
固く締まっていた穂が熟すと少しずつ自然に弾けます。
それを手で揉み解すと大量の綿毛が飛散します。
風による種子散布の戦略ですね。
ふわふわの手触りが最高です。
因幡の白兎が蒲の穂の布団で傷を癒したという神話もなんとなく分かる気がします。
 


ジョロウグモの完成した卵嚢




2009年10月中旬

ジョロウグモNephila clavataの♀は完成した白い卵嚢の上にゴミなどを付けてカモフラージュすることが知られています。
樹皮、木屑、枯葉、虫の抜け殻、砂粒、ゴミなどを集めて来るそうです。
偽装工作を是非見たかったのですけど残念ながら卵嚢作製の翌日は忙しくて観察に行けませんでした。
翌々日に再訪するとカモフラージュ済みの卵嚢の傍で♀が休んでいました。
一見すると卵嚢をガードしているようですが違います。
個体識別のマーキングを施そうと腹部に油性ペンで触れると卵嚢を残したまま慌てて懸垂下降して逃げました(映像なし)。
後日、やや離れた位置に新しい網を構えました。
ジョロウグモは卵嚢で越冬し、母クモは晩秋に寿命を迎えるまで複数個の卵嚢を作るので、他の種類のクモのように幼体が出嚢するまで卵嚢に付き添ってガードすることが出来ません。
その代わりに卵嚢表面を偽装する行動が発達したと考えられるそうです。

《参考》
・『カラー自然シリーズ60:ジョロウグモ』 偕成社 p28 
・『クモの巣と網の不思議:多様な網とクモの面白い生活』 文葉社 p129 
・『クモの不思議』 岩波新書 第7章「産卵と卵嚢造り:どのようにして卵をまもるか」 (クモの系統と卵嚢造りの進化について分かりやすく解説されています)

【追記】
『繭ハンドブック』p106によれば、ジョロウグモは
平面的な卵のうも作るが、木の葉に作る時は葉を綴ることが多い。

ジョロウグモの卵嚢作り【8倍速映像】



2009年10月中旬

ジョロウグモ♀(Nephila clavata)は卵塊を糸で覆いながらゆっくりと往復しています。
三脚に固定したカメラで深夜零時過ぎまでの約2時間、断続的に撮影した映像を8倍速の早回しでお届けします。
ジョロウグモの卵嚢作り作業が単調なこともあり、カメラのSDカードが容量切れになったところで観察を打ち切りました。
寒いし眠いし・・・。
つづく
 


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