2011/01/05

ニホンカモシカの眼下腺マーキング




2010年5月上旬

山中で虫の撮影に熱中していたら、背後の斜面でガサガサポキポキ音がする。
山菜取りの人が登って来たのかなと思い、ひょいと振り返ると近くに野生ニホンカモシカCapricornis crispus)が立っていました。
カモシカは好奇心が強い動物らしいので、私の様子を観にきたのかもしれません。
慌ててカメラを向けると警戒しつつもしばらく横目でこちらを窺っていました。
身を翻して森へ戻る途中で、アカマツの幹に顔をスリスリ。
目の下にある匂い袋(眼下腺)を擦り付けて縄張りを宣言するマーキング行動です。
間近で実際に見れて感動しました。
カモシカが去った後、その立ち木に鼻を近付けて嗅いでみたものの、特に何も感じませんでした。
本によると甘酸っぱい匂いがするらしいのですけど。
カモシカは足の指の間に同様の蹄間腺というものもあるそうです。

警戒心の強い野生動物と視線を直接合わせずに撮影するのにバリアングルの液晶モニターはとても重宝します。
隠し撮りという程ではありませんが、そっぽを向いたまま素知らぬ顔でレンズだけを向けて撮影しました。
 

【追記】
『カモシカの森から』p124より
カモシカの眼の下には、泣きボクロのようなほんの小さな突起がある。これが、眼下腺と呼ばれるもので、ここからある種の分泌物を出す。その分泌物は、液体状であり、大気に触れると乳白色をしたゼリー状に固まる。

クロボシヒラタシデムシ♂は交尾中♀の触角を噛む性癖がある





2010年5月上旬


溜め糞で交尾するクロボシヒラタシデムシ

杉林の林床でタヌキの溜糞を発見。
特に臭くはなかったので近寄ってみるとクロボシヒラタシデムシOiceoptoma nigropunctatum)の成虫が何匹も集まっており、交尾中のカップルもいました。
♀の背後からマウントしている♂は動き回る♀の触角に噛みついて引っ張っているのが分かります。
これはヒラタシデムシの仲間に特有の交尾行動なのだそうです。

【追記】
『日本動物大百科10昆虫Ⅲ』p103によると、
シデムシ亜科の多くは、交尾をするとき、♂が♀の背中に乗り、大顎で♀の触角の左右一方を掴む。そして♂は交尾がすんだ後も触角を捕らえたまま♀の背中に乗っていることがあり、時に産卵がすむまで放さず、ほかの♂を寄せつけないこともある。







溜め糞について 
当地で溜め糞を行う野生動物としてはニホンカモシカとタヌキが考えられるのですが、どちらか私には分かりません。
草食動物の糞っぽくないからタヌキかな? 
ウンコロジーに詳しい方がいらっしゃいましたら是非教えてください。


【追記】
フィールド経験を積んでから見直すと、これはカモシカではなくタヌキの溜め糞ですね。
 


クロヤマアリ集団の巣作り





2010年5月上旬

働きアリがせっせと巣穴から土粒を運び出していました。
巣穴のすぐ近くに捨てています。
ヤスデの死骸も巣とは逆方向に運んでいるので、餌としてではなく邪魔物を捨てているのでしょう。
ワーカー(働きアリ)を採集してみました。
クロヤマアリFormica japonicaまたはその仲間)だと思うのですがどうでしょう。
クロヤマアリの関東型は一つの巣に一匹の女王が居るらしいです。


参考:『アリ・ハンドブック』(文一総合出版)
 


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