2022/05/28

雪山でニホンカモシカ♂の痕跡を追え!アニマルトラッキング(足跡、糞塊、小便跡)

 

2022年1月上旬・午後14:00頃・晴れ
前回の記事:▶ 口が届かない枝先を食べるため灌木を前足で折り曲げる雪国のニホンカモシカ♂

雪山で先行ラッセルするニホンカモシカ♂(Capricornis crispus)の足跡を辿ってみることにしました。 
 スノーシューを履いた雪山登山でアニマルトラッキングをすると、狩りの疑似体験ができてなかなか楽しいのです。 
深雪に踏み込んだ蹄の跡が一歩ずつくっきりと残っています。 
スギ林の林縁を下山しています。 

途中で立ち止まって排便したようです。 (@0:50)
雪面にコロコロした黒い糞が大量に残されていました。 

動画を見直して初めて気づいたのですが、更に追跡するとカモシカ♂が立ち止まって雪面に小便した跡もありました。(@1:19)
関連記事(同一個体)▶ 雪山で排尿するニホンカモシカ♂
黄色い尿で雪が溶けています。
山中では樹上から滴り落ちた雪解け水が茶色っぽく着色していて、動物の小便跡と間違えそうになることがよくあります。 

杉林の斜面でようやくニホンカモシカ♂に追いついたのに、走って逃げられてしまいました。 
一瞬の再会シーンを1/5倍速のスローモーションでご覧ください。 
雪山の上り坂になると、どうしても野生カモシカの体力に負けてしまいます。 

2022/05/27

電線を綱渡りする雪国のニホンザル

 

2022年1月上旬・午前10:55頃・晴れ 

山麓の電線で若いニホンザルMacaca fuscata fuscata)が器用に綱渡りしていました。 
ヒトの綱渡りとは違って猿は四足を使うため、安定していて全く危なげがありません。 
下半身が雪まみれということは、それまで雪原をラッセル・遊動していたのでしょう。
最後は電線から下の落葉樹に飛び降りました。 

ニホンザルの綱渡りを見るのは久しぶりです。
前回は体重が重い成獣♀だったせいか、電線を渡ろうとしてもグラグラとバランスを崩して失敗しました。
今回の個体が上手だったのは、身軽な子ザルだったからでしょう。
関連記事(9年前の撮影)▶ 電柱を登り電線から跳び移るニホンザル

2022/05/25

口が届かない枝先を食べるため灌木を前足で折り曲げる雪国のニホンカモシカ♂

前回の記事:▶ 雪山で灌木の枝先を食べ歩くニホンカモシカ♂

2022年1月上旬・午後13:35頃・晴れ 

ニホンカモシカ♂(Capricornis crispus)が雪山で食樹を食べ歩きしています。 
深雪の斜面を登るときなどは、少しでも楽をするために(体力温存)古いラッセル跡を辿ることがあるようです。 
斜面の途中に生えた落葉灌木(樹種不明)の群落に辿り着くと、カモシカ♂は細い幹に左前足を掛け体重を載せて折り曲げました。 
そのまま両前足で踏みつけると、柔らかい枝先を口元に引き寄せて食べ始めました。 
雪山の斜面に対してカモシカの頭が下向きになりました。 
後半になると、首を伸ばして口が届く範囲の枝先を次々に食べています。 
この灌木は細くてしなやかで、カモシカが折り曲げても押し倒してもバキッと破壊的(非可逆的)に折れることはありません。
倒伏した灌木はカモシカが立ち去ると弾性で元に戻りました。

ヤギは身軽で少し木登りができるそうですが、カモシカは木に登れません。 
その代わりに、細い灌木を折り曲げる採食法を編み出しました。 
彼らは時に前肢を枝にかけて手前に引き寄せたり、幹に両前肢をかけて立ち上がって高い所のものも食べる。(中略)ことにえさの乏しくなった冬の間に行うことが多いようである。(中公新書の千葉彬司『カモシカ物語』p73より引用)
私がこの採食法を実際に観察したのはこれで2回目です。 



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