2022/03/26

深夜の河畔林を歩くハクビシン【暗視映像:トレイルカメラ】

 

2021年12月中旬・午前3:20頃・霧 

真夜中の河畔林に霧が少し立ち込めています。 
ニセアカシアの木立の奥をハクビシン(白鼻芯、白鼻心;Paguma larvata)と思しき野生動物が左から右へ歩いて行きました。 
顔は見せてくれませんでしたが、尻尾が長いのでおそらく夜行性のハクビシンでしょう。 
画面中央下に写っているタヌキの溜め糞には全く興味を示さずに素通りしました。 
タヌキに対抗してハクビシンが溜め糞場に糞尿でマーキングすることはないようです。
関連記事(1月前の撮影)▶ 深夜タヌキの溜め糞を素通りするハクビシン【暗視映像:トレイルカメラ】

画面の奥には川が右から左へ流れています。
つまり、ハクビシンは川沿いを上流に向かって行きました。 

 ※ カメラから少し遠いので、後半は自動色調補正で明るく加工してリプレイ。 



2022/03/08

杉林の獣道を往来する野生動物たち【トレイルカメラ:スライドショー】

 

2021年12月上旬〜中旬

里山のスギ植林地を通る林道の真ん中にタヌキの溜め糞場sを新たに見つけました。 
トレイルカメラ(無人センサーカメラ)を設置して、野生動物の往来を監視してみましょう。 
ところがうっかりした私の設定ミスで、動画で記録しない写真モードになっていました。 
気温のデータを取得できたのがせめてもの救いです。 
せっかくなので、撮れた写真をスライドショーにしてみました。 

カモシカ、イノシシ、タヌキ、リスという4種の野生動物が登場します。 
その一方で、ここの溜め糞場に野ネズミは一度も登場しませんでした。 
野ネズミの餌となるドングリ類が落ちてないスギ林に野ネズミが生息しないのは当然ですね。
その代わり、雪の日にニホンリスSciurus lis)が地上に降りて活動していました。 

写真を見比べる限り、溜め糞sに新しい糞は追加されていませんでした。
獣道をパトロールするタヌキは溜め糞をチェックしただけで、排便しなかったようです。 

カモシカは夜行性という訳ではなく、明るい時間帯も活動していました。 


シーン1:12/9 
タヌキが残したと思われる大小様々な糞塊が3、4ヶ所に分散して林道上に並んでいました。 全ての溜め糞を画角に収めるのは難しいので、新鮮な糞が残されていた大きな糞塊を重点的に狙うことにしました。 


シーン2:12/10・午後13:25・気温3℃→2℃ 
翌日、ニホンカモシカCapricornis crispus)が林道を通りかかりました。 
タヌキの溜め糞を迂回するように、左から右へ通過する様子が2枚の写真で記録されていました。 


シーン3:12/13・午後12:26・気温7℃ 
うっすらと雪が積もったばかりの林道上にニホンリスSciurus lis)が立ち止まったようです。 
スギ林で(しかも地面・林床で)リスが撮れるとは意外でした。 


シーン4:12/15・午前2:19・気温4℃ 
地面に積もった雪はもう溶けてしまったようです。 
夜中にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が登場しました。 
左へ立ち去ったと思いきや、 


シーン5:12/15・午前5:06・気温3℃ 
3時間後、同一個体(?)のタヌキが引き返して来たようです。 
顔が見えないので、本当にタヌキがどうか、あまり自信がありません。 
ニホンアナグマMeles anakuma)の可能性もありますかね? 


シーン6:12/15・午後18:05・気温2℃ 
同じ日の晩に今度はニホンイノシシSus scrofa leucomystax)がカメラの前を右から左へ横切りました。 
早足で急いでいるのか、写真が少しぶれています。 
ここ山形県でイノシシは絶滅していると去年まで私は思い込んでいたのですが、里山のあちこちでトレイルカメラを仕掛けてみると、今や決して珍しい動物ではないと分かってきました。 

シーン6:12/16・午前4:56・気温3℃ 
タヌキが夜明け前に登場しました。 


【おまけの写真】 
スライドショーに収録できなかったのですが、同じ場所で年末に撮れたカモシカの写真を追加で掲載しておきます。 


12/29・午後13:49・気温5℃ 
昼間にニホンカモシカが新雪をラッセルしながら左から右へ横切りました。 
雪面に新しい足跡(蹄跡)が残ります。 
樹上からの落雪がカメラを直撃したのか、画角が傾いています。
それでも、タフなトレイルカメラはしっかり記録していました。




2022/03/07

食草の葉表に次々と産卵するスジグロシロチョウ夏型♀

 

2021年8月下旬・午前9:20頃・晴れ  

山麓の沢沿いの湿った山道でスジグロシロチョウの夏型♀(Pieris melete)が産卵していました。 
わだちが水浸しになった山道を低空で飛び回っています。 食草(おそらくアブラナ科)の葉に止まると直ちに腹部を前方に少し曲げ、葉表に産卵しました。 
白い卵を1粒ずつ産みつけています。 
スジグロシロチョウ夏型♀は産卵を続けて疲れたのか、道端で倒伏した植物(草刈りした後)に止まって休みます。 
翅を半開きで日光浴する間に翅表の斑紋からスジグロシロチョウと判明しました。 
しばらくすると、産卵活動を再開しました。 
山道を低空で忙しなく飛び回り、あちこちで食草の葉に触れてチェックすると1粒ずつ産卵して回ります。 

産卵行動で気づいた点としては、 
・食痕がある葉も避けない。(@1:25) 
・必ず葉表に産み付ける。 
シロチョウ類の♀は食草の葉裏に産卵するというイメージを私は持っていたので、その点はとても意外でした。 
関連記事(11年前の撮影@同所:葉裏に産卵)▶ スジグロシロチョウ♀の産卵
今回のように食草が若くて背丈が低い場合は、葉表に産卵するのかな? 
食草の植物に花が咲いていなかったので、種類を同定することができませんでした。 

こんなに目立つ葉表に無防備に産卵して大丈夫なのかと心配になります。 
天敵(捕食者・寄生者)対策は特に何もしていないようですけど、大量の卵をあちこちに分散して産みつける戦略なのでしょう。 
気温の高い真夏は産卵後すぐに孵化するのかもしれません。

食草1株に卵を1個だけ産むのは、孵化した幼虫同士の競合・共倒れを避けるためと思われます。 
かなり若い葉でも気にせず産卵していたのですが、幼虫が食べ尽くして食草不足になったら群落内を自力で移動するのでしょう。

食草ごと卵を採集し、飼育したかったのですが、他にもあれこれ手を広げ過ぎていた私には余力がありませんでした。 

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